三百六十六、山口二郎氏批判(その八)


平成25年
三月二十七日(水)「業界」
山口氏は二十四日のコラムで今年の大学入試も終わったが、私の業界では法学部の人気低下(中略)が話題となったと書いた。「私の業界」とはいつたい何のつもりだ。山口氏は大学を自分が収入を得るための道具としか考へてゐない。呆れた男である。だから北海道大学教授といふ肩書きを最大限に悪用し、さよなら小沢一郎だの安保反対闘争は岸信介がA級戦犯だつたからだのとでたらめな主張を繰り返せるのであらう。そしてシロアリ民主党の党本部に呼ばれ講演をしたり党首と会談をした。
山口氏は続けて明治以来、○大法学部は庶民階級出身の若者にとって、偉くなるための近道であったと書いた。大学は学問の場である。ところが山口氏は偉くなるための近道なのだといふ。○大は具体名が書かれてゐたが、特定の大学を宣伝するのはよくないので○大とした。
無能な人間ほど大学名を言ひたがる。大学卒業時の知識を1とすれば、社会に出れば知識量は50にも100にも増へる。大学卒業時のまま増へないからさういふことが言へる。丁度、自動車教習場を卒業したときの技能を1とすれば運転を重ねるにつれ技能は桁違ひに向上する。運転をしなければ向上しない。後者の連中が、俺はどこの自動車学校を出たと得意げに話すようなものである。

三月二十八日(木)「立身出世とは」
偉くなればそれだけ仕事が大変になる。その代はりに収入が増へる。つまり偉くなるのと偉くならないのは、どちらを選んでも損はない。ところが実際の社会は仕事は楽なのに肩書きだけ偉くて収入も多い人がゐる。山口氏のいふ偉くなるための近道とはまさに後者である。
この社会の不均衡を常に直し続けることこそ政治ではないのか。ところが山口氏は不均衡にうまいことをやる人間を推奨する。とんでもない男である。一番の不均衡といへば国会議員である。なりたい人が多ければ歳費を減らすべきだ。もし生活保障が必要だといふなら落選議員にこそ必要である。西洋の猿真似でそれらを放置するから拝米猿真似シロアリ民主党といふ醜い連中がシロアリのように発生した。それに加担する拝米猿真似ニセ学者も発生した。

三月三十一日(日)「アメリカの学者の言ひなりの山口氏」
本日のコラムで山口氏は三月にアメリカを旅行し多くの学者と議論したさうだ。しかし
彼らは日本という国が何を目指すのか、当惑していた。

アメリカが世界の人口比の少数を占めるだけにも係はらず武力を背景に自分たちのやり方を世界に押し付け、しかもその既得権を守るため地球破壊の最先端を突き進んでゐる。そのことのほうがよほど当惑である。だいたいアメリカは最初に先住民が多数のときに選挙をやつたのか。都合の悪いときは武力、都合がよくなると民主主義。アメリカの民主主義は世界で最も血に染まりうじ虫が涌いてゐる。山口氏は次のように続ける。
大半の日本のメディアは、日本を操作することを職業とする特定の人たちとしか付き合っていない。だから、たとえば尖閣諸島は日米安保条約の適用対象であるという米政府高官の発言を鬼の首でも取ったかのように報道する。

これまで山口氏はマスコミを誉め拝米政治屋を誉め丸山真男を誉め、とにかく日本の文化を破壊するものを持ち上げてきた。その流れからすると日本を操作することを職業とする人たちがゐることを認めたことは大変な進歩である。しかし山口氏自身これまで拝米を繰り返して来たではないか。だから
米国から見ていると、右傾化した自民党は、親米なのか、反米なのか、わからないのである

と舌の乾かぬうちに拝米言辞を始める。日本の政治は日本の国民のためにある。アメリカから親米なのか反米なのか判断してもらふためにあるのではない。

四月三日(水)「米国の日本占領を喜ぶ山口氏」
山口氏は次のように書く。
安倍晋三首相が究極的に目指す「戦後レジームからの脱却」は、日本を占領し、民主主義に導いた米国に喧嘩を売る話でもある。

戦後の占領体制を終了させるのはよいことだ。それは米国の内政干渉を拒否し猿真似を止めることで達成できる。占領を終了させることが米国に喧嘩を売る話とは呆れる。安部氏の「戦後レジームからの脱却」は正反対の意味で危険である。それは憲法九条のたがをはずし、米軍の下請けとして戦闘をすることだ。少なくとも山口氏のいふように米国に喧嘩を売る話ではない。
そもそも日本への内政干渉を繰り返し喧嘩を売つてきたのは米国である。私は拝米派ではないが親米派または元親米派だから、日本の膨大な経常黒字のせいだと米国をかばつてきた。
山口氏の一番許し難いのは日本を占領し、民主主義に導いたの部分である。日本がどのような政治を目指すかは日本自身が決めるべきだ。米国にとやかく言はれる筋合はない。ところが山口氏は占領を肯定し占領下で起きたことを肯定する。
日本に民主主義がなかつたといふのは間違ひである。一番最初は村落社会でこの当時は民主主義があつた。しかしすぐ堕落し有力者の独裁となる。国家が形成されると村落の堕落を引き継ぎ、一方で堕落を防がうとする動きも出る。両者のせめぎ合ひの中で幕末を迎へた。
明治維新以降は西洋の猿真似の中で民主主義が形成された。だから西洋の帝国主義の猿真似指向が流入しやすい。しかも戦前は帝国主義と共産主義といふ二つの脅威があつたから日本は治安維持法など過剰に反応した。戦後の帝国主義は既得植民地維持勢力になり少なくとも日本が植民地にされるおそれはなくなつた。だから民主主義が根付いた。これが正解ではないのか。それなのに山口氏は、米国様のおかげで民主主義にして頂きましたと朝に夕に称賛を繰り返す。米国崇拝教の誕生である。教祖はさしづめ丸山真男であらう。

四月四日(木)「好ましいように見えて、冷戦終結後は最悪になつた」
米軍の日本占領で農地解放と財閥解体は日本の役に立つたように見える。しかしあれは日本のためにしたのではない。冷戦が始まりこの先どれだけ双方に犠牲者がでるか判らない。だから米国は日本の共産主義を防ぐために行なつた。あくまで共産主義を防ぐためだから不完全な社会主義化である。いはば蛇の生殺しである。
だからその弊害が今回の消費税騒ぎでニセ労組シロアリ連合とシロアリ民主党に現れた。農地解放と財閥解体は米軍の善政ではない。強いていへば米ソ冷戦からの恩恵である。だから冷戦終結後はひどい状態になつた。(完)


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