三千三百八(うた)短編物語(本能寺に替はる方法を採ったが)
丙午(西洋地球破壊人歴2026)年
九月十一日(金)
第一章 第二の方法
短編物語(戦国時代最悪の裏切り者、羽柴秀吉)だと、裏切った人が貧乏くじを引くことになる。だから、誰もやりたがらない。
そこで、柴田勝家、惟任(明智)光秀、羽柴秀吉の三名が協議し、第二の方法を検討した。なを、織田信長の推挙で、光秀は惟任の姓を、朝廷から賜った。光秀も名誉に思ひ、これ以降、惟任日向守を名乗るやうになった。
そして出た結論は、信長の嫡男、信忠を抱き込むことだった。武田信玄が、父親の信虎を今川家へ追放したやうに、信長を上杉家へ追放することにした。
信長と謙信は、共通の敵武田信玄に対峙し、蜜月時代が長かった。信長は謙信に贈り物を届けるなど、気を使った。だから、受け入れない筈は無かった。
第二章 信忠の抱き込み成功
一番の難関と思はれた信忠の抱き込みは、意外と簡単だった。信長のやり方では、いつか織田家が亡びる。しかも、織田家筆頭家老佐久間信盛とは仲が良かった。
佐久間親子追放で、自身の領地が激増したとは云へ、嬉しくなかった。これからは、勝家、光秀、秀吉と、毎月比較されるだらう。
惟任日向守が、お父上にはそろそろ風流の道を、と勧めたことも心に響いた。
第三章 信長隠居も成功
信長隠居は、平穏のうちに成功した。勝家、光秀、秀吉の、最初の計画では、森蘭丸が抵抗するが我々が殺害すると信長様の思考に重大な影響を与へるので、信忠さまにお願ひしよう、となった。
ところが、信長は信忠が勝家らの側だと知るや、武器を捨てよ、と森蘭丸に命令し、信長ともども神妙に振舞った。
第四章 信長の反撃
信長が卓越するのは、失敗時の学習能力だ。信長は、すぐに信忠抱き込み工作を始めた。軟禁状態だが、信長と蘭丸が神妙なので、三人は安心した。
正しく云へば、秀吉以外の二人は安心した。信長は信忠に「高野山で出家をする。勝家、光秀、秀吉を脇侍とし、共に出家する」と伝へた。信忠は三人との絆を考へたものの、このころ自分より遥か年上で経験が多い老臣たちに、うんざりし出した。
信長の奸計に乗り、三人を高野山に追放する皮算用を始めた。光秀は、出家提案に賛成だった。勝家は、猛反対だった。秀吉は、両方の主張に理解する振りをしながら、対立を煽った。
恐ろしいのは信長だ。光秀が賛成し、勝家が反対し、秀吉が対立を煽る。そこまで見抜いてゐた。
第五章 秀吉は一枚上手だった
信忠が光秀に加勢し、勝家と戦闘が始まった。暫くは互角だったが、光秀が勝利した。ところが、中立の立場で近くに布陣した秀吉軍が、信忠、光秀連合軍に猛攻を始めた。片方は無傷、もう一方はやっとの思ひで勝ったところだ。これでは、勝負にならない。信忠と光秀は戦死した。
秀吉は、安土城の信長を、軟禁から座敷牢へ移した。森宣丸は処刑した。そして信長の次男と三男を対立させ、最後は、両方とも殺害した。
信長は、嫡男、次男、三男が死んだことを知り、数日後に急死した。座敷牢周りの者たちの話では、狂死だった。かうして、秀吉は、関白になり、引退後は太閤になった。
信長は佐久間親子を追放後家中にもはや平穏は無し
秀吉は秀次及びその妻子死罪家中に平穏は無し(終)
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