三千百十一(うた)続、楞伽経
丙午(西洋地球破壊人歴2026)年
二月八日(日)
前回に続き、今度は高崎直道「楞伽経」を読んだ。第一編の冒頭に
菩提達磨(達摩)は、弟子の慧可に対して『四巻楞伽』を授けて、
 「我れ漢地を観るに、唯だ此の経有り。(以下略)」
と誡した。(『続高僧伝』巻十六)。さらに、慧可はその弟子たち(中略)にも、「(以下略)
この伝承は何時頃成立したものなのか、何故、達磨が『楞伽経』の相承と結びついたかは定かではないが(中略)『続高僧伝』の法沖伝(巻二十五増補)は、『楞伽経』に釈疏を書いた人々の系譜を載せ、その伝統が達磨・慧可を継ぐものであると記している。この(中略)知識は、著者道宣(五九六-六六七)の晩年に得たものであったろうといわれている(柳田聖山『初期禅宗史書の研究』)。

達磨が唐土へ来てから百数十年後の記述なので、信憑性に欠ける。
楞伽経の伝統はその後、(古文書名二つ略)によって、ますます強く禅宗(北宗)と結びつけられ(中略)南宗の成立以後、その系統では『金剛経』が『楞伽経』に代って重要されるようになった。さらに後代には、「不立文字・教外別伝」を標榜するあまり、徹底した経典無視を主張する者まで現われるに至った。

問題点を赤字にした。小生は、不立文字こそ最も重要で、そのためそれに似た内容のある楞伽経を、達磨大師が尊重したのだらうと考へた。
尤も高崎さんは、楞伽経を無視してはいけない文脈で経典無視を述べたのであり、或いは小生と考へがそれほど違はないのではないか、と思ふ。それは
『楞伽経』がいかなる点で禅宗で重視されたかについては、事実上、今日に伝わる禅宗の興隆の礎を築いたとみなされる洪州の馬祖道一が、達磨大師が南天竺から「上乗の一心」を伝えるべく来至して、
  「又、楞伽経の文を引いて、以て衆生の心地を印せり」
といい、さらに、『楞伽経』に曰く、として、として、
  「佛語心を宗と為し、無門を法門と為す」
とも説いて(以下略)

問題点を赤色にした。六祖慧能の弟子二人のうち、青原行思の系統から曹洞宗、雲門宗、法眼宗が分流し、もう一人の南嶽懐譲の系統からは次を継いだ馬祖道一の次の百丈懐海の弟子二人から、臨済宗と潙仰宗が分流した。馬祖道一は八十八人の弟子がゐたが、「禅宗の興隆の礎を築いた」は評価が過大だ。
高崎直道さんは臨済宗の出身ではないか、と思ってしまふ。尤も奥付を見ると
駒沢大学・大阪大学・東京大学各助教授を経て、
現在、東京大学教授

とあるので、曹洞宗出身だらう。
もう一つの問題点は、上乗ので、本来は最も勝れた教へのことだが、通常は大乗のことだ。楞伽経は、従来仏法と対立する形で、大乗の教へを組織化せずたくさん並べる。そこには当時のスリランカで、従来仏法と大乗との対立があったことを反映するのだらう。
この「佛語心」ということこそは、禅宗が求めていたことの当体で、(中略)事実、『楞伽経』には、
  「成道の夜から涅槃の夜に至るまで、如来は一字も説かず、宣べなかった」
という有名な箇所があって、経自体が禅宗の「不立文字・教外別伝」に思想的根拠を提供している。

最後の部分は、全面賛成。ここで達磨大師が何に依ったかは、面壁九年、に示されてゐる。楞伽経に依ったとするのは、道宣など後世の論者であらう。
三学は 坐禅のみにて揃はずに 文字のみ立つも能はずに 九年と不立と楞伽の島に

反歌  仏法は面壁九年文字立てず楞伽の島に伝はる修行

二月九日(月)
「大乗経典 前期 中期 後期」で検索すると、AIにより次の結果が出てくる。
1. 前期大乗経典(紀元前1世紀頃~2世紀頃)
(中略)
特徴: 空・般若(智慧)の実践、ボサツ(菩薩)の重視。
代表的経典:
『般若経』群(『般若心経』、『金剛般若経』など): すべては「空」であると説く。
『法華経』(初期の断片): 「一乗(すべての人を仏にする)」を説く。
『華厳経』(の要素を含む初期文献): 菩薩の修行階位(十地)を説く。
『阿弥陀経』(初期の浄土系経典)。
2. 中期大乗経典(3世紀頃~5世紀頃)
龍樹(ナーガールジュナ)の活躍以降、前期の「空」思想をさらに深め、認識論や如来蔵(仏性)思想が発展した時期です。
特徴: 唯識(すべては認識)、如来蔵(誰もが仏になる素質を持つ)、華厳の完成。
代表的経典:
『解深密経』(かいじんみっきょう): 唯識の教理を組織化した。
『如来蔵経』『勝鬘経』(しょうまんぎょう): 如来蔵(仏性)思想の基礎。
『大般涅槃経』: すべての衆生に仏性がある(悉有仏性)。
『維摩経』(ゆいまきょう): 在家のままでの悟りを説く。
『法華経』『華厳経』の完成。
3. 後期大乗経典(6世紀頃~)
大乗仏教の思想がヒンドゥー教の要素を取り込み、密教(秘密仏教)へ移行していく時期です。高度に抽象的な思想から、実践的な儀礼や真言(マントラ)が中心となります。
特徴: 大乗密教、真言・陀羅尼(だらに)の重視、仏性の強調。
代表的経典:
『大日経』(だいにちきょう)。
『金剛頂経』(こんごうちょうきょう)。

楞伽経は、年代から中期だが、小生は従来仏法を批判するかどうかで、中期とみた。従来仏法が、長い年月の経過とともに、複雑化、堕落が起きた。それへの改良が前期大乗。大乗にも複雑化、堕落が起きて、独善的に従来仏法を批判するものが中期。
従来の仏法長い年月に堕落がありて 大乗が起きるもこれもまた堕落あり

反歌  従来と大乗ともに近代はまた蘇り衆生の為に(終)

「原始仏法を尋ねる」(二百十二) 「原始仏法を尋ねる」(二百十四)

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