二百八十六、Windowsを入れたコンピユータは欠陥コンピユータだ(日本の電機産業衰退の原因を探る)
平成二十四年
六月二十三日(土)「レジストリ」
「二百二十五、世界はWindowsの使用をやめよう」に引き続きWindowsの欠陥を指摘しよう。Windowsが欠陥OSといふことはWindowsを入れたコンピユータは欠陥コンピユータである。各メーカはWindowsを入れたコンピユータの販売を削減し、Linuxを入れたコンピユータを販売すべきだ。そのほうが安価だし使ひやすい。
Windowsの最大の欠陥はレジストリである。およそ情報公開の時代にそれとは正反対のことをしてゐる。例へば世の中では、住民登録は市町村役場で行ひ、預金口座は銀行で作り、定期券は駅で買ふ。これは当り前である。ところが住民登録はレジストリ、銀行口座はレジストリ、定期券はレジストリ。これがWindowsである。レジストリの中は6階層くらいの複雑な構造で、市町村役場や銀行や駅は階層のあちこちの好き勝手なところを使用する。だから住民は言ふがままになるしかない。まるで財務省の言ふがままの野田にそつくりである。
6階層がどれだけ大変か見てみよう。一番上の大分類は、HKEY_CLASSES_ROOT、HKEY_CURRENT_USERなど6つに分かれる。それぞれが中分類に分かれ、そのそれぞれが小分類に分かれ、といふ具合に枝分かれする。或るアプリケーションソフトを買つてきてインストールしたとする。大分類のあちこちの、その中のあちこちの中分類の中の、といふ具合にあちこちに値を書き込む。例へば次のやうな値が書き込まれる。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\BCD00000000\Objects\{1c9b2-ee476b3-53e-b23c-5462-e0d85}\Elements\16000020]
"Element"=hex:01
これはHKEY_LOCAL_MACHINEといふ大分類の中の、BCD00000000といふ中分類の中の、といふ具合に6回分類を繰り返したところに"Element"=hex:01と書かれてゐる。もし手動でソフトウエアをアンインストールしようとしたら、6階層のあちこちを探して消さなくてはいけないが、そんなことは不可能である。昔は違つた。Windowsが販売される前はDOSといふOSがあつた。この時代はアプリケーションをアンインストールするには、アプリケーションの入つたフォルダをフォルダごと削除するのと、msdos.ini、autoexec.batといふ2つのフアイルをテキストエデイタ(今のメモ帳、昔はedlin)で開き、関係する行を削除すればよかつた。
その後、Windowsが発売されたが、先ほどの2つのフアイルのほかにwin.iniとsyste.iniの合計4つを開き関係行を削除すればよかつた。ところがWindows95からレジストリといふものが現れ、これ以降WindowsはOSではなくなつた。
六月二十四日(日)「OS以外のものが入つてゐるコンピユータはコンピユータではない。」
コンピユータは少なくとも昭和35年あたりから建築物でいへば土台に当るOS(基本ソフトともいふ)があつて、その上でアプリケーションソフトが稼動した。これは今でも同じである。ところがWindows95でレジストリを用いたためにこれ以降はOSではなくなつた。つまりWindows98、WindowsME、Windows2000、WindowsXP、WindowsVista、Windows7を載せたコンピユータは本物のコンピユータではない。子供の玩具みたいなものである。
七月三日(火)「コントロールパネル」
コンピユータの設定をするにはコントロールパネルを用いる。画面左下の「スタート」を押し「コントロールパネル」を選ぶ。ところがコントロールパネルの中が判りにくい。以前も判りにくかつたが、使はないとコンピユータの設定ができないから止むを得ず憶へた。システム、プリンタ、フォルダなど15くらいの中から選ぶのだが、システムの中が更に細分されてゐてハードウエアを選ぶとドライバの設定がある。ドライバはソフトウエアだから場違ひだが長い間使つたので自然に憶へた。ところが5年くらい前に大分類が八つくらいに再編された。今までのものがどこにあるか判らない。さすがのマイクロソフトも使ひづらいから「クラシツク」といふクリツクを用意してこれを押すと従来の分類が出た。だから私はずつとクラシツクを使つてゐた。ところがWindowsVistaはクラシツクがなくなつた。だから私は家のパソコンのIPアドレスを変へるときどうすればよいか未だに判らない。あちこち選ぶと20回くらい試して従来の「システム」が現れる。「システム」は決して新しい或る大分類の設定項目だけが含まれるわけではない。
大学や高校の授業で、コンピユータの設定は重要である。ところがマイクロソフトの一存で出鱈目な大分類の中に再編された項目の中にある、大分類や分類とは別の機能を使ふことを授業で教へるのは不適切である。すべての学校は公立私立を問はずWindowsを使用すべきではない。
七月五日(木)「二回の文字化け」
昨夜と今朝、文字化けが二回起きた。まづ昨夜に不忍池の畔で「非正規労働者の労働者性と、労働安全衛生を考える」講習會を作つてゐて画面の文字が全部化けた。今朝要旨だけ修復したところ再度化けた。もう一度作り直し、一度メモ帳に貼り付けてから保存することにした。その後は四回「保存」ボタンを押したが文字化けはおきてゐない。
文字化けに限らず、日本語変換は不便だ。画面右下が「あ」になつてゐるか「A」になつてゐるかをいちいち見なくてはいけない。「A」で入力しても変換キーを押せば変換できるように作らなくてはいけない。マイクロソフトのWindowsを用いる限りそれはできない。
日本の電機産業がなぜ衰退したかと言へば、日本独自のコンピユータとキーボードと通信機器とOSを作らないからだ。アメリカと共通にすればマイクロソフトだけが儲かる。
七月七日(日)「本日も文字化け」
今日も文字化けが発生した。今回は化けたものを保存した。原因も突き止めた。鴎を正字体で書くと化ける。そもそも鴎には略字がない。他の略字の左側をコンピユータ業界が勝手に付けただけだ。判りやすい例を挙げると、ビルマは正式国名をミヤンマーに変へた。それに合はせて霞ケ関ビルを霞ケ関ミヤンに変へるやうなものだ。
略字体がないのに業界が勝手に略字にする。だから正字体は出せない。無理に出すと環境依存文字といふ扱ひになり、機種によつてはその字が出せない。ところがその字だけではなく全部が化ける。これがアメリカ猿真似の実体である。
七月十四日(土)「WindowsはOSではない」
UNIXは昔から使用法が同じである。今ではUNIXを無料化したLinuxがほとんどだが、使用法は昔と変はらない。ところがWindowsは次々と新製品を出し、しかも使用法が変わる。
そろそろコンピユータ業界はWindowsといふニセOSとは手を切るべきだ。マルチバイト文字を使ふ日本こそLinuxが合つてゐる。(完)
(マイクロソフト批判その一)へ
(マイクロソフト批判その三)へ
メニューへ戻る
前へ
次へ