二千六百九十一(うた)東家孝太郎「第一回新橋倍音ミーティング」
乙巳(西洋発狂人歴2025)年
三月二十二日(土)
新橋の配信スタジオで、東家孝太郎さんの演芸会が、ホーメイ歌手鎌田英嗣さんをゲストに開催された。梶原いろは亭のちらしに、しばしば配信スタジオで行はれる演芸会が混ざる。行ってみると、梶原いろは亭のちらしも置いてあった。今回の目的は
一、浪曲を聴く
二、ホーメイと浪曲の共通点を探る
三、配信スタヂオへ、一回行ってみる
であった。第一部は、孝太郎さんの「紋三郎の秀」。これは佳かった。第二部は、鎌田英嗣さんが三つの楽器を順番に使ってホーメイの歌。これも佳かった。
中入り後の第三部は、ホーメイ楽器の口琴(二文字で、こうきん)を使って、民俗音楽ではない(と小生は思った)音楽を演奏の後、独演をしたが、これは極めて悪かった。
第一部の枕で、曲師を紹介する時に軽音楽出身で、浪曲には音楽出身と落語出身がゐると話したことを思ひ出した。孝太郎さんは音楽出身なので、浪曲やホーメイのやうに定型のものは優れるが、独演がよくない。或いは、浪曲やホーメイのやうに民俗は優れるが、軽音楽みたいなものはよくない。尤も、小生がホーメイに疎いので、第三部も正調のホーメイかも知れない。或いは、演奏法発声法に興味のある人はよいのかも知れない。
第三部にそのまま鎌田英嗣さんが合流し第四部、対談と演奏。これは普通だった。鎌田さんはトゥバ共和国が長いのかと思ったら、長くても四週間との事だった。終了後、入口で口琴やCDの販売や質問、との事だったので、鎌田さんに三つの楽器のうち最初だけ和音であとは単音か訊いたら、三つとも和音とのことだった。
西洋音楽は和音、日本音楽は短音。トゥバ共和国は草原なので、日本と同じ単音かと思った。しかし演奏は一番目が和音、二番目が単音、三番目は和音が少し混ざるとみたが、正解はすべて和音だった。
今回の演芸会の正式名は「第一回新橋倍音ミーティング」。副題に「サラリーマンの街新橋に響く倍音」とある。参加者は女性が多く、声楽や音楽関係と見立てた。サラリーマンが参加するには、倍音説明演芸会が必要かな。
いっしょに頂いたちらしに「ホーメイとユーラシアの音楽16」があり、ゲスト鴨川和子さん、聞き手と演奏鎌田英嗣さんとある。鴨川さんは1972年ロシア民族友好大学卒。米ソ冷戦時代には、ソ連側だった。話を聴きたい気持ちは強い。会場は江東区福住の古民家を改造した、と云ふか改造せずそのまま使用してゐる。3600円と1飲み物購入。今回は3000円と1飲み物購入だったが、これには不満がある。発泡酒の缶で500円は高い。あとお手洗ひは、高機能付きなので流し方を探すのに時間が掛かる。と云ふことで、見送ることにした。日曜は母がゐるので出歩けない事情もある。
旧ソ連冷戦時代のシベリアで学びた人の話には貴重なことが多かれど 母が居るので見送ることに
反歌
ホーメイと浪花節との接点を探りたいとの気持ちは強し(終)
(3.26追記)第三部が悪いもう一つの理由に、悪いものを祓ふためと称して、奇声を発した。発声、倍音に興味がある人は、あの奇声にも興味があっただらうか。さうは思はない。民俗ではない変な試みは、気味が悪いだけだ。とはいへ、あとから気付き追記に書いたやうに、あの奇声は重大ではなかった。
民俗に非ざる声は奇声にて受け入れ難く長続きせず
「いろは亭、浪曲と古典芸能四十」
兼「いろは亭、浪曲と古典芸能四十二」
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