二千六百三(うた)橋爪峯村対談は、功績一割誤り九割(毛沢東問題)
甲辰(西洋発狂人歴2024)年
十二月二十五日(水)
マネーポストのホームページに
【橋爪大三郎氏×峯村健司氏】中国共産党にとって「不都合な真実」を理解しなければ外交もビジネスも成り立たない 国を挙げて研究すべき課題に
が載った。前文では
社会学者の橋爪大三郎氏と、元朝日新聞北京特派員のジャーナリスト(中略)峯村健司氏は、いまの中国を理解するには「中国共産党」を徹底研究することが不可欠だと口を揃える。
本文に入り
峯村:(前略)中国の産業政策について知ろうとする時、日本の経済産業省や外務省は、(中略)中国政府の商務部や外交部と対話をします。
しかし、(中略)政府部門は政策執行機関に過ぎず、重要な政策は共産党中央がすべて決めているからです。
(中略)彼らの思考回路を理解せずして、中国とのつきあいも、交渉も、金儲けもできないと考えています。
ここまで正しい。第二回へ入り、題は
戦前よりも弱体化した日本の中国研究への危機感 いま「中国共産党」という歴史上でも特異な存在をどう分析すればよいのか【橋爪大三郎氏×峯村健司氏】
本文に入り
峯村:京都帝国大教授で東洋史学の大家であった内藤湖南、自由党総裁となった緒方竹虎の中国分析は実に的確で、(中略)世界一流でした。漢字を使うという優位性を最大限に活用し、中国の政治だけではなく文化、経済の状況を的確に分析していました。日本人は「インテリジェンスに弱い」と言われますが、少なくとも戦前は世界に冠たる情報収集能力があったのです。
橋爪:戦前の中国研究はたしかにレヴェルが高かった。理由はいくつかあるでしょう。
第一に、当時はまだまだ日本人の漢文の学力が高かった。(中略)江戸時代に比べるとだいぶ学力が落ちたかもしれませんが、それでもまだ高かった。
第二に、中国からの留学生が日本に大勢来ていて、学校で机を並べ、世界の将来をいっしょに考えていた。友人、同志として、中国や日本のこれから進む道を模索していたんです。不幸な戦争があったとしても、根底には、世界のなかで自分たちの未来をどう切り拓いていくかという、同胞としての共感があった。
第三に、それと関連して、戦後は、外交や日本の基本政策が、アメリカとの関係で決まるように型にはめられてしまった。大事な情報もアメリカが握っていて、日本は教えてもらうだけというお任せインテリジェンスになってしまった。(中略)外国に言われなくても、中国や、アメリカ、ヨーロッパのことを自前で研究し、判断しなければならないという常識と気概がありました。
峯村:完全に同意します。戦前はふつうにあった、こうした日本の優れたインテリジェンスは、戦後に日本を占領したアメリカによって骨抜きにされました。
ここまでも賛成。ところが船橋洋一を主筆にした朝日新聞に居ただけあって
対中インテリジェンスの強化が日本にとって不可欠だと考えます。軍事面で日本はアメリカを頼りにするけれど、中国のインテリジェンスについてはアメリカに提供する、という関係を目指すべきだと思います。そのためには、日本にしっかりとした対外情報機関を新設すべきです。
これではますますアメリカの属国ではないか。第三回は、題が
マルクス主義の「闘争」「革命」を巧みに“利用” 毛沢東の人物像を紐解くと分かる中国「習近平一強体制」の行方
本文へ入り
橋爪:(前略)毛沢東は地元の師範学校に進みました。でもいちばんいい学校ではなかった。(中略)いい家の青年は海外に留学したり、事業を始めたりしていた。それにひきかえ、毛沢東はパッとせず、鬱々とした気分で過ごしていたのではないか。
峯村:師範学校卒業後は北京に移り、北京大学図書館の司書補の仕事に就いています。
橋爪:(前略)上の学校に進めなかった。毛沢東が勤めている図書館には、偉そうな教授たちや、モダンななりをした学生たちが本を借りにくる。(中略)颯爽とした知識人たちと比べて、自分は惨めに思えたろう。それが毛沢東のインテリ嫌いの原点です。(中略)政権をとったあとも生涯にわたって知識人を憎む、反知性主義の人間になってしまった。
最近心配なのはトランプが当選した時に、低学歴で工場労働者の白人が投票したからだ、と云ふ論調を見た。橋爪はさしづめ同じ考へ方だ。さしづめ男は続けて
その後、毛沢東は、(中略)中国共産党の設立大会にも名を連ねている。(中略)共産主義の思想に共鳴したというよりも、一発逆転の大勝負に賭けたのだと思う。マルクス主義は(中略)知識人よりも共産党のほうが偉いのです。これは気持ちがいい。自分の先を進んでいい気になっている知識人連中を追い越し、見返してやる、というどす黒い野心のようなものが沸き上がった。
孫文のソ連接近と第一次国共合作を無視してゐる。さしづめ男に、自称知識人のどす黒さが見える。「見返してやる」程度の気持ちで、長征など困難に立ち向かふ訳がない。
毛沢東は、政治闘争に長けていて、のちに中国共産党の指導者となってからも、冷酷に政敵を打倒していきます。
これは、権力を握ると堕落する原理に従った。安倍だって検事総長に黒川を任命しようとしたり、文部政務次官の個人情報を流したり、堕落の連続だった。
毛沢東は、(中略)中国共産党のなかでも、出遅れていました。初期のリーダーには李大釗がいて、陳独秀がいた。留学帰りの周恩来がいて、鄧小平がいた。毛沢東は、結成大会13名の参加者のなかでも、末席のほうです。西洋の学問をちゃんと学んだこともなく、留学もしていない。これを逆転するには、(中略)悪だくみも必要だった。
カンボジアのポルポトは、毛沢東思想に共鳴して、あんな事件を起こしてしまった。ポルポトは、フランス留学組だ。「西洋の学問をちゃんと学んだこともなく、留学もしていない」に、さしづめ男の醜い西洋かぶれが見え隠れする。
西洋の猿真似男国を亡ぼす 西洋の猿真似男日本にも居る
だいたい共産党の幹部が、マルクスやレーニンを読まない訳がない。レーニンのロシアは、西洋ではなく、スラブとモンゴルの中間だとする意見もあるが。
峯村:そもそも毛沢東はマルクスやエンゲルスの著作を通読していたのでしょうか。
橋爪:まともに読んでないです。
橋爪をWikipediaで調べると
・日本福音ルーテル教会の教会員(信者・(以下略))であり、福音ルーテル教会のイベント・講演会でしばしば講師を務めている。
・大澤真幸との共著『ふしぎなキリスト教』は新書大賞2012を受賞したが、キリスト教研究者からは事実面の誤りを指摘されている。
さしづめの強引レッテル困りはて福音ルーテル神様怒る(終)
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