二千五百四十二(うた)1.高齢者の労災に注意、2.偽装個人事業主になってはいけない
甲辰(西洋発狂人歴2024)年
十一月六日(水)
読売新聞のホームページに
高齢者の労災防止へ職場環境など整備、厚労省が法改正へ…昨年の死傷者は4万人弱と8年連続で最多を更新

が載った。
昨年、死傷した60歳以上は3万9702人で、8年連続で過去最多を更新した。
転倒事故が4割に上っており、ぬれた床で足を滑らせたり、段差でつまずいたりと、加齢による身体機能や筋力の低下が要因とみられるケースが目立った。
全労働者に占める60歳以上の割合は18・7%だったが、労災に遭った人は60歳以上が29・3%に上った。発生率は30歳代と比べ、男性で約2倍、女性は約4倍に上り、休業期間も長期化する傾向にあった。

この記事を読み思ひ出すのは、少し前まで仕事をしたマンション管理員仕事紹介の会社である。三年半ほど前、説明会に参加した。雇用ではなく個人事業主だった。参加者の一人が、労災保険に会社が入ってゐないことを質問した。回答は、個人で保険に入ってゐる人も居ます、だった。質問した人は怒って、これでは話にならない、と帰ってしまった。
仕事を始めてすぐに、契約解除(解雇または退職に相当)のときは、貸与した制服類はクリーニングに出して返却してくださいと云ふ文書が来た。これは変な話だ。さう云ふ話は、契約する前に云ふべきだ。しかもこの会社の制服ではなく、管理会社の制服着用の場合は勤務前に郵便で送られてくるが、返却は家で洗濯して返送用のゆうパックに入れる。なぜ契約解除のときだけ、クリーニングに出さなくてはいけないのか。
一事が万事、こんな調子だった。当時は、労災事故なんて起きるはずがない、とたかをくくってゐたが、足を滑らせたり段差でつまずくおそれがあると感じる年齢になった。怪しげな個人事業主扱ひから手を引いてよかった。
高齢者労災事故は自分持ち 国民健保を使ふなら被雇用された人たちが余分に負担公平を欠く

反歌  実体は雇用を委託に装へば正直者が余計に負担

十一月九日(土)
説明会で、もう一つ不満なことがあった。締め出し(管理室に鍵を忘れたまま外に出て、自動ロックで入れなくなる)を起こしたときは、罰金を取ると説明があった。一万円だったか一万五千円だったか記憶にない。不満なのは、四十歳くらいの女がそのことを説明した後「締め出しを起こした人は、もぉー気が動転して仕事どころではなくなる」と吐き捨てるやうに言った。ずいぶん人を馬鹿にした口調だ。
罰金はその後、廃止された。こんな違法性の高いものは当然であらう。廃止の通達は無く、いつの間にか廃止された。それとは別の悪質なやり方と思はれるものに、毎年一回インターネットで試験を受ける。間違ったら最初からやり直し、全問正解まで繰り返す。この試験問題に、締め出しを起こしたときは損害を払へば問題は無い、があった。勿論正解は×だが、罰金を取らなくなったのに、いつの間にかまた損害(現場へ鍵を持って行く出張費、管理会社への連絡など)を負担させるつもりだな、と思った。これも通達は無く、さう云ふ試験問題があっただけだった。
損害保険問題もある。間違って照明器具を壊した、物を落として下にあった車を破損した、などの為に会社は損害保険に入ってゐる。仕事開始後一年ほどして、会社全体の発生率が高く保険料が上がった。その時に或る男が、保険会社の人が、本来は損害を起こした人が負担すべきですよね、と云ったと発言した。このとき以来小生は、バカの一声と呼ぶやうになった。保険会社の人ではなく、バカはどう思ってゐるのか。
なぜこんなことが起きるのかは、直雇用ではなく個人事業主だからだ。
直雇用勤労者への親しみが湧くも請負物扱ひに 派遣と同じ

六十五歳まで再雇用された会社も、技術者は社内で仕事をすれば、事務職や営業職とも親しくなる。しかし派遣や偽装請負に出されると、一人月幾らで物扱ひだ。派遣先から戻された技術者を、千葉事業所の所長が返品と呼んで、さすがに返品はまずいと周りから云はれたことがあった。

十一月十日(日)
管理会社の制服が送られてきた場合は、使用後に家で洗濯し、同封のゆうパックに入れて返送する。ずっとこれが続いたのに、或る時何の通知も無く、宅配業者の伝票だけが送られてきた。各自が入れ物を用意しろ、と云ふのだらう。
この時の仕事は、現地に制服があるので着用し、終了後は家で洗って返送する。まだ勤務前だったので、入れ物を用意するのは手間なので仕事を辞退にしてくれ、と言ったら、入れ物を送ってきた。それから何ヶ月かして、やり方をまた変へて入れ物を会社が用意するやうになった。高齢者が多いのに入れ物を各自に用意させたら、運送途中で破損事故が起きる。
とにかくこの会社は、働く側の事情を考慮せず、自分たちの都合で決定する。インボイス事件もあった。個人事業主も、消費税を払ふことになった。最初の三年間は軽減処置でインボイス登録をすれば税率が1/5の2%である。再三、インボイスに登録しろ、の催促で高齢者たちは苦労して登録し、番号を会社に連絡した。
それなのに、委託費(雇用の給料に当る)は消費税10%、交通費は無税と毎月書くやうになった。中にはインボイス登録をしなかった人がゐて、その場合は税率が10%である。しかし会社側が再三云ったのだから、さう云ふ人はゐないし、ゐたとしても会社は誰なのか把握してゐる。それなのに一律10%は責任逃れである。あとは、税務署と個人事業主の問題で、会社は関知しないと云ふ次第である。事情が分からず消費税10%だと間違へる人も多いだらう。
キャンセル事件もある。管理会社の都合で、仕事がキャンセルになることがある。前日に云はれると、次の日は仕事が無くて無駄になる。管理会社側はときどきキャンセルをするのだが、こちら側は気を使って一ヶ月くらい前に一日だけ辞退を申し入れたら、受託した仕事は辞退できませんが今回だけ特別に対応します、と云はれた。ずいぶん高圧的な物言ひであった。
かう云ふ事例が次々と起きるのは、会社側の人間は自分の仕事を終はらせる事しか考へない。実際に現場で仕事をする人のことを考へない。雇用ではなく、個人事業主が原因である。
委託では現場の仕事担ひても 物扱ひで人格と心を持たぬ存在となる

反歌  雇用では大きな仕事重要な一部を担ふ仲間の一人(終)
(追記12.08)「バカの一声」は言ひ過ぎだと思ふ人もゐることでせう。これについて説明をすると、五年ほど前でせうか食事宅配大手Uberの二輪車が交通事故を起こし、しかしUberは事故を起こしたのは個人事業主だとして、賠償に応じず裁判になった報道を見た。この場合はUberが倍賞すべきなので、ずいぶん無責任な業者だと驚いた。
それと同じ事を主張するのだから、「バカの一声」は当然だ。働く側からすれば、会社の指示で仕事をして、事故が起きた。もし個人責任なら、利益から手数料を引いた残り全額を個人に渡すべきだ。実際は一時間1220円(消費税込み、この分は各人が税務署へ支払ふ)である。案件によって利益率は異なる筈なのに。
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