二千三百二十四(うた)1.瓶と缶と紙パック、2.淡麗と濃醇
甲辰(西洋未開人歴2024)年
五月一日(水)
亀戸天神へ行くときに、新板橋駅近くに昔風の酒屋があった。じいさんが看板はあるものの物置きみたいな場所で作業をしてゐて、店は廃業してゐのかと思った。隣も酒屋なので訊いたところ、両方で一つの店で電気を点けてくれた。一合程度の酒を購入しようと思ひ話を聞くと、ここは瓶で購入する人が多いさうだ。瓶は味が良いし、回収で五円戻る。かさばるのと割れる惧れがあることが難点だ。
この話で思ひ出すことがある。昭和四十年代の真夏に自転車に乗り、暑いのと喉が渇くので、瓶入りのファンタグレープを買ふことが多かった。コカコーラは炭酸が強く、ファンタの炭酸は丁度良かった。その後、缶入りファンタが登場したが、これは炭酸が抜けて不味かった。尤もファンタが下火になったのは、色が原因だ。合成着色料を使はなくなり、ファンタグレープは変な薄い色になった。あれから街中で見なくなった。
この日は、持ち合はせが一万二百円くらいだった。瓶の300mlを買ひたいが、そんな安い物に一万円を出すのは気が引ける。小銭が二百円なので一万円でお釣りを貰ふのは気が引ける、と言ってみた。爺さんが一万円でもいいよと云ふのなら300mlを買ふつもりだったが、爺さんが反応しないので税込み百二十円の日本酒紙パック(コンビニでよく売ってゐる)を買った。
五月二日(木)
テレビ朝日のホームページに
日本酒の瓶不足で缶に切り替え 国内外で需要回復
が載った。てっきり、瓶を缶に替へたところ長年に亙り減少が続いた日本酒が増大に転じた話かと思った。記事を読むと、コロナ禍で需要が減り瓶の流通量が減ったが、需要がコロナ前に戻ったため瓶が不足し缶を代用してゐるさうだ。缶は再利用率が高い話も載る。
期待とは違ったが、悪い話ではない。瓶の流通量が減ったのは、料理店の需要が減ったためで、これはなるほどと思ふ。
ファンタと云ふコーラの姉妹製品は 瓶だと美味く夏に佳し 缶だと不味く気が抜ける 缶は瓶より密閉劣る
反歌
日本酒は炭酸ガスを含まない缶を用ひて抜けること無し
五月三日(金)
日本酒は、辛口で淡麗が好みだ。しかし濃醇にも慣れるやうにしよう。そんな気がしてきた。これは、瓶や缶とは無関係だが、3.5KBを超える為に追加した。
とは云へ、現在出回る製品では辛口淡麗で安い銘柄がある。時季によって販売する銘柄が入れ替はるので、そのときを狙って濃醇を試してみたい。
辛口で淡麗さけを好む者 時季によりては銘柄が入れ替はるのでその時は 濃醇さけを試してみたい
反歌
日本酒はかつて特級一級と二級がありてほぼ味に添ふ(終)
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