二千三百十三(うた)梶原いろは亭鑑賞記(その二)
甲辰(西洋未開人歴2024)年
四月二十一日(日)
梶原いろは亭に、講談を聴きに行った。前座が二人、新しく二つ目に昇進した一人、色物一人、真打一人だった。講談は、途中にくすぐりも入れて、二つ目はさすが二つ目だと感心した。先日の落語二つ目が悪いのは、話を進める部分とくすぐりの区別が付かないことだ。と云ふよりあの落語は、くすぐりが無かった。色物は、漫才のうち一人が漫談として出演し、ギターで面白い歌。真打は真打で、これは誉め言葉。
と云ふことで本日の公演は、実に充実した二時間強だった。最後に出演者全員が顔見世するとのことだったが、色物の方が電話で急遽、代演に向かった。その方が取り仕切る筈だったが、真打の女性がソフトにまとめた。
講談は色物一つ中に入れ 中入り及びその後も 地域の寄席によく似合ふ芸能として社会を守る

反歌  張り扇小さな部屋は控へめにさすが真打よくわきまえる
反歌  寄席太鼓録音にては迫力が足らず残念音量不足
前座さんが叩く張り扇がうるさいので驚いた。さうか、ここは大きな会場ではないのだ、と気付いた。真打は控へめに叩き、さすがだった。前回若手落語を鑑賞したときに、太鼓を録音でもよいから入れたら、と書いたが、既に入ってゐた。とは云へ、迫力がなくお囃(はや)子(し)の続きかと思ってしまふ。太鼓は音量を上げるとよい。

四月二十二日(月)
新型コロナ禍になる前の情報が載ってゐたので紹介したい。
梶原いろは亭は、全部で45席(内、6席立ち席)、地域密着型のちいさな地域寄席です。(中略)北区上中里・梶原に平成31年1月に誕生しました。
毎週月曜日から水曜日のお昼時に1時間半、週末土曜日の午後にたっぷり2時間半、(以下略)

今は、水曜昼と日曜午後だが
2023年5月から席数制限無しで再開いたしました。

と喜ばしい記事もある。X(旧、ツイート)には
2020年4月より新型コロナ感染拡大を受け休席を余儀なくされておりましたが、この度2022年4月より感染症対策に万全を期し、客席数を減らした上で、定席を一部再開いたします。

と苦しい時期の記述もある。
新型のコロナによりて禍ひを受けた産業多くあり 元へと戻りひと年が経つ

反歌  冬に耐へ春を迎へて今半ば陽強き恵みあと少し待つ
いろは亭では入場するときに、出演者の独演会、二人会などのちらしを何枚も頂く。これらを楽しく読み、落語芸協のファン感謝祭を観に行くか、と一旦は思った。四十五分の公演が六回あり、出演者は毎回異なり木戸銭は千円だ。お目当ては、十一時三十五分から落語と浪曲、或いは十二時四十分から色物三つ。難点は昼前後だ。
妻に、母の着替へをお願ひするので、夕食とデイサービスが無いときの昼食は、小生が作る。だから昨日のいろは亭は、昼食を十一時過ぎに食べて、片付けて薬を飲ませて、暖房が要らなくなったので母を一人にして、寄席に行ってきた。
今回は二つとも、昼食を遅らせるか早くするか、どちらにしても中途半端だ。そのため、諦めることにした。それにしても芸術協会になぜ浪曲が出演するのか。調べると、この方だけ浪曲協会と芸協の二重加盟だ。他の浪曲師は全員浪曲協会だけだ。さう云ふこともあるのか、と新発見だった。 (終)

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