二千七十四(うた)中国の環境派抜擢を歓迎
壬寅(西洋野蛮歴2023)年
八月二十四日(木)
日経新聞のホームページに
処理水放出に反対する中国 知られざる環境保護派の台頭
が載った。中沢克二さんの記事だ。
中国は、なぜここまで強く東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出に反対しているのか。そこには、これまで見落とされている習政権独特の内政構造が絡んでいる。
(中略)
前時代のアンチテーゼ
これは習氏自身が一貫して環境問題の重要性を指摘してきた経緯と関係する。経済の高度成長を最優先し、環境保全など全く顧みなかった江沢民(カタカナ読み略)氏、胡錦濤(カタカナ読み略)氏という2人の共産党トップの向こうを張っているのである。いわば前時代のアンチテーゼとしての「グリーン政策」ともいえる。
この「習イニシアチブ」は、一般国民からもおおむね歓迎されていた。習氏は、先に終了したいわゆる夏の「北戴河会議」に先立ち、中西部にある陝西省の小都市を視察。ここでも環境保護を大々的に訴えている。
これはよいことだ。地球温暖化防止は緊急課題だ。そんなときに、中国が環境問題を取り上げるのは、良い事だ。移民国を廃止し住民は世界各国で引き取るほうがよいかも知れないくらい、緊急だ。
八月二十四日(木)その二
午後四時に、ニュースがあった。中国が日本産水産物の輸入を全面停止した。中沢克二さんの記事に戻ると
「習一強」が固まった中国共産党内では、トップから重要指示が出た場合、担当者は、習発言を金科玉条のように扱う傾向が強い。そして時には必要以上といえる措置をとるよう部下に命令してしまう。いわば、政策執行上の「やりすぎ」が目立つのだ。
中国の学術界に詳しい識者は「(福島での処理水排出という)この問題の扱い、対処にも同じような構造がある。環境保護を名目にした『やりすぎ』が目立っている」と指摘する。
外の国 付き合ふときはその国の特性に合ふ方法で 交渉をして円満解決
反歌
欧米と付き合ふときも同じだが日本はいつも譲歩するのみ
今回の福島処理水排出で、もし欧米が反対して、中国や韓国が理解を示したときに、日本は果たして放出したか。する訳がない。
八月二十五日(金)
記事は続いて
過去に例のない抜てき
この政治構造は人事をみれば明らかだ。現在の中国指導部を形づくるのは、24人の中央政治局の委員である。昨年秋の党大会で新たに習氏が抜てきした委員の中に、少なくても3人の環境保護派が存在する。過去に例のない人事である。
(前略)環境保護派の中心は、共産党の組織運営を仕切る中央組織部長の李幹傑氏だ。(中略)国家核安全局の要職、環境保護や生態環境を担当する閣僚を経験している。
中国第一の商都、上海市のトップに抜てきされたのも、清華大で環境を学び、同大校長と環境保護相を経験した陳吉寧氏である。このほか、中国政治の中心地、北京市のトップも、衛生省や国家食品薬品監督管理総局で要職にあった尹力氏が登用された。
ここから小生と中沢さんは、少し意見が異なる。
若手エリートといえる彼らは、科学的知識を持っているはずなのに、習氏への忖度(そんたく)もあって、非科学的とさえいえる中国の主張を側面支援しているとみられる。
日本では、欧米が云ふと正しくて、アジアが云ふと間違ってゐるとする、偏向がある。一番ひどかったのは、イラクに生物兵器や核兵器があるとして、アメリカは戦争を始めた。しかし終はってみると、これらはなかった。それなのに日本のマスコミは、ほとんど批判をしなかった。
福島問題は、遠方の欧米が賛成して、近隣の中韓が反対する。これは例へば、サンフランシスコに超高層ビルを建設すると発表された途端、近隣の住民は反対して、日中韓ではだれも反対しないのと同じだ。
忖度ではなく、本当に安全なのか不安があると思ふ。さう云ふ小生も、放射線はほとんど出さないが、有害な物質があるのではないかと心配だ。これらはガイガー計数管には引っ掛からない。
八月二十六日(土)
日本の外交は、アメリカには従ひ過ぎ、中国や北朝鮮には口先抗議のし過ぎだ。そして日本国内にはヤンキートリックでモンキーを演じる連中が存在する。古くは、英語公用語の船橋洋一、最近ではLGBT法の各党。
中国や北朝鮮に抗議する時は、相手が納得し次から相手が改善するものでなければ、費用対効果が無いことになる。つまり、抗議ではなく、常に対話が必要だ。
今回の騒ぎは、欧米の主張には従ふ日本が、声高に抗議することから起きたと云へる。(終)
追記八月二十七日(日)
小生は、中国がどう云ふ主張をしてゐるのか知らない。そもそも日本国内で、中国の主張が報道されないからだ。日本で報道されるのは、三重水素が検知限界以下だと云ふ事だけだ。
それにも関はらず中国が反発するには理由があるのだらうと、小生なりに理由を考へて昨日までの文章を書いた。一方のことだけを繰り返すのは、日本側マスコミの欠点だ。LGBT法案のときは、可哀想だ、可哀想だとそればかりを繰り返した。それは分かったから、次にどう云ふ影響があるのか知りたいのに、それは報道しない。
その後、アメリカの圧力だったと判り、世界中が大笑ひしたが。
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