千九百二十(うた) 欧州の貨物列車に思ふ
壬寅(西洋野蛮歴2023)年
西暦元日後一月八日(日)(2023.1.8)
東洋経済のホームページに
環境問題のカギを握る?欧州の「貨物列車連結器」

が載った。橋爪智之さんの筆である。
ヨーロッパの物流において、鉄道は欠かせない存在だ。環境問題が声高に叫ばれるようになった昨今、貨物輸送を鉄道へシフトさせていくことは重要な課題(中略)だが、まだトラックに依存している部分は多く、モーダルシフト達成率はヨーロッパ全体でわずか18%にとどまっている。

この記事で注目すべき部分は
面状に都市が広がるヨーロッパでは、途中駅で行き先別に貨車をつなぎ変える「ヤード仕分け」を今も行っており、これが時間のロスにつながっている部分でもある。

日本ではも国鉄の末期にヤートを廃止してしまった。そのため大量の貨車が廃車になった。貨車の種類も、コンテナ車ばかりになり、僅かにタンク車が残る。
ヨーロッパでは、19世紀の鉄道黎明期から使われてきたバッファー・リンク式連結器が圧倒的に主流となっている。(中略)連結係が連結面に入ってリンクをフックに引っ掛け、ネジを回して締める、という作業を連結・解放のたびに行わなければならず、しかもその作業は1カ所につき数分はかかる。編成全体の貨車を連結し直して発車するまでに数時間以上かかることも多い。

日本では、狭軌が原因なのか連結時の死傷事故が多く、大正十四(1925)年自動連結器へ交換された。さて
バッファー・リンク式に代わる連結器として、イノトランスに多くの展示があったのが、連結・解放を自動化するDigital Automatic Coupler (デジタル・オートマティック・カプラー、DAC)である。(中略)DACは、各連結器の解放作業もコンピューターとセンサー技術を用いて自動化を図るというものである。

写真で見ると、日本の電車に使はれる密着連結器を進化させたものだ。
とはいえ、すべての貨車と機関車のバッファー・リンク式連結器をDACへ交換するにはかなりの準備と労力が必要になる。そもそも、ヨーロッパで自動連結器へ換装するタイミングを逸した1つの理由は、19世紀後半から20世紀初頭の段階ですでに数万kmに及ぶ路線網が各国に形成され、車両の数も膨大だったからで(以下略)

最近になり
ヨーロッパ23カ国の貨物輸送会社が加盟するRail Freight Forward(レイル・フレート・フォワード、RFF)は、ヨーロッパにおけるモーダルシフト達成率を現在の18%から2030年までに30%へ引き上げる目標を立てている。

日本は国鉄末期にヤード式を廃止したため、今になって全国各線の赤字が問題になりだした。ヤード式の廃止で、各線の使用量が半減したからだ。
日本では国鉄末期 ヤードでの組成を廃止その後は 線路が余りコロナ禍で 数字合はせがいよいよ破綻

(反歌) 武蔵野の操車場では連結が自動化されたが十年(ととせ)で廃止(終)

路面電車、客車、その周辺、十二へ 兼、(路面電車、客車、その周辺、十四)へ

メニューへ戻る うた(四百五十九)へ うた(四百六十一)へ