千八百四十六(うた)(モリカケ柳河桜藪黒トリー敗カル、二百二十九) 安倍が残した六つの「負の遺産」
壬寅(西洋野蛮歴2022)年
十月七日(金)
Mag2ニュースに、高野孟さんの
安倍元首相の要らぬ“置き土産”。日本という国を葬る6つの「負の遺産」

が載った。
いまこの国で起きている禍々しいことのほぼ全ては、安倍晋三元首相がその計8年8カ月の執政を通じて培い、貪り、最後は無責任にも放置したままにしたいくつもの「負の遺産」と深く関わっている。

それは、まづ項目を引用すると
1.統一教会汚染
2.東京五輪汚職
4.大軍拡路線への突進
5.アベノミクスの呪縛
6.国葬が国民を分断する?

このうち3は原発再稼働で、原発は人類全体で廃止すべきだ。日本だけがやってはいけない。日本が廃止を主導するならよいことだが、化石燃料使用停止を遅らせてはいけない。だから除いて代はりに次がよいのではないか
3.モリカケ柳河桜藪黒トリー敗カル
カルは反日カルトのことで、「1.統一教会汚染」と重複するので小活字にした。仏足石歌ではない。

十月八日(土)
「1.統一教会汚染」について高野さんは
目下の最大焦点となっている旧統一教会の自民党に対する浸透工作の泥沼的実態を作り出した張本人は、岸信介から安倍までの岸・安倍家3代であり、その意味では安倍があのような非業の死を遂げたのはまさに因果応報と言うほかない。その核心部分の解明は点検対象から外し、そればかりか国の名において早々に葬って蓋をしてしまおうというのでは、国民の反感を買って当然である。

同感である。
統一教会は、言うまでもなく韓国発祥で、1960年代には朴正煕政権=金鐘泌KCIA初代長官の手先として「対米・対日政治工作」に従事した政治謀略機関であり(米下院フレーザー委員会の1978年報告書)、しかも宗教的な教義の中に日本は悪魔の国であり戦前には韓国を支配し搾取したのだからどんな手段を弄して日本人から金を搾り取っても構わないことを明記している極端な「反日組織」である。

反日を敗戦責任第二位の岸が後押し二重国賊


十月九日(日)
「2.東京五輪汚職」では
その主役である高橋治之=元東京五輪組織委員会理事と彼の弟でかつて世界を股にかけた不動産バブル紳士として名を馳せた故高橋治則=EIE社長とは、西崎伸彦「高橋治之・治則『バブル兄弟』の虚栄」(文藝春秋22年10月号)によれば、安倍晋太郎と特別に親しい関係にあり、秘書の晋三のことも〔特に治則は〕その頃から「可愛がって……『経済のことを何も知らないからな』と言っていろいろと教えてあげて」いたという。その高橋兄弟との長い付き合いから、やがて安倍は治之の操り人形となって、2013年9月のIOC総会で「フクシマはアンダー・コントロール」と全世界に向かって大嘘つき演説を行なって五輪誘致の推進役となり、これを取り仕切る最高責任者に自分のボスの森喜朗=元首相を据えた。

不動産バブル紳士は嫌な職業 政治屋と持ちつ持たれつ利権を狙ふ モリカケや桜トリーも同じ構造


十月十日(月)
ここで「3.原発再稼働」を読むと、良いことが書いてある。
安倍の「アンダー・コントロール」という(中略)大嘘は、世界向けだけではなく国内向けでもあった。というのも、13年9月のこの時期、福島第一原発の現場では高濃度の放射性汚染水をいくら汲み上げても後から後から増え続け、それを急造のタンクに溜め込んでもそこからまた漏れ出していたことが判明するなど、汚染水の無間地獄と言える有様となっていた。(中略)政府=東電が考え出したのは原発建屋の周りの地下に「凍土壁」を作るという技術的にもかなり怪しい案で、俄仕立ての弥縫策と批判されていた。その状況での安倍演説だったのである。
これを裏で操っていたのは、経産省原子力マフィアから官邸入りした安倍の超側近の今井尚哉総理秘書官で、彼の狙いは五輪招致を利用してフクシマはもう終わったかの印象を国内的にも作り出して拒否反応を取り除き、一日も早く原発再稼働に漕ぎ着けて東京電力の経営を救済することにあった。

そればかりか
3・11当事者である菅直人政権以来の(中略)政府方針の下では、(1)原発の新増設は困難であり、(2)寿命が来たものは更新することなく廃炉とし、(3)再稼働も出来るだけ避けるようにしなければならない。これに最初の修正を加えたのは、自民党のトロイの馬だった野田佳彦政権で、上記(2)の「寿命」を「40年」と明記する一方、1回に限り20年延長して構わないとする「原子炉等規制法」改正案を出し、それが第2次安倍政権下の13年7月になって成立した。

野田が、安倍の追悼演説をするさうだ。当日は、皆で大笑ひをしよう。

十月十一日(火)
「4.大軍拡路線への突進」では
安倍政治を突き動かしていた基本的な原動力は「お祖父ちゃんコンプレックス」で、その中心的な中身としては岸信介元首相が熱望してもなし得なかった日米同盟の「対等化」(以下略)

ところが
この設定そのものが矛盾に満ちていて、(中略)米国の戦争を補助する属国の立場に限定することでしか実現できず、またその立場を認めて貰うためにも米国製のバカ高い兵器を目を瞑って爆買いして媚びを売らなければならない。

そもそもの原因は
岸が巣鴨プリズン内で恥も何も投げ捨てて反共親米主義者に転向し、それをよしとして米CIAから秘密資金を与えられ(中略)そのため、安倍が「お祖父ちゃんが果たせなかったことを僕がやるんだ」と意気がってみたところで、愛国と親米の股裂的矛盾は解消されず、むしろ広がって行ってしまうのである。

さて
日本が大軍拡の泥沼に嵌り込もうとしているのは、結局、米国発の(中略)情報操作に何の疑問を抱くこともなく振り回されてしまう知的レベルの低さにある。例えばの話、米インド太平洋軍デービッドソン司令官が昨年3月9日に米上院軍事委員会で証言した「6年以内〔つまり2027年までに〕中国が台湾に侵攻する」という見通しは、軍事のプロフェッショナルから見れば、この証言全体が「取るに足らない内容で、まして『6年以内』と言うのはこの大将の『個人の勘』のようなものでまるで根拠がない」と一笑に付される程度のものである(軍事ライターの文谷数重:本誌No.1164参照)。ところが、岩田明子の「安倍晋三秘録」(文藝春秋10月号)によれば、同証言が大々的に報じられた1週間後に安倍が自宅に麻生太郎を招いて酒を酌み交わした際には「台湾海峡の有事は5年以内に起こるのではないか」と話し合っている。

トロイ馬(ば)か頭の動きとろとろと演説するぞ党をつぶすぞ こちらは誰か
とろい馬鹿お友だちおよびアメリカを依怙贔屓して国をつぶすか こちらは誰か
とろい馬鹿資源工業不足して膨大被害国をつぶした こちらは誰か

先の戦争について説明すると、戦争は勝ったり負けたりの中で、中盤から勝敗の方向が決まる。日本の敗戦は、ミッドウェイ海戦が原因ではなく、資源と工業力がないことだ。アメリカは中盤から、軽空母(百艘くらい)や航空機を大量に作って、日本を圧倒した。ミッドウェイで日本の空母が四艘沈没したのは小さな話だ。商工責任者として開戦の勅書に副署した者の責任は重大だ。
そして軍事大国となったアメリカが、戦後は膨大な戦争を引き起こした。開戦時商工相の責任だ。

十月十二日(水)
「5.アベノミクスの呪縛」では
アベノミクスが始まった2013年に日本の名目GDPはドルベースで5兆2,107億ドルだったが、2020年には5兆397億ドルで、端的な話、これがあのバカ騒ぎの結末である。

その原因は
第1に、(中略)日銀総裁の首をすげ替えてでも「異次元金融緩和」に踏み切り、カネをジャブジャブにすれば景気は良くなり、再び成長軌道に乗せることが出来ると考えた。しかしすでに2010年に藻谷浩介が『デフレの正体』(角川新書)で正しく指摘していたように、日本は世界に先駆けて「人口減少社会」に突入していて、モノの需要そのものが減少していくという構造問題に直面しているのだから、いくらカネを増やしても誰も要らないモノは買わない。

そして
第2に、そのカネをジャブジャブにする方法論を丸っきり間違えていた。(中略)マネタリーベースは500兆円以上も増えたのに、その分のほぼそっくりに当たる493兆円が日銀当座預金となって残って構内から出て行かない。日銀の国債保有高は9倍以上にも増えて国債全体の50%超を日銀が抱え込んでいる形である。


十月十三日(木)
「6.国葬が国民を分断する?」では
安倍政治の特徴の1つは「ヘイト(憎しみ)」だった。(中略)安倍は珍しいことに政治手法として積極的に黒か白か、敵か味方かのヘイトの凶刃を振り回した。
17年7月の都議選最終日、秋葉原駅前での講演演説で「安倍帰れ」コールを繰返す一団に対して彼が口走った「こんな人たちに負けるわけにはいかない」という科白がその典型だろう。どんな異論を持つにせよ国民=選挙民の一部を「こんな人たち」と侮蔑的に呼び、(中略)こんな政治家、ましてや総理大臣は余り見たことがない。

翌日は都議選で
自民は過去最低の38議席を大きく下回る23議席という歴史的惨敗を喫し、これを報じた当時の朝日新聞は「異論に不寛容で、批判を敵視する姿勢は安倍政権の特徴の一つ」と書いた。

そして最後は
自分の葬式も「国葬」の賛否を巡って国民が大きく分断され、しかも国葬反対がはるかに多く賛成が少ないという惨めな形となったのである。
(終)

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