百七十七、日本酒復活大作戦


平成二十三年
六月十六日(木)「日本酒のシェア」
ビールやチュウハイが増へた分、日本酒の消費が減つてしまつた。日本酒を復活するにはどうしたらよいかを考察しよう。今から二十年くらい前に観光で神戸の酒造街を訪れたことがある。関東でも有名な銘柄の酒造会社があちこちに点在し順番に見学した。無料で観光客に開放するその社会的経営にいつか恩返しをしなくてはいけないと思つてゐた。今こそ日本酒復活の時である。

六月十八日(土)「度数」
日本酒は悪酔いすると世間ではよく言はれる。これは全くの嘘である。そのような嘘が広まつた理由は度数の違ひを無視するからである。日本酒は十五度、ビールは五度。同じ量を飲めばそれだけで三倍飲んだことになる。
さすがに同じ量を飲む人はゐない。しかし時間差の吸収量を考へない人は多い。ビールも日本酒もアルコールが吸収され脳神経を麻痺させるのに時間がかかる。その間に飲み過ぎる量は三倍くらいに達する。それを防ぐために日本酒はおちょこで飲むし熱燗で飲む習慣が古来ある。
まず日本酒流通促進法を作るべきだ。そしてコツプ酒を禁止すべきだ。そのようなことは政府の規制に馴染まないといふのは新自由主義者の言ひ分である。しかし日本酒はアルコール飲料に留まらない。日本の文化である。

六月十九日(日)「胃の膨らみの違ひ」
ビールは度数が低いから飲む量が多くなる。その分だけ胃が膨らみ飲用を抑制する。日本酒でもこの原理を応用すべきだ。そのまま飲む人は二倍の水の飲料を義務づける。
日本酒を薄めて飲む人はいない。しかし美味しい日本酒ハイを開発すべきだ。ハイボールに負けるな。度数が低ければ咽喉ガンの発生が少なくなる。

六月二十日(月)「薄い日本酒はよくない」
だからと言つて薄い日本酒はよくない。以前は日本酒に二級、一級、特級があつた。記憶をたどると二級は13.5度から14.5度、一級は14度から15度、特級は14.5度から15.5度が普通だつたように思ふ。今は13度が普通になつた。といふかコンビニで売つてゐる紙パツクの百五円くらいの日本酒は13度である。
13度はよくない。500gのヨーグルトが450gになつた。納豆も量が少なくなつた。同じように度数を下げたとするとそれはよくない。昨日書いたように日本酒は二倍の水とともに飲む。あるいは日本酒ハイを開発する。この二つに限るべきだ。度数を下げることはよくない。

六月二十一日(火)「五戒と平衡」
仏教の信徒用の戒律に不飲酒戒がある。しかし日本では守られなかつた。江戸時代の寺請け制度に原因があるかどうかは歴史学者が検証すべきだ。
不飲酒戒に反してまで酒を飲んだ理由は考察する必要がある。酒とは日本酒であり九州においては焼酎も含まれる。

六月二十五日(土)「伝統食材と税率」
ここ十年以上焼酎の売り上げが急増してきたが、これは税率が原因である。近年の食材の国内の移動や輸出入は化石燃料の消費と引き換へであり、本来は止めなくてはいけない。二酸化炭素の大量放出と共に食材文化が崩壊しその後に世界が化石燃料の消費を止めても、不安定な社会だけが残る。
そうならないように食材の伝統は重要である。日本酒地域にあつては日本酒を、焼酎地域にあつては焼酎を保護すべきだ。そのために消費地により日本酒と焼酎の税率を変へるべきだ。今は全国一律だから日本酒が焼酎に圧迫された。

六月二十六日(日)「気が抜けない日本酒容器の開発を」
私はここ十年ほど家では焼酎を五倍にお湯で薄めて飲む。これだとアルコールの回りが速いから湯のみ茶碗三杯で済む。つまり日本酒に換算すると一合である。濃度が薄いから胃や食道にもよい。実に健康的である。
本当は日本酒を三倍に薄めてもよいのだが、日本酒は気が抜ける。私は一升の紙パックで買ふが気の抜けない容器の開発が急務である。薄めても美味しい日本酒の開発も急務である。(完)


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