千七百三十四(歌) 問題のある映画「ラストサムライ」
壬寅(西洋野蛮歴2022)年
五月三日(火)
テレビ東京が、午後のロードショーで「ラストサムライ」を放送した。アメリカ側の映画なので、途中で切ることになるだらうと予想し、そのとほりになった。番組紹介によると
オールグレン大尉は近代化を目指す政府軍の指南役として日本に呼ばれ、そこでサムライ一族の長である勝元に出会う…。サムライ・スピリットを描いたエンターテイメント巨編
まづオールグレンなる男は、先住民虐殺に参加したため、虚無主義になった筋書きで、先住民に言及したことは、多少は評価できる。「多少は」と断ったのは、アメリカで人種の公平がある程度解決したのは、四十年くらい前のことだ。だからこの当時、先住民と黒人のことを白人は人間と思ってゐなかった。
あと悪いのは、オールグレンを偏屈者に描き過ぎる。偏屈者だから先住民虐殺に嫌悪した。そんな筋書きになってしまふ。
オールグレンが日本に来たあと政府側として戦闘に参加するが、捕虜になってしまふ。その前に、水戸黄門の格さん助さんばりに大暴れし、サムライ軍を多数殺すがあれは不要だ。図らずしてアメリカ人が参加しない側は幾ら死んでもよい、と云ふ今のウクライナ人への扱ひが現れた。
サムライ軍への農民たちのへつらった態度が変だ。如何にも未開人として描いた。日本では本音を離さない、と云ふ感想も変だ。相手の感情を害さないやう話すことはあるが、嘘を云ふ訳ではない。嘘と云ふことでは、人口比で少数のアメリカが世界を支配し、それでゐて民主主義を叫ぶことのほうが、よほど本音ではない。
ここまでは我慢したが、オールグレンを手当てする家の奥さん(勝元の妹)との怪しい伏線や、子供たちの描き方も悪く、勝元の部下のオールグレンへの敵意のところで、スヰッチを切った。
アメリカの見方で描く我が国を アメリカ人が見るだけやアメリカ人の俳優が出演ならば良いのだが 日本絡めば売国行為
五月四日(水)
インターネットで調べると日本での興行収入は137億円、観客動員数は1410万人。アメリカでは興行収入は1億ドルを突破。
日本で1410万人が見て、私のやうに疑問を持った人はどのくらいだらうか。1/3か1/4か。アメリカ向けの映画なのに、日米の興行収入がほぼ同じなので驚いた。人類史上最悪の戦争犯罪人トルーマンとマッカーサの洗脳がまだ効き過ぎだ。
しかし一番悪いのは、日本から出演した俳優が所属する事務所と、日米間をあっせんした会社だ。日本の俳優が出演する以上、日本国内で見ても偏ってゐない内容にさせなくてはいけない。
テレビなら途中で切るが正解だ映画館ではそれもできない(終)
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