千七百二十(普通の歌、和語の歌) 特急「信濃」で塩尻短歌館、赤彦記念館
壬寅(西洋野蛮歴2022)年
四月十三日(水)
本日から四日間、大人の休日倶楽部東日本パスで、日帰り旅行に出かける。年に三回発売されるものとは別枠で、「えきねっと」限定版だ。JR東日本がコロナ禍の減収を補ふためと「えきねっと」普及のため企画したのだらう。よい企画である。
本日は、広丘と下諏訪へ行った。概要は
1.特急「信濃」に、気動車時代を含め初めて乗る
2.塩尻短歌館、赤彦記念館を観る
3.地震で不通区間がある東北新幹線は明日から開通するので、その代替役割を持つ上越新幹線の利用は本日まで避ける
4.明日から雨になるので、徒歩が二十分の赤彦記念館を本日にする
5.特急「あづさ」は全車指定のため、使用しない

往路の新幹線は全席指定金沢行きなので、「えきねっと」で指定券を取り、昨日のうちに駅で発券した。大宮駅には三十分前に着いた。東北新幹線は本数が少ない上に郡山止まりだ。ホームは長い列ができた。列車が入ると、満席で立つ人も少し出た。
東北地方に行かなくてはいけない人も多いから、私のやうにどこにいってもよい人は、東北新幹線と上越新幹線に乗ってはいけない。
長野で十九分の乗り換へ時間がある。駅前に出ると、善光寺御開帳のポスターがある。参道に縁日が出るので走って見に行ったが、やってない。朝の九時前だとないらしい。走って駅に戻り特急「信濃」に乗った。
みすゞかる信濃号にて塩尻へ普通列車で広丘に立つ

前回から信濃の枕詞は「みこもかる」ではなく「みすゞかる」に戻した。広丘は駅前から歌の郷だ。短歌公園を抜けて、歌碑公園の入り口を観て、塩尻短歌館に入館した。建物自体が古い大きな家で、国登録文化財だ。水穂のほか、赤彦、左千夫、牧水と貴志子、空穂と、大きな人脈が連なる。帰りは、広岡小学校正門、水穂生家跡、赤彦寓居跡、左千夫歌碑を観た。
今かうして記事を書くと、見逃したものも多い。再度行きたいものだ。
松本の南に広い丘の村多(さは)歌詠みが水穂の郷へ

普通列車で下諏訪に着いた。ここで弁当を買ふ予定だったが、駅、駅前、赤彦記念館までの道沿ひに店がない。厳密に云ふと店や食堂は三つあったが、閉店中だった。やっと見つけたドラッグストアは、ご飯ものやパンが無い。たい焼きとクリーム入りクロワッサンを買ひ、かう云ふこともあらうと家から持参したお魚ソーセージ、キムチといっしょに、諏訪湖畔で食べた。
赤彦記念館と諏訪湖博物館は併設され、赤彦記念館は左千夫との関係を良好に描いたよい展示だった。記念館を出たあとは、往路とは異なり市内への道を歩いた。こちらには店や食堂が幾つかあった。町役場前から斜めに駅へ向かった。
時間があったので、旧中山道と宿場街道資料館を観た。
我が家(いへ)の傍(そば)のふる道下諏訪でまた会ひ想ふ江戸の旅人
信濃では歌と一茶と善光寺川とみづうみ高き山なみ
(終)

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