千六百八十六(歌) 北京オリンピック
壬寅(西洋野蛮歴2022)年
ニ月五日(土)
北京オリンピックの開会式を、最初から最後まで観た。私は、貴乃花が大相撲から追放され、オリンピックのコンドーム大量配布が報道されてから、すべてのスポーツを見なくなった。体育は見るものではない。自分でやって体を鍛へるものだ。
オリンピックが嫌ひなもう一つの理由に、やたらと長い開会式がある。私は、小説より和歌を好むことが典型だが、時間が長いものより短いものを好む。
そんななかで、今回は新型コロナの騒ぎがあり、開会式を短くしたと報道された。だから今回の開会式は、観る価値がある。
見終はって一番印象に残ったのは、手に持てる大きさの聖火だ。地球温暖化のときに、膨大な燃料を消費する聖火は許されない。その点、北京オリンピックは見事だ。
二番目に開会式の演技者は、全員が一般人だと云ふ。これも見事だ。一流の歌手や俳優は、ぞれぞれが得意とする舞台で一流になったのであって、開会式や儀式会場は得意な舞台ではない。東京オリンピックでも感じたし、別の儀式の国歌独唱でも予て感じてきた。
三番目に、二十四節気を用ゐて東アジアの文化をよく表した。
春節を 祝ふ三日後 立春と その翌日に 五輪を開く


ニ月六日(日)
NHKのホームページに載った
北京オリンピック開会式 総監督チャン・イーモウさんのねらい

によると
2年以上かけて準備してきたという今回の開会式について、革新や大きな変化を意味する「イノベーション」ということばを繰り返し強調しました。
その1つとして挙げたのが、聖火台です。
これまでの大会では、聖火リレーの最終ランナーが開会式の会場に設置された聖火台に火をともすのが一般的でしたが、今回は出場する国や地域のプラカードを使って作られた巨大な雪の結晶の聖火台に、トーチをそのまま設置する斬新な演出を採用しました。

これについてチャンさんは
「聖火台は各国を代表している。聖火の炎が大きくないので低炭素で環境にやさしいコンセプトに合致している。また、伝統的な中国の美を表現したかった」と述べました。
そのうえで「ともに未来へ、まさに人類の連帯を示したかった。困難な時期に直面している世界に対して、あたたかい気持ちを届けることができた」と手応えを口にしました。

次に
これまでの大会でよく目にする俳優などの有名人は起用せず、参加した3000人のほとんどが学生だということで「彼らを通して団結、連帯する人たちを見せた。このような規模のパフォーマンスでプロのアーティストが出てこないのは珍しい。こういう形にできてうれしい」と振り返りました。

その一方で
「(前略)コロナ対策を行う必要があった。研修やリハーサルに加え、チームワークにも悪影響が出た」と苦悩をにじませました。

開会の 演技者たちに 表れた 五輪の心 アマチュアリズム


ニ月七日(月)
本日は前文無しで、歌だけにした。
北京にて 冬の五輪が 熱を持つ 夏の東京 半年の後
モーグルが 日本で初の メダル取る 銅でも初は 金の喜び
金メダル スキージャンプが 日本初 長野を跳んで 二十四年後

「熱」と「夏」、「メダル」と「金」、「ジャンプ」と「跳んで」。技巧を入れてみた。

ニ月十四日(月)
小平が500mで十七位に終はった。代はりに高木が銀メダルだ。高木は1500mが得意だ。無心がよかった、と話した。小平は有心すぎたのかな、とインタビューを観ると、一歩目で氷に引っ掛かったさうだ。この舞台に出られることが幸せだと話したのは立派だ。
出られない選手もたくさんゐるのに、不満を言ふ人や、泣いて悲しむ人や、勝ったら勝ったで有頂天になる人がゐるのは困ったものだ。オリンピックは耐用年数を過ぎた。
注目をし過ぎることが慢心や自分勝手の温床となる

統計学から見ると、前回金メダルだった人が十七位になったり、1500mが得意な人が銀メダルになることは、普通のことだ。普通のことを、選手の責任や功績にするから、不満や泣いて哀しみや有頂天が起こる。

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ニ月二十二日(火)
一昨日に行はれた閉会式を、本日インターネットで観た。感じたことを時系列にすると、舞台は観客席から見るのが丁度よく、アップにすると視聴者は必ずしもよい印象を持たない。次に、ランタン、十二支、組み紐と出てきて、西洋野蛮文明とは別のものを登場させる場面に喝采した。その後、西洋文明に歩み寄り、西洋人にアジアを理解させる戦略かなと思った。四番目に、フランス語と英語、ギリシャの国旗と国歌と、五輪は西洋の範疇を抜けられないと感じた。閉会式の最後に、NHKの女アナウンサーがべらべらしゃべるのでうるさかった。素人よりひどい。取材して気に入った人たちを紹介したかったのだらう。安倍と同じでお友だちえこひいきだ。(終)

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