千六百五十三(和語の歌) リベラルは平衡機能欠如
辛丑(2021)
十二月七日(火)
先日、リベラルは社会を破壊する思想だと指摘した。そしてその根源は、唯物論だと指摘した。更に、唯物論と同等のものが資本主義だと主張した。
唯物論とは、文化を無視することだ。コンピュータに譬へると、ハードウェアが大脳、OSが文化、アプリが思考能力だ。ところが唯物論は、ハードウェアとアプリだけ考へて、OSを破壊する。
以上は、これまで主張してきたことだ。今回新たに、リベラルは平衡機能が欠如してゐることを指摘したい。唯物論である資本主義は、かつては戦争を引き起こし、今は地球滅亡寸前になった。まさに悪魔の思想である。
だからといって、封建時代には戻れないから、正→反→合の弁証法を考へたのがマルクスだった。ここで注意すべきは、どんな学者にも間違ひはある。弘法も筆の誤りである。また、その時代は正しくても、今の時代は間違ひになることもある。
その前提で正→反→合を見ると、昭和五十五(1980)年辺りまでは、資本主義と云ふ「反」に対抗して「合」を目指す革新勢力は魅力があった。
正しいを 反らすが出たら 合はせるで 世を安らかに 四十(よそ)年(とし)前は
ところが社会党が消滅したあと、リベラルと称する勢力は正→反→超反だ。
十二月八日(水)
正→反→合は正しいだらうか。正→反→正ができるなら、これが一番よい。しかし、地球上のすべての物体に引力が働くのと同じで、人間は堕落する。正は長い間に堕になる。正→反→正をやろうとすると、実は正→堕→反→堕をやってしまふ。
それとは別に、リベラルも堕落してゐる。戦前からある労働運動や社会主義運動は、戦後に社会党や総評として開花した。しかしこれも堕落し、今ではリベラルになった。正→反→堕になってしまふ。いや、正→堕→反→堕堕が正しい。堕堕よりは堕のほうがいいし、自民党の非安倍派と安倍派非安倍グループは、正をやってくれるかも知れない。国民はさう期待する。
合はせるを 目指す人たち その前に 堕(お)ちてまた落ち 正すを出来ず
十二月九日(木)
正→反にしろ、正→堕→反にしろ、反があるから対抗組織が必要になる。労働組合が必要なところ(失業者を含めて)には労働組合がなく、労働組合が不要なところに既得権残存組織がある。
反がないと、社会を破壊するやうになる。社会こそ、反に対抗する平衡組織だ。社会を破壊する人たちを、かつて反日と呼ぶことがあった。しかし反米、反中、反韓とは異なる。反日は自分たちに反対することで、その実態は社会破壊だ。社会破壊には、拝米拝西洋と、虚無主義の二種類がある。(終)
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