千五百七十ニ(準和語の歌) 1.青ヶ島仮想旅行、2.八丈島仮想旅行
辛丑(2021)
四月三十日(金)
Youtubeで青ヶ島の動画を幾つか観た。本州から直航便が無く、八丈島からヘリコプターか船だ。ヘリコプターは欠航率が低いが、定員九人のため、切符を取り難い。船は五割の欠航率だ。欠航になると、翌日ではなく空席のある日まで待たされる。
二重の火口は絶景だ。三宝港、ひんぎゃ(火の際)の水蒸気噴出、丸山(内輪山)、外輪最後部の大凸部(オオトンブ)が見ものだ。
民宿かキャンプ場への予約なしに来島しないやうに注意書きもある。予約がないと交通機関が利用を拒否することもあるさうだ。私自身は欠航時の困難もあり、仮想旅行に留めた。
三宝港では船が2mくらい揺れる。船酔ひを防ぐため、多くの人が寝るさうだ。出航の動画を撮った人も、これ以上続けると酔ひさうなので、と途中で録画を止めた。
青ヶ島 伊豆に人住む 南端(みなみはし) 船はたびたび 航(わた)り止め 黒潮による 大揺れの 障り乗り越え 島言葉 八丈島と 相話す 万葉集の 行こ時や 高け山など 面影残す

(反歌) 八丈の 言葉消え去る 惧れある ユネスコによる 指し定めあり
「八丈」「万葉集」「ユネスコ」があるので準和語、「危機」があるので新和語とした。併せて準新和語である(五月六日追記、「危機」を「惧れ」に変更し、新和語ではなくなった。作るときも「惧れ」にしようか迷ひ、「危機」にしたが、元に戻った)。そして今回から、和歌を歌とした。詩とは漢詩、歌とは和歌である。
(5.21追記 本日、メニューと新字体メニューについては「1562 (和語の和歌)一級水系で再編した日本を論評」まで遡り、和歌を歌とした。)
ユネスコは日本について
「極めて深刻」はアイヌ語
「重大な危険」は八重山方言、与那国方言
「危険」は沖縄方言、国頭(くにがみ)方言、宮古方言、奄美方言、八丈方言
に指定した。青ヶ島についてインターネットで調べると、人口百七十余人の半分が、島外出身の村役場職員、学校教員、建設作業員とその家族で占められる。
島を経済的に発展させるには、島の特産品のうち焼酎は、東京までの輸送費を上限に酒税を免除すべきだ。八丈島や他の伊豆諸島への持ち込みは免除しない。船の貨物輸送は、往復が等量だと効率が良い。等量にするための援助でもある。もし輸送費のほうが免税より高いなら、差額は船会社が割り引くとよい。それでも損はしない。
黒潮が 保ち守った 島言葉 万葉の世に 船で帰らう
すなどりの 船を持ち上げ 陸(おか)に置く これも見ものだ 黒潮防ぐ

行ったときにクレーンが動かなくても、クレーンがあるのと、船が陸にあるのを見るだけでも意味がある。

五月一日(土)
昨日に引き続き、本日は八丈島までの船旅を、一等と特等の二本見た。一等は二等とほとんど変はらない。雑魚寝で頭の部分にだけ仕切りがある。それで運賃が二倍なので貸し切り状態だったが、満員なら不満が残るだらう。特等は、ツインの個室で、シャワーとトイレが付く。料金は、東京から八丈島まで下記に分かれる。
2等特2等1等特1等特等
8,31012,46016,62019,95023,270
八丈島に移住した人の、良かったこと、悪かったことの動画も観た。悪かったことは、コンビニやチェーン店(ハンバーガー、牛丼)がない、虫が多い、気候が変はりやすい、荒天の時は航空機と船が運休し海外旅行のときは前以って東京に行かないと大変なことになる、大型機器を通販で購入すると運賃が高い、雨の日にすることがない、など軽微なものだ。信州佐久市郊外の性格が悪い集落とは大違ひのやうだ。観光地や都市部であることと、閉鎖的で将来が真っ暗な集落ではないことが、理由のやうだ。
八丈へ 船にて向かふ 旅二つ 島へ引っ越す 十(とを)の人 これらを観ると 住み易い島

(反歌) 八丈へ 引っ越す人も その子らに 教へてほしい 島の言葉を
御蔵島に接岸したものの乗り降りできず、そのまま出航する動画も観た。揺れは2mだが、昨日の青ヶ島は縦揺れの2m、この動画は横揺れの2mで、傾斜角度がまったく異なる。港で待つ人たちは「あれー」とか言ひながら去り行く船を動画に撮る人が多い。ずいぶん暢気だと感心した。心配しても、船は戻らない。手だてがあるうちは最後まで努力し、無くなったなら暢気に構へることが人生を健康に生きるこつだ。
次に、暴風で船が傾いたまま航行する動画を観た。波は4mで飛沫が飛ぶ。風上の右側の扉は風圧で開かないため、左側から録画とのことだった。伊豆諸島北部を発着する客船だが、一番下のCデッキは海水が溜まり立ち入り禁止のロープがある。それでも安全運航で、竹芝桟橋には予定より10分早く到着した。
黒潮は 八丈島と 御蔵島 島の間(あいだ)を 澱まずに 速さ太さに 昔人(むかしびと) 海神(わたつみのかみ) 力畏れる

(反歌) 大波と 大風雨(おおかぜあめ)に 人びとは 天神(あまつのかみ)に 罪を謝る(終)
五月六日追記、「1.青ヶ島仮想旅行」と「2.八丈島仮想旅行」を一つのファイルにまとめた。自己紹介の月別ファイル数も、四月を34から33に一つ下げた。

メニューへ戻る 和歌(百十一の四)へ 歌(百十ニの三)へ