千五百七十一(和歌)(モリカケ桜疑獄二百三の六) 「国費を使ってわざわざ任命」真偽は?
辛丑(2021)
五月十四日(金)
弁護士ドットコムニュースに
「さざ波」高橋洋一氏への批判「国費を使ってわざわざ任命」、玉川徹氏の発言の真偽は?

と云ふ記事が載った。
「内閣官房参与の給与は、他の審議会の委員などの単価に準じて決まっており、現在は勤務1日につき一律で2万6400円の給与が支払われています」(内閣総務官室)
ただし、高橋氏も含めて、10人いる参与のうち3人は給与を辞退しているという。交通費などの経費についても尋ねたが、
「高橋参与に対して内閣官房からは一切の支払い実績がありません」(同)

しかし記事は結論で
そもそもの論点は、高橋氏に給与が支払われているかどうかではなく、首相のブレーンの発したツイートの内容そのものであったことには留意が必要だろう。

そのとほりだ。更に追加すれば
国税を使ってわざわざ任命しているんですよ

に間違ひはない。一人を任命するためには、審議の時間、書類作成の手間、通信費などが掛かる。

五月十五日(土)
内閣官房参与の肩書があるのとないのでは、ビジネスの信用度が違ふ。高橋洋一が特区ビジネスに関はったことは、過去にリテラで指摘された。株式会社特区ビジネスコンサルティングから総額で幾らもらったのか、明らかにすべきだ。
併せてその後現在に至るまで、似た種類の収入があったかどうかも明らかにすべきだ。内閣官房参与の肩書があることにより、勤務先の大学で優遇されたことがあるのかどうかも明らかにすべきだ。著書の依頼が出版社から来たかどうかと、売り上げに影響したかどうかも明らかにすべきだ。講演依頼も同じだ。

五月十六日(日)
イスラエルとパレスチナの戦闘で、多数の死者が出てゐる。それなのに安倍に近い政治屋が、とんでもない発言をした。日経新聞のホームページによると
「イスラエルと共に」防衛副大臣がツイート 個人の意見と説明

と云ふ題で
中山泰秀防衛副大臣は12日、イスラエルとパレスチナの交戦に関し「私たちの心はイスラエルと共にある」と自身のツイッターに書き込んだ。

「個人の意見」が嘘だとすぐ判る。「私たちの心は」と書き込んだからだ。中山は「日本政府の心は」と云ひたかったのだらう。中山は「私たち」が誰を指すのか説明責任がある。
中山は安倍の出身派閥と同じ細田派。細田派は近々安倍が会長に就任すると専らの噂だ。中山の直属上司である防衛大臣は、安倍の実弟岸信夫。
萩生田、下村、高橋、中山。騒ぎを起こすのは、安倍の周辺ばかりだ。

五月十七日(月)
パレスチナ問題の根源は、第二次世界大戦の後に作られた国連が、全加盟国の投票による僅差で、パレスチナをイスラエルに有利な分割を決定したことだ。とは云へ、この時点に戻すことを日本政府は少なくとも一九七五年辺りまでは見解として発表してゐた。その後、国連が全加盟国の投票を廃止したことでも、このときのやり方が間違ひだったことが判る。
その後、幾度の戦争を経て、イスラエルは領土を拡張した。そのことを無視して、中山は「私たちの心はイスラエルと共にある」と発言した。安倍の周辺でなければできない芸当だ。

五月十八日(火)
イスラエルとパレスチナの軍事衝突による死者は二百名を超えた。「私たちの心はイスラエルと共にある」と発言した男は、防衛副大臣を辞任する準備を始めたほうがいい。
新型コロナウィルスも、変異種の出現で大変なことになってきた。「さざ波」「笑笑」発言男も、参与と大学教授の辞任準備をしたほうがよくないか。しかしその前に、特区ビジネスを明らかにしてもらひたい。
そもそも欧米や中南米、インドと比べると感染者数が少ないのに医療現場が崩壊寸前なのは、政府の医療行政が悪い。そのことを棚に上げて内閣官房参与、大学教授として「さざ波」「笑笑」発言は許し難い。
さざ波や しがない言葉 荒れにしは いつもながらの 驕り過ぎかな

(反歌) 昔より 清盛及び 弟と 子らを伝へる 物語 驕れる者は 久しからずと

五月十九日(水)
産経新聞のホームページに
中山防衛副大臣、投稿撤回せず 「イスラエルと共に」波紋

と云ふ記事が載った。
中山泰秀防衛副大臣は18日の参院外交防衛委員会で、イスラエルとパレスチナの戦闘をめぐり「私たちの心はイスラエルと共にある」と記して波紋を呼んだ自らのツイートについて、取り消さない考えを示した。「撤回すべきではないか」と問う共産党の井上哲士氏に対し「(ツイートは)個人として行わせていただいている」と反論した。


五月二十日(木)
しんぶん赤旗のホームページにも、国会でのやり取りが載った。
井上氏は、中山氏の発言は、(中略)日本政府の見解とは違うと指摘。これに対し中山氏は、「これは一政治家としての発言を申し述べたもので、政府の見解と私の立場は同様である」と弁明しました。
井上氏は、中山氏がツイッターのプロフィルのトップにわざわざ英語で、「防衛副大臣」と明記している点を指摘し、「このツイートだけが一政治家としての見解などという言い訳は通用しない」と追及しました。
また、このツイートに対して、パレスチナ駐日常駐代表が「人種差別的だ」「殺害された罪なきパレスチナ人への敬意を欠いている」と非難していることを紹介。(中略)「撤回をしないなら、副大臣としての資格が問われる」と追及しました。

そのとほりだ。人種差別、イスラエル崇拝の中山に、副大臣辞任が刻々と迫る。

五月二十一日(金)
安倍岸がまたやらかした。デイリースポーツのホームページによると
岸信夫防衛相がツイッターで、新型コロナウイルスのワクチン接種予約に関連し、「自衛隊大規模接種センター予約の報道について。今回、朝日新聞出版AERAドット及び毎日新聞の記者が不正な手段により予約を実施した」と批判し、抗議。

朝日新聞出版と毎日新聞は、通知された番号以外でも登録できたことを指摘し、登録はすぐキャンセルした。だから問題は無い。岸の抗議は、勇み足だった。それなのに
安倍晋三前首相が18日夜に、ツイッターに「朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯と言える。防衛省の抗議に両社がどう答えるか注目」と投稿し、使用したワード「妨害愉快犯」がトレンド上位に急浮上した件で、安倍氏の当該投稿には5000件近いコメントが集まっている。

朝日と毎日がすぐキャンセルしたことを知らない人も多く、安倍側のコメントも多いが
安倍氏は4月28日付でツイッターやインスタグラムに、満面の笑みでパイナップルを掲げている写真を投稿し「いい笑顔だ」などと話題に。18日も直前に同僚議員と完熟マンゴーを食べ「ジューシー」と喜んでいる写真もアップしていた。
「パイナップル→マンゴー→妨害愉快犯」「妨害愉快犯の前は、ジューシーマンゴー、その前はパイナップル」「マンゴー食ってジューシーとつぶやいたかと思えば」と投稿の落差にツッコミも入っている。


五月二十ニ日(土)
中山もまたやらかした。しかも二つだ。まづ東京新聞のホームページによると
中山副大臣が「イスラエルと共に」のツイッター投稿を削除 「役割果たせた」国会運営への影響は否定

と云ふ題で
中山泰秀防衛副大臣は20日、イスラエルとパレスチナの戦闘を巡り「私たちの心はイスラエルと共にある」と記したツイッターへの投稿を削除した。取材に対し「中東で起きていることを日本の方に知ってもらいたいと思い、議員個人として投稿した。役割を果たせたので削除した」と理由を述べた。

そもそも
野党は18日の参院外交防衛委員会で削除を要求。中山氏は応じない姿勢を示していた。

削除に応じない姿勢を示しておきながら削除した。中山はまったく信用できない。二つ目のやらかしは、NHKのホームページによると
中山防衛副大臣が審議に遅れ流会 参議院外交防衛委員会

と云ふ題で
参議院外交防衛委員会は20日、午前の審議に中山防衛副大臣が遅れたことから野党側が反発して委員会は始まらず、そのまま流会になりました。

記事は後半で
自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「いろいろ聞くと、中山副大臣本人というより、事務方の対応のまずさもあったとのことだが、(以下略)」と述べました。

事務方の対応が悪いのは、往々にして大臣、副大臣がワンマンだったり放言対応に追はれて不機嫌になったときに、事務方が委縮して起きる。(終)

(モリカケ桜疑獄二百三の五)和歌(百十一の三)へ  (モリカケ桜疑獄二百四の一)

メニューへ戻る 和歌(百十一の三)へ 歌(百十ニ)へ