千五百五十ニ(和歌) 1.労働争議外伝、2.お家騒動はかうして起きる
辛丑(2021)
四月十日(土)
10.争議が長引いた原因で、二月まで勤務した会社の労働争議を扱ったが、そもそもは前職の会社の営業部長兼技術部長の、人格異常とも云ふべき言動が原因だった。
この男は、NTT、ロータス(その後、IBMが買収)など取引を始めたすべての会社とトラブルを起こす。うちの会社では大阪事業所長と騒動を起こした。その場合、相手の会社で味方になりさうな人間を見つけるのがこの人の喧嘩のやり方だ。そして、東京の第x営業部長を子分にした。
この男は、勤務する会社では数ヶ月間に二人を退職に追ひ込み、私が三人目になるはずだった。十人しかゐない会社で三人だから異常だ。既にこの男は社長と最悪の関係だった。
そんなことがあり、転職の後も子分にした営業部長に私の悪口を吹き込み、トラブルにしようとした。
騒動を 起こしてばかりの 男見て
判ったことは
江戸時代 お家騒動
このやうな 男一人が 発生させる

(反歌) 健常者 二人対立 そのときは 騒動あるも 大きくならず
現代人が歴史を見るときに、普通の人がお家騒動を起こしたと考へてはいけない。全体の0.5%の人間が、騒動の99.5%を起こす。

四月十一日(日)
二番目に、殿様、社長などが過ぎた権限を持つと大変なことになるが、これだけだと騒動にならない。被害者が累積し、いつか爆発する。これはお家騒動とは異なる。今回の労働争議は、これに該当する。
三番目は、権力争ひだが、昨日の反歌にあるやうに、普通は大きな騒動とはならない。

悪いのは、性格が異常な場合だ。だから私は、あの男から離れようとした。それに対し、子分になった営業部長は「xxさんに逆らふことは、地獄で閻魔大王に逆らふやうなものだ」とうそぶいた。そこまで判りながら、なぜ子分になったのか。
もう一人被害者が出た。収益部門である事業所に、システム部と云ふ全体の技術支援を行ふ間接部門があった。そこの部長は、あの男が大阪事業所長とトラブルを起こした時に、まづ仲間にしようとした人だった。この人は賢いから、その手には乗らなかった。一年後にそのシステム部から課長を引き抜いて、社長か役員に転職したとき、連れて行った。
この課長とは、一度いっしょに打ち合はせで横浜市の追浜に行ったことがあり、おとなしくいい人間だった。転職の後、展示会で顔を合はせたので雑談をすると「あの人はきついですよ」とうんざりした表情だった。後に離婚したと噂を聞いた。あんな男の部下をやったらさうなるだらう。あの男は最初、私を社長秘書として外資系に連れて行くと云ってゐたから、あの課長が身代はりになってしまった。

四月十ニ日(月)
あの男は営業部長のほか、システム部長と営業の芳川(仮名)さんを味方にしようとした。芳川さんは、親戚の事業を手伝ふため退職し、後に社長のお友だちによって退職させられた営業部長と共同で小学生の塾を経営したさうだ。少子化で塾を閉じて、今の会社に戻った。
その芳川さんが昨年、岳習院で五人目の男と口論になり、その後は口も利かなくなった。私はこの二人と年代が同じだし席も近いので、両方と仲良く話し、二人が孤立しないやう努めた。
入社当時の大阪事業所長と私は、あの男の経緯から仲が良く、しかし私の上司の取締役で前大阪事業所長と、この大阪事業所長は仲が悪かった。
従業員二百名の会社にしては、人間関係が濃密だ。その理由は、技術職はこれらとは別だった。つまり従業員二十名と同じだから、この程度の濃密さになった。
技術職は最初、課長(後のGM)までしか任命せず、事業所長以上は営業職または事務職が任命された。唯一の例外が間接部門のシステム部長だったが、後に課の上にシステム部ができて、これは直接部門だった。部長や副部長、更には副本部長まで技術職が進出するやうになったのは、大きな進歩だ。(終)

10.争議が長引いた原因  連絡をし易くするまでは上司の責任

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