千五百四十三(和歌) 獣医ドリトル鑑賞記
辛丑(2021)
三月二十六日(金)
TBSの見逃し配信で、2010年に放送された「獣医ドリトル」を三月三十日までの期間限定で見つけた。番組名を知らなかったが試しに観ると、これは奥の深い内容だ。とは云へ、問題もあるので、それは後から指摘したい。
出演者は脇役に、ドリトルの友人でカリスマ獣医の成宮寛貴、獣医学部教授の石坂浩二、獣医師会会長の國村隼と、錚々たる顔ぶれだ。
主役は、高額を請求する性格の悪い獣医の役だし、副主役で動物看護士の役は大河ドラマ「花燃ゆ」が悪すぎた。だから二人は錚々たる顔ぶれには含まないが、どちらも今回の演技力は抜群だ。副主役について述べると、大河ドラマの演出が如何に俳優を劣化させるかがよく判る。
ドリトルの 悪い性格
本質は 地球を破壊し
そこに住む 動植物を
破滅する 人権エゴを
批判する 野生から見た 正しい主張
(反歌)
ドリトルの 主張聴いたら 喝采だ 野生動物 全種残らず
(反歌)
ドリトルが 総院長と 息子らの 三人に勝ち 無事に終了
三月二十七日(土)
このドラマの優れたところはドリトルの、性格の悪さと、動物から見た正論で、平衡を取った。もし、性格がよく、しかも動物から見た正論だと、肩の凝るものになった。
猫が生きた時代には、高層ビルは無かった、とドリトルが説明するので、頷いた。馬やうさぎなどの生態を知らないと書けない脚本なので、感心した。
三月二十八日(日)
ドリトルは架空の獣医大学を卒業し、石坂浩二演じる獣医学部教授もその大学だ。ここまでは原作に忠実だらう。ところがドリトルは、或る実在大学の医学部を蹴ってここに進学したことになってゐる。これは、テレビ版で挿入されたのではないか。
その大学の卒業生が優れてゐるかどうかは、一人一人異なる。その大学を卒業してマスコミに入った人は、個々には劣ってゐるので、全体を優秀に見せたいのではないか。或いはさう云ふ人がプロデューサか担当役員なので、脚本や監督がおもねいたのではないか。
以上は仮説だが、これまでマスコミでその大学出身者に、偏向したり介入したりする人がゐるので、さう思ってしまふ。
三月二十九日(月)
夫の伝書鳩を五十年間待つ妻の話を観て、マスコミは足で稼がなくては駄目だと思った。その正反対なのが、情報は集めず、国内で二分する議論の一方(反日、死刑廃止、同性結婚合法化)に偏向するリベラルと称する連中だ。
「獣医ドリトル」の根底には、リベラル偽善を超越する思想がある。人権弁護士が、自分のペットの治療をドリトルに依頼したり、トラックの前に飛び出して猫を救った人のエゴが猫を苦しめたり、猪に加担する小学生が猪を死の直前に追ひやる等々。
この根底を流れる思想は、西洋近代思想を神のやうに崇める人たちには、気が付かない。ぜひマスコミ関係者は、気が付くやうになってほしい。
西洋の 近代思想
欠点は 地球を破滅
その前に 野生生物 多数絶滅
(反歌)
欧米の 思想に欠点 あることを アジアアフリカ 指摘をしよう(終)
「マスコミの横暴を許すな116」へ
「マスコミの横暴を許すな118」へ
-----------------------------ここまでマスコミの横暴を許すな117----------------------------------
追記四月一日(木)
ドリトルは、あとから考へるとやはり性格が悪く、獣医師失格だ。ドラマでは、更に悪い人たちが登場するので応援をしたが、ゐなくなってみるとやはり駄目だ。
追記四月十二日(月)
たまたま、アメリカに留学した獣医のYoutubeを見た。日本はアメリカに二十年遅れてゐると主張するが、大切なのは費用対満足度だ。アメリカは貧富の格差が甚大だから、莫大な金額でも治してくれと云ふ要望があることだらう。
次に、日本の大学から教授などで交換留学や出張する人もゐるので、遅れてゐるとは云へない。少なくとも、一般の獣医師がアメリカに留学して、日本の獣医学が進歩したやうには見えない。
この人は、日本の或る大学院で、博士(医学)を取得し、獣医で博士(医学)は初めてと主張するが、それが獣医学の役に立つか。博士(獣医学)なら役立つが、博士(医学)ではほとんど無理ではないのか。
以上から、この動画は無視したが、調べてみると大変なことが判った。ドリトルのモデルだと云ふのだ。しかしドリトルと異なる部分も多く、その異なる部分が大問題だ。
異なる第一は、この男が業務停止2年の処分を受けた。処分理由は、抗議に来院した飼い主四名への暴行、傷害で懲役1年執行猶予3年の判決が確定した。ドリトルはそんなことはしなかった。
第二は、業務停止3年の処分も受けた。処分理由は、NHKによると
平成15年から16年にかけて、ペットに対して必要のない検査や手術を5件繰り返し、不正に治療費を得ていたという。
今年3月、民事裁判で損害賠償命令の判決が確定しています。
ドリトルは、そんなことはしなかった。そもそも動物のためにならないことはしなかった。
第三に、この男は日本がアメリカに二十年遅れると云ふ。それに対しドリトルは、飼ひ主の弁護士が日本は二十年遅れてゐるとして欧米の著名な獣医たちに連絡するが訴訟を恐れて安楽死を勧めるのに対し、きちんと治療をした。この男はアメリカの推奨者、ドリトルは欧米への警鐘。立場がまったく逆だ。
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