千五百三十(和歌) 日本語は仮死状態にある
辛丑(2021)
ニ月二十七日(土)
日本語は仮死状態にある。それは造語機能を喪失したからだ。新しい単語は、カタカナばかりだ。唯一の救ひは、外来語そのものではなく、「コンビニ」のやうに省略することにより、日本語らしい表現になることだ。
コンビニは 日本語として
機能する 言の葉にして
無害だが しかし長期の
影響を 調べるべきだ 崩壊前に

(反歌) 次々と 省略形の カタカナが 入る影響 無視はできない

ニ月二十八日(日)
カタカナばかりになることを防ぐ方法は、かつてビールに麦酒を当てはめた方法がある。麦酒でビールと読ませるから失敗した。「ばいしゅ」は語感が悪い。最終着地点は「むぎさけ」にすべきだった。
まづ「ビール」と読む。次に「ばいしゅ」とも読む。最後が「むぎさけ」で完成だ。
麦の酒 ビールばいしゅは むぎさけに きれいな日本語 子孫の為に


三月一日(月)
日本語危機は、米ソ冷戦終結とともに現れた。冷戦時代に共産主義側は民族解放を掲げたから、アメリカ側は全民族の欧米従属化なんてできなかった。
ソ連崩壊でアメリカ一極支配とともに、日本では朝日新聞編集委員船橋洋一が英語公用語論を発表した。船橋はその功績により次期駐米大使かと噂されたが、朝日新聞主筆に収まった。
英語公用語論はさすがに評判が悪く、次に出てきたのが、欧米文化崇拝だ。これ自体は明治時代からある。ひどくなったのは昭和二十年の終戦後のマッカーサによる洗脳からだ。その影響が米ソ冷戦終了後に爆発した。
米軍の 洗脳効果を
抑止する 安保反対
運動が ソ連崩壊
そしてまた 中国にての
文革の 失敗により
日本では 洗脳効果が 過大になった

(反歌) 洗脳の 効果は既に 行き過ぎた 平衡こそが 平和の道だ

三月二日(火)
半年前から始めた、口語による和歌(長歌、短歌、旋頭歌、仏足石歌)復活運動は、言葉に関心を向けるためのものでもある。美しい対象を詠まなくても、字数を合はせることで美文になる。
それ以外に、和歌を作ることで、心を整へ、五感を整へ、思考を整へる主目的がある。
言の葉の 字数合はせば
美しい 和歌が生まれて
整へる 心と五感 思考と社会
(終)

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