千五百二十六(和歌) 競争を煽る、無理な数字、丸投げ
辛丑(2021)
二月十三日(土)
これまでの幾つかの職場で、一番嫌だったのは競争を煽る経営者だ。私が最近まで勤務した会社は、これには該当しない。過去に該当する会社があった。
競争は 無理と不正の 発生源に
世の中で この競争は 役にたたない

だから競争を解消し、業績が伸びる方法を提示したこともある。ところがこれは上層部の不興を買ふ。「みんなを競争させて、俺だけ左うちわで楽をしようとしてるのに、あの男は妨害した」と云ふ次第である。
「この競争」とは、目の前で起きる競争だ。それが世の中の役に立つか。

二月十四日(日)
二番目に嫌ひだったのは、無理な数字を押し付ける会社だ。これは私が最近まで勤務した会社にも二十八年前に見られ、そのため多数の営業職が退職した。あの当時は会社が倒産寸前だったので、異常事態だった。しかし
(1)絶対不可能な数字を押し付けると、やる気を無くす
(2)売り上げや粗利が目標より多いか少ないかは、本人が既に知ってゐる。改善の方法を指導すべきで「少ない」と云ふだけでは、上部機関として責任を果たしてゐない。

二月十六日(火)
「競争」と「無理な数字」の根底にあるものは、丸投げだ。丸投げの悪い例が、本能寺の変だ。織田信長は、有力な武将を各地の前線に常駐させ、自身は何もしなくなった。だから油断が生まれ、京都に軍事空白地帯を作ってしまった。
前線で必死になって合戦を繰り返す武将にとり、追放された佐久間親子は明日の我が身だ。安土城でのんびり暮らす信長は、恨みの対象になった。
丸投げを せずに現場の
責任を 持てば現場は
実力を 発揮し現場を 活性化する

(反歌) 現場とは 別の機関と 異なりて 上部組織の 構成要素

二月十七日(水)
ある経営陣の発言について、不信感を持ったのは一回だった。その前にも噂(どんな内容だったかは今でも判らない)を信用し退職勧奨をかけたことなどあったが、これらは微細な問題だ。
その一回とは、入社して五年目くらいの年末最終勤務日に納会挨拶で
「今年のボーナスは少ない額になりました。それは千葉が赤字を出したからです。千葉の人たちはここに来て謝ってもらいたいですよね。赤字はどこかから埋め合はせなくてはならないので、一時金積立金が少なくなりました」
千葉は本社の構成要素だ。千葉が赤字にならないやう指導するのは経営陣の役割だ。これでは丸投げだ。この話を聞きながら、納会の前にどこかで飲んで来たのではないかと思った。

二月十八日(木)
今回は「競争を煽る、無理な数字、丸投げ」を批判する特集だが、それに匹敵する批判対象が現れた。自称「プロ経営者」である。そもそも経営者はプロだ。それを差し置いてプロを名乗るのは変だし、やることはリストラやターミネーションだ。(終)

関連情報02へ 関連情報1へ

メニューへ戻る 和歌(六十六)へ 和歌(六十八)へ