千五百二十五(和歌) 印象に残った記事(旅館の火事、本能寺の変、東電の停電、とかいなか)
辛丑(2021)
二月十三日(土)
湯田中温泉で国登録文化財の建物が火事で焼けたニュースを、動画で見た。旅館は創業二百年だが、建物は千九百三十九年建築だから、それほど古くはない。木造三階建てが評価されたのか、それとも百五十五畳の大広間が評価されたのか。
スプリンクラーがついておらず、火元は二階の厨房で、夕食準備中の火が広がったさうだ。地元の人は湯田中温泉の看板だったと云ふ。
木造の 三階建ては
貴重だが 近年基準を
改定し 再び新築 できることに


二月十四日(日)
昨日はNHK「麒麟がくる」最終回の再放送を八割方見た。午後一時五分から二時五分までだが、二時前に来客があるため最後の10分は見なかった。信長が敵兵を倒す場面も、水戸黄門や暴れん坊将軍ではあるまいし、その間は別の用事をした。
好きではないこの番組を見た理由は、インターネットで四つの記事を読んだからだった。まづは現代ビジネスの
豊臣秀吉「本能寺の変を事前に知っていた」説は、やはり正しかった…!

と云ふ藤田達生さんの記事だ。
当時の山陽道は未整備で険しい山道が多く、(中略)これに関しては、宣教師ルイス・フロイスがその著書『日本史』にこのように記しているのが参考になる。
この軍勢(秀吉軍)は幾多の旅と道のり、それに強制的に急がせられたので疲労困憊していて、(予想通りには)到着しなかった。

それなのに山崎の戦ひで勝利した。その理由は
秀吉は、みずからの体験によって、情報と宣伝が戦いの勝敗を決定することを学んでいた。(中略)実際に、「秀吉、無事帰還す!」との情報が、分散し、情勢を日和見していた旧織田家臣団を味方につけ、ひとつにまとめることに直結した。とくに、戦場となった山崎に近い地元勢力である摂津高槻城主の高山右近や、摂津茨木城主の中川清秀の参戦は、形勢を決定的なものにした。

なぜ秀吉にこのやうなことができたのだらうか。
秀吉が、本能寺の変を事前に想定していた可能性は十分にある。

として、変から四ヶ月後の古文書の現代語訳として
光秀は、将軍足利義昭を推戴し、2万余騎の軍勢を編成して、備中に向かわずに、密かにクーデターを企てた。これはまったく発作的な恨みからではなく、年来の逆心からであることを、(人々は)知り察していた

私はこの説に賛成だ。安国寺恵瓊が信長の転倒を予想したやうに、人々は信長の死を期待した。秀吉は、その準備を怠らなかった。これが正解ではないのか。
権力を 握ると毎月
毎日と 傲慢になる
そのための 対策こそが
必要だ 国と企業と 宗教までも
(反歌) 織田殿は 武田信玄 滅ぼして 傲慢度合ひが 限度を超えた
次に、渡邊大門さんがYahooニュースに
【「麒麟がくる」コラム】秀吉の中国大返しに謎はなく、事前に本能寺の変を知っていたはずがない

と云ふ記事を書いた。私はこれまで渡邊大門さんの記事には賛成だった。しかし
秀吉が「本能寺の変が起こることを知っていた」ならば、なぜすぐに信長に教えなかったのかということである。信長死後のさまざまなリスクを考えるならば、変が起こることを信長に知らせ、真っ先に光秀を討てば、秀吉はさらに多大な恩賞をもらえたに違いない。

多くの人々が信長の死を内心は願ったし、光秀は謀反の第一候補だった。しかしそれだけでは、信長に言ひつけることはできない。云ったら最後、お手打ちであらう。
私自身は、突発説を採る。今から四十年ほど前に、テレビの歴史教養番組で、突然京都に軍事的空白を生じたため光秀が攻めたと云ふもので、当時からこの説に賛成だ。
信長は尊大になり皆に嫌はれたので、謀反を起こせば誰もが賛成するだらうと考へた。秀吉が短期で戻らなければ、他の重臣たちは光秀と組んで天下を狙っただらう。秀吉が光秀を倒したことを後世の我々は知るため、他の重臣たちも秀吉に先を越されなければ光秀を倒しただらうと誤解した。
インターネットでは、「麒麟がくる」への感想として、光秀が憎くて信長を殺したのではないと云ふ記事と、無駄な脇役と云はれたが最終回で挽回したと云ふ二つの記事があった。
「麒麟がくる」最終回を見た感想は、やはり脇役は無駄だ。あと、細川藤孝が秀吉に密告した筋書きには反対だ。NHKの体質が現れた。

二月十六日(火)
十三日の深夜に、福島県北部と宮城県南部で震度6強の地震があった。首都圏も震度4だった。東電管内のあちこちに停電が発生し、東電ホームページによると静岡県、神奈川県、山梨県が印象に残った。停電理由は「調査中」と掲載されてゐるが、東京電力の末端で発生しやすいのではないかと思った。中心部は四方から融通が利くのに、末端は一方だけだ。
ところが東京新聞のホームページによると
地震直後、(中略)広野火力発電所5、6号機(福島県広野町)など3基が自動停止した。(中略)需要をそのままにしておくと過剰な負荷がかかり、発電設備が壊れる恐れがある。そのため「設備を保護する仕組みが自動的に作動し、一部地域の送電を止めた」。
東京への送電が維持されたのは「人口密度や経済、交通インフラなど社会機能への影響を総合的に考慮した」からだという。

つまり停電理由は「調査中」ではなく、「発電量不足」と表示しなくてはいけない。すぐ代替発電量を確保できるなら「発電量確保中」でもよい。
東電は 停電理由に 嘘はいけない
正確に 発表すれば 正しい議論

停電確率から、送電料金の割引をすべきだ。わずかな金額でよい。公平が大切だ。或いはスマートメーターの遮断機能を活用し料金を割り引く方法もある。さういふ議論を促進するためにも、情報は正確さが必要だ。

二月十八日(木)
女性自身のホームページに
東京から出る人急増!関東圏の住みやすい“トカイナカ”は?

と云ふ記事が載った。
われわれの働き方を一変させた新型コロナウイルス。その影響で、家賃が高く、人も多い都心部を去って、いわゆる「トカイナカ」と呼ばれる郊外の市町村に引っ越す人が増えているというーー。

記事は、第一位が千葉県木更津市、第二位が神奈川県鎌倉市、以下は東京都立川市、神奈川県横須賀市と続く。このうち立川市は他の三つと比べて都心に近すぎる。立川市の周辺は不便なところもあるので、統計値だと立川市まで影響を受けるのではないだらうか。鎌倉は貴重な観光地なので、とかいなかになっては困る。
とかいなか 都会近くは 単に郊外
首都圏の 近くに作るは 有害無益
木更津と 横須賀ならば 許容範囲か
(終) 

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