千五百十七 (和歌)多人数より、正しい政治・国民のためになる政治を(ミャンマー問題)
庚子西暦元日後(2021)
閏十二月二日(火)(2021.2.2)
ミャンマーで軍部がスーチーさんなどを拘束し、権力を把握した。スーチーさんはこれまで国民のためによい政治を行なってきた。引退後に、大統領名称を追贈することに、軍部は賛成するくらいの度量を示すべきだと思ってきたので、残念だった。 とは云へ、軍部は突然クーデターを行なったのではない。昨年十一月の選挙は不正だから、票を数へ直すやう要求した。政権側がそれを受け入れないので、法律を守らない人に対しては、憲法も守らない、と主張してきた。日本では多くの言論人が軍部を批判するが、軍部の主張を熟知した上でのことだらうか。 昨年の選挙時に不正があったことは、日本でも報道された。政権を取った側が不正を行ふのは、軍政も民政も同じだとする報道もあった。
日本では 欧米のことを
批判せず アジアのことを
欧米の 立場で批判
する人が ゐるので主張に 注意をしよう


閏十二月三日(水)
日本の言論人には、欧米の代弁者みたいな人がゐる。JBPressのホームページに載った
政変ミャンマー、記者が見たスー・チーの虚像と素顔

と云ふ記事によると、今回の軍政復活について
実は私は、いつかこの日が来るのではないかと案じていた。それは、ミャンマーの最高権力者であるスー・チー女史の政治手腕に、疑問を抱いていたからだ。
(中略)
彼女はポツリと、こんな話もした。
「今回バンコクへ来るのに、20数年ぶりに飛行機に乗ったでしょう。席の前に取り付けられていたポータブル機器のコントローラーの使い方が分からなくて、機内のスタッフが教えてくれたの。世の中は複雑になったものだと思ったわ。
1980年代にバンコクを訪れた時は、ヤンゴンと変わらないイメージだったけど、今回久しぶりに来て、あまりの発展ぶりに愕然とした」
ランチには豪華なフランス料理のフルコースが饗されたが、彼女は目の前に置かれた皿を、物珍しそうに観察するばかりで、一向に口をつけなかった。パンの切れ端を少し齧(かじ)り、前菜のサラダを少し食べただけ。デザートにライチのシャーベットが出た時だけは、少女のように喜々として食べていた。

地球破壊と引き換へに贅沢をする西洋文明に毒された男が、さうではないスーチーさんを蔑んだ目で見る。文章からは、そんな光景しか想像できない。

閏十二月四日(木)
軍部は軍事に専念し、政治は政治家に任せたほうがうまくいく。世界の多くはその方法を採用する。ミャンマーの軍政時代は、デモ隊との衝突で犠牲者が出たり、お寺に乱入して比丘を逮捕するなど、混乱したことがあった。
だから、軍政は混乱期のみに留めて、早く民政に戻してほしい。
軍人が 政治をやって ほとんどが うまくいかない 特に現役
(長歌) 原爆で 人類史上
最悪の マッカーサーは
解任後 大統領を
目指したが 支持集まらず 冷遇された
(仏足石歌) アメリカで アイゼンハワーは 珍しく 成功をした 軍出身者 だが退役後

閏十二月五日(金)
在日ミャンマー人が、日本の外務省の前で抗議集会を開いたテレビニュースに対し、日本人から次のやうな投稿が寄せられてゐる。匿名ではなくハンドルネームが公開されるから、無責任な投稿はないと信じたい。しかし欧米の影響でスーチーさんは不十分とする批判が根底にある。話の流れと無関係な三つを除き、最新八つを紹介すると

1>勝手に密作ってんじゃねえよ

2>ちょっとスーチーに幻想抱きすぎじゃないかね?
それまでの情勢がひどすぎたのかもしれないが

3>軍の裏に中共がーって言うけどスーチーもがっつり親中の虫だから

4>別にやるのは自由だが日本でやっても意味ないだろ
つーか集まんな、コロナをわすれてんのか

5>協力を要請するなら、なぜスーチーが不正をやってないと言い切れるのか説明ぐらいはしないと何も理解できない、共感しない。欧米の指図でやってませんか?

6>他所様の国の外務省は関係ないやろ。
訴えは中国大使館の前でどうぞ。
足並み揃わない原因はだいたいあの国だから。

7>TVで放送するなら逆が正しい

8>日本でなぜスーチーが人気ないか、まず勉強しないと。
日本人は米国の犬の政党で長年苦しんできた。欧米と癒着のスーチーは感覚的に支持されない。

スーチーさんはロヒンギャ問題で欧米から批判されたことがマスコミで報道され、中国と友好関係を保つことをマスコミに報道される。ロヒンギャ問題では、欧米の主張だけが日本では報道されて、ミャンマー側の主張は報道されない。マスコミの偏りに影響し、スーチーさんに冷たい投稿傾向になった。
ほとんどはクーデター前の欧米がスーチーさんを批判した立場だが、5>と8>はハンドルネームが神社xxxxでこの二つは残り五つとは異なる。

閏十二月六日(土)
日本では、欧米のすることは変でも(地球温暖化、同性婚、死刑廃止、アメリカの生物兵器を理由としたイラク攻撃)、それを称賛し、中国のすることは批判し、他のアジア国は蔑んだ目で見る。それでは戦前の日本と変はらない。
戦前の日本は、軍隊をフランス式にするかドイツ式にするか、イギリスと日英同盟を結ぶかドイツイタリアと三国同盟を結ぶか、など欧米称賛の範疇を出なかった。
猿真似の悪いところは、原本より劣化する。欧米の多数決は、国民のためと云ふ根本原理がある。日本の猿真似多数決は、根本原理が無い。多数に付和雷同し自分たちが有利になるやうすることだけだ。
欧米の場合は、多数決が国民のためにならないと判ると、ゼネストなり実力でそれをひっくり返す意識がある。アメリカは、憲法にそのことを書いてある。
多数決 目的ではない 手段にすぎぬ

日本の輿論がミャンマーに対し云ふべきは、ミャンマー国民のための政治をしてほしいと云ふことだ。欧米は、自分たちの経済を世界に押し付ける目的があるから、多数決を称賛する。その流れに乗ってはいけない。
とは云へ、軍事政権が国民のためにならないことは、過去の例から明らかだ。ここは、早く民政に戻すとともに、スーチーさんを釈放してほしい。(終)

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