千四百七十六 JR東日本の不都合な点
庚子(仏歴2563/64年、西暦2020、ヒジュラ歴1441/42年)
十月一日(木)
JR東日本で一番不満なのは、なぜ駅の通路は暑いのか。ホームで開放空間のところは仕方がない。地下や階上で閉じた空間は、冷房を入れるべきだ。今は10月だからよいが、今まで大変だった。
大都市は大黒字だ。だから冷房くらいは設置すべきだが、地方線が赤字だからできないと云ふかも知れない。大都市の黒字を地方に回しても、長期の解決にはならない。
地方の維持は政府の責任だ。鉄道会社が安直に黒字を地方に移転しても、長期では対策を遅らせる。
十月二日(金)
JR東日本は、競争相手が私鉄、地下鉄、高速バスなど僅かしかない。今後は、在宅勤務も競争相手に加はるから、これは良いことだ。
とは云へ、在宅勤務の影響が現れるのはまだ先で、それまでは経費節減など安易な方法を取るから、乗客にとって短期では今より悪くなる。
悪いことを幾つか指摘したい。先日の朝に出勤のため京浜東北線に乗ると、10分ほどして根岸線内で信号点検をしてゐるため、遅れるかも知れない。上野東京ライン、湘南新宿ライン、埼京線に乗り換へてほしいと放送があった。
放送前半の内容から、遅れるかも知れないが大したことはなく、このまま乗ってゐようと多くの人が思ふだらう。
放送後半は、乗り換へを勧めるものの、前半で大したことは無いと思ふから、多くの人は乗り換へない。私は新宿に行くから乗り換へたが、ホームを見渡すといつもと人数は変らなかった。つまり放送を聴いて乗り換へる人は、ほとんどゐなかった。
会社に着いてから、遅延情報を見て驚いた。京浜東北線は、1時間前から桜木町で折り返してゐる。放送だと、五分か十分くらい前に信号点検を始めてすぐ終りさうだと、多くの人が思ってしまふ。信号点検は一時間前で、桜木町から先は運転を取りやめてゐることを伝へれば、多くの人が乗り換へただらう。
十月三日(土)
「はやぶさ」と「こまち」は盛岡まで併結する。大宮駅の電光掲示板は「はやぶさ」「こまち」の発車時刻などを表示し、その右に「はやぶさ」全車指定席、と表示する。
あれ「こまち」は全車指定席ではないのかと見続けると、暫くして「こまち」全車指定席と表示が換はった。この瞬間で見始めた人は、「こまち」だけが全車指定席だと思ってしまふ。
JR東日本は、電光掲示板を乗客が長時間見続けると思ってゐるらしい。似た例に台風が近づくと、「明日はXX線の運転を見合はせることがあります、明日はYY線の運転を見合はせることがあります、・・・」と延々と文字が続くことがある。最初だけ見た人はYY線やその他の線は見合はせないと勘違ひすることがある。ちらっと見ただけでも他の線も同じことが判るやう文面を考慮すべきだ。
JR東日本ホテルメッツ八戸に宿泊した。ここは従業員の教育も行き届いた立派なホテルだ。尤もさう感じたのは朝食のレストランで、ここはJR東日本ではない。朝食にここのレストランを設定した企画と、レストランへの指導が優れる。
ホテルは、鉄道事業とは異なる。競合相手が多いからだ。だから例へJR東であっても、サービス向上などに努力しなくては、競合に勝てない。JR東日本がホテルを経営するのは良いことだ。鉄道の要員と、ときどき交換するとよい。
十月四日(日)
赤森駅(仮名)西口の改札はよくない。私が「少し外を見るだけですので」と言って切符を見せて(フリー切符だから何回でも乗れる)外に出た。改札係が返事をしないが、これは構はない。問題なのは時刻表をすごい音を立てながらめくり続ける。乗客が目の前にゐるのにあんな大きな音を出し続けてはいけない。赤森駅は工事中で、改札内に便所が閉鎖された。代はりに東西の改札外に便所がある。だから改札に張り付くのだらうが、暇だからと言ってあんなことをしてゐてはいけない。
それに比べて、この駅が始発のリゾート列車の清掃係は優秀だ。到着のあと、降りた二人連れの年配客に訊かれてきちんと答へた。二人が並んでシャッターを押す役目も引き受けた。
このあとリゾート列車の折り返しに私も乗ったのだが、乗務員、売店の販売員とも優秀だった。
十月五日(月)
在来線特急の男子便所はよくない。どの特急列車も、小便器の周りの床が、尿でびしょびしょだ。車輛の左右動が原因だが、改善は簡単だ。小便器の上にある手すりを握ればよい。そのことを掲示すればよい。JRは、こんな簡単なことも今まで気付かなかったのか。
昨日の赤森駅(仮名)で、もう一つ気付いたことがある。年配の夫婦がみどりの窓口のVIEWカードATMの電話で呼び出すがなかなか担当者が出ない、とみどりの窓口に申し出があった。みどりの窓口は「VIEWカードATMで操作するしかないのですが」と答へ、老夫婦は再度試し、応答があって無事解決したやうだった。
この場合、みどりの窓口は「少し待てば応答しますので、もう一度試してください」と答へるとよい。「VIEWカードATMで操作するしかないのですが」と意味は同じだが、受ける印象が、まるで異なる。
十月六日(火)
青森と新青森の間は、特急券や指定券なしで、特急や全車指定席快速リゾートしらかみに乗車することができる。ここで一つ問題がある。新型コロナウィルスに感染した人が、青森から新青森まで乗車したらどうなるか。ひじ掛けやテーブルに触り下車する。新青森から乗車した人が触り、感染することがある。
私の指定券は新青森から秋田までだが、これを防ぐため青森から乗った。新青森からの指定券で青森から乗っていいのか、と云ふ心配は無用だ。青森と新青森の間は、指定券なしで乗車できる。
指定券の話がまだある。今回は複雑な話だから、興味のない人は読み飛ばしてほしい。色も変更した。
上越妙高駅で、上田から大宮までの指定席を取った。そのときうっかり間違へて、上越妙高から大宮までを取ってしまった。
そのときは気付かず、後で気付いたものの、上田は上越妙高より先だから、このままの切符で上田から乗車しても、普通は問題がない。将来は判らない。電算処理で乗車しない座席指定は無効にして別の乗客を入れてしまふかも知れない。
それより問題なのは、上田で発車時刻前に列車変更をしようと思っても、上越妙高の発車時刻より後だとできなくなる。列車変更は一回しかできないから、今変更するとどっちみち変更はできない。
しかし、今回は大人の休日倶楽部パスで無関係だが、お金を出して特急券を買ったときは、上越妙高の発車時刻より後だと特急券が無駄になる。上田に変更しておけば、払ひ戻し手数料は掛かるものの特急券は無駄にならない。そもそも特急料金が上越妙高からだと高い。
そこまで考へて、指定券券売機で変更しようとしたが最後の段階で、変更できないと表示が出る。大人の休日倶楽部パスも入れないと駄目かと二枚同時に入れても駄目だ。
みどりの窓口で、無事変更してもらった。指定席券売機は、一枚づつ入れないと駄目なのかも知れないが、さう云ふ表示はでなかった。これはJR東日本の改善点だ。
以上はそのとき思ったことだが補足すると、発車時刻を過ぎても自由席特急券としては使用できる。但し最近は全車指定の特急が多い。全車指定の特急を増やしてはいけないこともJR東日本の改善点だ。
まだある。旅行出発前の話だ。往路の特急券を取るときも指定席券売機で、座席の位置を窓側で取らうとしたら、取れたかどうか不明のままで切符が戻って来る。もう一回試したが同じだった。大人の休日倶楽部パスは六回まで座席指定できるが、これで二回分消費したのではと心配になるくらいだった。みどりの窓口に事情を説明すると、通路側で取れた。つまりこの場合は、席の希望を変へれば取れるのに、何の説明もなく、切符だけが戻って来る。
十月九日(金)
昨日の朝は、新宿駅で線路に人が立ち入ったため、埼京線が遅れた。京浜東北線の車内放送では、順次発車を見合はせてゐるさうだ。おそらく10分ほどで解決し順次運転を再開するだらうと、埼京線のホームに行くと動く気配がない。
そのため東北線のホームに行って、乗り継いで無事に会社までたどり着いた。一時間ほどしてからJR東日本の遅延情報の履歴を見ると、運転見合はせはなかった。遅れと一部列車の運休だけだ。数時間後に発表された遅延証明書は「60分以上」だ。
これは乗客の感覚と大きく異なる。昨日朝の事件は、どう見ても運転見合はせだ。あれをあのとき一部列車遅れと発表するから、スマホなどで見た乗客が振り替へ輸送を使はず、通常のつもりで駅に来る。
発生したのは朝の6時55分くらいでピーク前だ。混雑はそれほどひどくはならないだらう。なぜ60分以上遅れたのか不思議だ。
十月十二日(月)
東海道線の平塚駅と茅ヶ崎駅の間で、人身事故が発生した。東海道線の運休は仕方ないが、東北線や高崎線の上野と東京の間を運休にしてはいけない。東京駅の折り返しホームが少ないなら品川まで行ってもよい。そもそも東海道線も、大船と東京の間を運休にする必要はなかった。
乗降者数を考へれば、乗務員の交代は上野ではなく、東京で行ふべきだ。非常時は品川まで乗務する方法もある。(終)
追記十月十六日(金)
青森と新青森の間は特急券や指定券なしで乗れることについて、そもそも終着駅でひじ掛けやテーブル、扉の取っ手を消毒する訳ではないと云ふ反論があることだらう。
本来は、終着駅で消毒すべきだ。それが出来ないなら、まづ接触による新型コロナ感染の確率を計算すべきだが、計算の簡易法としてウィルスの死滅率を考へる方法がある。
ウィルスの死滅速度を時系列のグラフにすると、最初は高く時間の経過とともに下がる(双曲線)か、時間の経過とともに一旦上がってから下がる(上が閉じた放物線)のどちらかになると思ふ。しかしインターネットで調べても判らない。
後者になる理由が見あたらないし、後者だとしても手や洋服に付着したウィルスは、列車に乗るまでに時間が経過するから、手から付着したウィルスは、最初急速に減少し、時間の経過とともに減少量が少なくなると考へられる。
つまり放射性物質の半減期と同じで、仮に半減期が30分だとすると、30分後には半分、1時間後には1/4に減少する。つまり終着駅で折り返しの清掃や発車時刻までの空き時間で、ウィルスはかなり減少すると推定できる。
一方、新青森で前の人が下車すると同時に乗車した人は、わずかな時間だから感染する確率が高い。
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