千四百四十 読む価値のない単語、読む価値のない記事
庚子(仏歴2563/64年、西暦2020、ヒジュラ歴1441/42年)
六月五日(金)断捨離
読む価値のない単語、読む価値のない記事が、世間にはたくさんある。これらは印刷すれば資源の無駄だし、読む人がゐれば時間の無駄だ。地球温暖化で大量の生物が滅びる時に、こんな無駄をしてはいけない。

まづは「断捨離」と云ふ単語だ。漢字の熟語には「起承転結」など動的な意味がある。「断捨離」は同じ種類の漢字を三つ並べただけだ。動的な意味がない。
「起承転結」は途中で逆転が起こる。それは無くてもよい。「大中小」は逆転がなく一方向だが、何の問題もない。それに比べて「断捨離」は動的ではない。静的な関連性もない。

六月六日(土)海外の状況
ニューヨークで都市封鎖が始まった直後に、ニューヨーク市内在住の日本人の手記が、或るサイトに載った。一ヶ月半も前のことなので、どのサイトに載ったのかと、どんな内容だったかは、覚えてゐない。しかし、ニューヨークでは、日本で報道されてゐる内容と異なり、街は平穏で、普通に生活してゐると書いてあった。
この現実と乖離した内容と、日本の読者に無益な情報は、在住日本人に記事を書くやう依頼した日本国内の編集部が悪い。ニューヨークで商店や観光業に従事する人は、生活が大変だ。依頼された人がどう云ふ職業なのか不明だが、マスコミの海外支局なら気楽なものだ。
諸悪の根源は、欧米に在住する日本人は国内より偉いと考へてしまふ編集部の無能だ。

六月七日(日)「オーストラリア在住のXX氏が日本人に警鐘」は思ひあがった題だ
早速、ABEMA TIMESに
「無意識の言動が人種差別につながっていることもある」オーストラリア在住のXX(原文では実名)氏が日本人に警鐘

と云ふ記事が載った。国内に住む日本人を見下した、嫌な響きの題だ。
XX氏は(中略)日本には人種差別が無くて良かったと思う人がいるかもしれないが、外国の方、異なる人種の人はいる。差別しているつもりがなくても、(中略)言われた側が差別されたと感じることはある。

問題のある部分を赤色にした。人種差別が無くて良かったと思ふ人がゐるかどうかは、本質とは無関係の問題だ。我々が気を付けなくてはいけないのは、他人が人種問題で嫌な感情を持たないやうにすることだ。
私はオーストラリアに住んでいるが、アジア人が少ない地域では、すぐにコロナウイルスを持っている中国人だと全く悪気なく決めつけてしまう人も中にはいる。(中略)人種差別は苛烈な暴力やひどい差別だけではなく、自分と違う人に対して無意識にしてしまうことの積み重ねによっても追い詰めてしまうということを、日本にいる人も知っておいた方がいいと思う」と警鐘を鳴らした。

「私はオーストラリアに住んでいるが」「日本にいる人も知っておいた方がいいと思う」の二語に、日本に住む日本人を見下す気持ちが溢れる。
最初の「日本には人種差別が無くて良かったと思う人がいるかもしれないが」で、もう一つ重大な問題がある。アメリカに人種差別がある理由は、先住民を追ひ出したからだ。更に黒人を奴隷として連れてきた歴史が重なる。
オーストラリアにアジア人の少ない地域があり、そこでは無意識のうちに差別されることがあるのは、白豪主義が廃止されて、それほど長い年月を経過してゐないためだ。白豪主義が廃止されたのは、私が十六歳のときだから、今でもオーストラリアと聞いて一番最初に思ひ浮かべることは、白豪主義だ。
そもそも地球温暖化の防止と、地球は人類だけのものではないから、移民の国はあってはならない。移民を直ちに停止するとともに、残存する人口は本人たちと受け入れ国の希望を突き合はせ、伝統国が少しづづ引き取るべきだ。

六月九日(火)人種問題の本質を誤魔化す
人種問題は、白人が有色人種を見下すことだ。もちろん有色人種が白人を見下す人種差別も、理論的にはあり得る。しかしそんな事例は聞いたことがない。
この記事は、人種差別の本質を誤魔化し、日本の問題にすり替へる実に悪質な内容だ。もちろん日本国内で、外国出身者に対する差別はあってはならないが、それは今回の問題とは別に論じるべきだ。(終)

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