千四百三十五(モリカケ疑獄百九十四) K型と集団免疫説を論評
庚子(仏歴2563/64年、西暦2020、ヒジュラ歴1441/42年)
五月十一日(月)
夕刊フジの電子版に
新型コロナ、日本人の低死亡率に新仮説…すでに“集団免疫”が確立されている!? 識者「入国制限の遅れが結果的に奏功か」

が載った。それによると
京都大学大学院医学研究科の上久保靖彦特定教授と、吉備国際大学(岡山県)の高橋淳教授らの研究グループが「日本ではすでに新型コロナウイルスに対する集団免疫が確立されている」という仮説を発表して注目されている。感染力や毒性の異なる3つの型のウイルス(S型とK型、G型)の拡散時期が重症化に影響したといい、日本は入国制限が遅れたことが結果的に奏功したというのだ。

具体的には
新型コロナウイルスに感染した場合、インフルエンザに感染しないという「ウイルス干渉」に着目。インフルエンザの流行カーブの分析で、通常では感知されない「S型」と「K型」の新型コロナウイルス感染の検出に成功した。「S型やK型は感知されないまま世界に拡大した。S型は昨年10~12月の時点で広がり、K型が日本に侵入したピークは今年1月13日の週」だという。やや遅れて中国・武漢発の「G型」と、上海で変異して欧米に広がったG型が拡散した。

「S型」と「K型」は、通常では感知できない。インフルエンザの流行カーブから立てた仮説だ。
集団感染が最初に深刻化した武漢市が封鎖されたのは1月23日。その後の各国の対応が命運を分けた。イタリアは2月1日、中国との直行便を停止。米国は同2日、14日以内に中国に滞在した外国人の入国を認めない措置を実施した。
これに対し、日本が発行済み査証(ビザ)の効力を停止し、全面的な入国制限を強化したのは3月9日だった。旧正月「春節」を含む昨年11月~今年2月末の間に184万人以上の中国人が来日したとの推計もある。

その結果
ここで集団免疫に大きな役割を果たしたのがK型だった。上久保氏はこう解説する。
「日本では3月9日までの期間にK型が広がり、集団免疫を獲得することができた。一方、早い段階で入国制限を実施した欧米ではK型の流行を防いでしまった」

実際は更に複雑で、S型が広まったあとK型が入らずG型が入ると重症化が進むと云ふ。専門家の云ふことだから、新型コロナウイルスのインフルエンザに対するウイルス干渉があるのなら、この仮説は正しいのだらう。

五月十二日(火)
一つ検証すべき問題がある。日本だけが拡大しないのなら、この記事でよい。東アジアと東南アジアも拡大しなかったのだから、これらの国々で入国制限をした時期を精査する必要がある。
安倍が入国制限を遅らせたことは、失敗であり成功ではない。この記事でも
日本で4月に入って感染者数が急増したことについても説明がつくと上久保氏は語る。「3月20~22日の3連休などで油断した時期に欧米からG型が侵入し、4月上旬までの第2波を生んだと考えられる」

だからといって
上久保氏は「日本の入国制限の遅れを問題視する声もあったが、結果的には早期に制限をかけず、ワクチンと同様の働きをする弱いウイルスを入れておく期間も必要だったといえる」と総括した。

これは偶々さうなっただけで、安倍を称賛してはいけない。判りやすい例を挙げると、超大型の台風が来ると云ふのに、多くの市町村が首相官邸の経産省寄り政策に忖度して休業勧告と避難勧告を出さなかったとする。たまたまその直後に大地震があり、避難勧告を出した少数の市町村は避難場所の倒壊で多くの犠牲者を出した。
この場合、避難勧告を出さなかった市町村を称賛してはいけない。地震の犠牲者は少なかったとしてもそれは偶然だし、その直後に来た台風で犠牲者が出た。
今回はそれと同じで偶然だ。たまたまS型が広まったところで、欧米は入国制限をした。

五月十四日(木)
韓国に対し即座に入国を制限したのに、イタリアやアメリカからが遅れたためG型が広まり、3月末から5月末までの大混乱が起きた。そのため困窮や減収の人が続出し、今でも大変なことになってゐる。
騙されてはいけない。K型が日本に入ったのは、中国からの入国制限が遅れたからで、それは国家主席習近平さんの来日が予定されてゐたためだ。安倍にとり怪我の功名でさへない。
古いニュースに戻ると、専門家会議は
「第1波の中国・武漢からの感染者数とは桁外れの感染者が今後、入国してくる。1~2週間以内に入国者を起点とするクラスターが形成される可能性が高い」と文書で警告していた。(中略)3月26日からの1週間で159人の感染者が発生する、と試算。しかし、実際は29日までの4日間だけで約1.8倍の218人に達した。
(安倍の怠慢へ)
このときの怠慢が原因で、3月末から5月末までの大混乱が起きた。安倍の責任だ。

五月十五日(金)
韓国からはすぐ入国制限するのに、イタリアや特にアメリカからはいつまでも入国制限をしない。安倍政権の西洋崇拝ぶりには呆れるが、これと同じことがWHOに対しても云へる。
事務局長が白人だったなら、日本の体制側マスコミは黙って従っただらう。事務局長がエチオピア人だから、パンデミック宣言が遅れただとか、中国寄りだとかと、批判を続ける。アメリカが反WHOだから、その猿真似をしたと云ふ事情もある。
安倍はマスコミに圧力を掛けてきた(言論に圧力を掛ける安倍と取り巻きへ)。検事定年問題もある。森友学園前理事長の長期拘束や、元文部科学事務次官前川さんの個人情報流出もあった。やることが、岸信介が大臣を務めた東條内閣に似てきた。

五月十六日(土)
ロシアやインドで感染者が増加してゐる。K型が広まる時間は十分にあったから、S型K型G型説は仮説に留まる。
日本国内の欧米人に感染が広まったと云ふ話は聞かないから、遺伝要素は少ないやうだ。しかし、国内の欧米人は、肥満が少ないから、食事の影響はあるのだらう。
緊急事態宣言が、39県で解除された。そもそも全国に出す必要があったのか。全国一斉休校と、二週間が勝負だと言ったことと併せて、この三つは十分に検証しなくてはならない。(終)

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