百三十六、元「自民、社会、民社の三党」対「悪魔の思想リベラル」(その二)

九月七日(火)「WILLと朝日新聞」
WILLという月刊誌はよくない。拝米一辺倒である。そのWILLに小林よしのり氏が載るようになった。内容は反米ではなかった。WILLが小林氏の取り込みを狙っているのだろうと感じた。今月号は西部氏が載った。内容は反米だった。WILLも多少は反米を載せるように編集方針を変更したのかも知れないし、長期的に西部氏の取り込みを狙って今回の記事には目をつぶったのかも知れない。

そのWILLに何と朝日新聞の船橋洋一の講演会の宣伝が載った。世間ではWILLは保守、朝日新聞はリベラルと思われているから意外であろう。しかし本来は意外でも何でもない。アメリカには歴史がないから保守は存在しない。その保守を真似するから日本の自称保守は変になるし、アメリカのリベラルは偽善だからそれを真似するリベラルも変になる。アメリカは地球の癌細胞である。癌細胞の中の保守部分を真似してもリベラル部分を真似しても有害なことには変わりはない。
船橋洋一を駐米大使にという噂が一時流れた。外務省の巻き返しで実現の可能性は低くなったという記事が先月別の雑誌に載った。しかし朝日新聞は船橋の定年を一年延長し機会をまだ狙っているらしい。社会保険庁元長官をスウェーデン大使に閣議決定したことは、大使の任命権を政権維持の道具にするつもりなのであろう。大使とはその国と利害のぶつかる最前線である。アメリカの政府系シンクタンクと関係し英語公用語を叫ぶ男を大使にしたら日本の国恥である。

九月八日(水)「失われる十年」
鳩山政権が誕生したときに、官僚、新聞、アメリカが一体となって潰しにかかったことは記憶に新しい。ところがその次の菅氏はすっかり守旧勢力に飼いならされ、これなら大丈夫だというわけで、大手新聞がさかんに菅氏援護の記事を書き立てている。

今回の代表選は守旧派と改革派の争いである。官僚、新聞、安保条約利権グループの守旧派をこのまま存続させたら、日本は再び失われた十年となろう。

九月九日(木)「ファ紙ズム」
日本の新聞はファシズムである。鳩山政権誕生の後にまず偏向記事があふれ、新聞とテレビ局が同系列なことを批判する民主党国会議員もいた。まったく同感である。ところが菅政権が誕生し消費税増税発言をするや菅氏に呼応して財政危機だと煽る記事が相次いだ。そして代表選に小沢氏が立候補するや小沢氏を批判する記事が相次いでいる。
先日都立高校でプールの水道代五百十万円分を無駄にしたという記事が載った。普通の読者は本来の水道代は十万円程度なのに五百十万円も無駄にしたと思ってしまう。紙面をよく読むと昨年は二百五十二万円なので約二倍の水を無駄にしたことになる。今年の猛暑は異常だから五割を余分に使うとすれば無駄は各紙が一斉に騒ぐほど大きくはない。
日本の新聞は国民を扇動するファ紙ズムである。全国紙が少ない上にテレビ局を系列に持ち、地方紙も各県に一つである。小沢政権誕生の後は新聞社を分割するか新規参入させるべきであろう。菅政権が続く場合もリベラルではないことを示すために実行すべきだ。自由経済だと叫ぶことこそ典型的なリベラルなのだから。自由経済ではマスコミは市場にまかせればいいことになる。

九月十日(金)「菅直人は首相の器ではない」
昨日の読売新聞に次の記事が載った。 菅直人はやはり首相の器ではない。消費税発言があれほど国民の反発を受けた理由は、法人税引き下げといっしょだったからだ。法人税を引き下げるカネがあるなら消費税を上げる必要はない。まず議員の三人の公設秘書経費や月百万円の文書通信交通滞在費を廃止すべきだ。法人税は下げるのではなく上げるべきだ。その上で足りないのなら国民も納得しよう。
法人税引き下げはよくない。会社経営で大変なことは赤字にならないようにすることだ。そこを政府は支援すべきで黒字企業の優遇はよくない。だいたい利益の高い企業を退職した人が口をそろえて言うには、悪どくないと出世できない、ということだ。法人税を下げると悪どい人間が増える。
二番目の問題点は、法人税引き下げが国民に広く還元しないことだ。非正規と下請けを使ったほうが儲かると世の中はますます悪くなる。
法人税は引き上げるべきだ。一方で赤字企業が少なくなる政策を立てるべきだ。しかし補助金なしで存続できない企業は転業させるべきだ。リベラルは欧米の猿真似だから菅はこのような過ちを犯す。

九月十一日(土)「官僚、アメリカ、財界から国民を守れ」
社会党崩壊後の政治家の役割とは何だろうか。それは国民を官僚の怠慢、アメリカの圧力、財界のごり押しから守ることである。だから国会議員は護民官と改称したほうがいい。総理大臣と各省大臣も総理護民官、各省護民官と改称したらどうか。

ここで、「イギリスではピューリタン革命のときにロードプロテクターという最高権力職が作られ、日本語では護国卿あるいは護民卿と訳される」と物識り顔で言ってはいけない。そういう欧米猿真似の態度がリベラルを生み、日本を駄目にした。

それにしても菅直人は、官僚とアメリカと財界の言いなりではないか。国民を収奪対象としか見ていない。奪民官である。

九月十二日(日)「永田町猿軍団」
朝鮮半島の併合について菅直人が反省を表明したが、あれはよくない。まず反省をしてもご本人はまったく痛まない。反省の証として首相を辞任するだとか就任以来の首相の給料を寄付しますくらい言ったらどうか。反省のふりなら猿でもできる。

二番目に欧米列強の猿真似をしたことを反省するのならよいが、そうではないから帝国主義肯定論者である。

三番目にむやみに反省すると余計に関係が悪化する。例えば百年前に隣の商店で火災が起き当店も延焼したとする。その後、両店とも再興し繁盛しているとする。ところが隣の商店の店主が替わるごとに反省やら謝罪を述べると関係は逆に悪化する。国の関係も同じである。例えば夕食を御馳走になったとする。そのときお礼を言うのは普通だが、翌朝更にお礼を言うと、昨日のことなのになぜ今日も言うのだ、と逆に不審がられることもある。国によって習慣は異なる。どうすれば親善が深まるかは各国を担当する外務省の専門官が助言すべきだ。専門官で足りなければ現地の人を雇ってもよい。
四番目に「民主主義や自由、市場経済といった価値を共有」という言葉に、日本は欧米側だという戦前の脱亜入欧の優越感が現れている。専制君主がいるときに民主主義や自由を叫ぶことは必要である。しかし日本や韓国にはいないのに叫んでも意味がない。

五番目に市場経済という言葉に新自由主義を感じる。法人税減税を主張していることでもわかる。菅の背後には仙石、枝野、前原という新自由主義者がいる。リベラルと新自由主義は同義語である。

九月十三日(月)「法人税引き下げは日本には合わない」
法人税を下げれば給料が増えると思ったら大間違いである。給料や経費を払ったあとの利益に法人税はかかるのだから、企業は給料や経費を削ろうと必死になる。それでいて儲かったカネはM&Aや海外に流れるから国内はますます不安定で不景気になる。失業率は上がる。法人税引き下げは日本には合わない。菅に政治をやらせたら昭和恐慌の再来となろう。

九月十四日(火)「昭和天皇を裏切った男」
代表選は管氏の勝利であった。あれだけ偏った報道をしつこく繰り返されたら、さすがの小沢氏も力が及ばない。しかし反撃はすぐ始められる。まず普天間問題と消費税、法人税減税で管内閣は崩壊する。次にマスコミの不公平な報道を徹底的に調査しよう。地球が滅びなければ、の話だが平成二十二年の民主党代表選の干渉は異常だったと後世言われることは間違いない。
その前に、昨日はまたも菅政権が醜態を演じた。岡田外相がフィリピンで捕虜になった元アメリカ兵に「日本政府を代表して心からおわびする」と謝罪した(各新聞)。これは重大である。昭和天皇はアジア各国に対してはすまなく思っていたが、欧米に対してはおわびをしなかった。欧米軍がアジアに居座るようになった裏側でどれだけのアジア人が犠牲になったか。アジアで植民地ではないのは日本と中国とタイだけで、それ以外はすべて植民地であった。そして中国も列強によって虫食い状態であった。外務大臣なのだから外務省を代表して口先だけのおわびならまだよい。リベラル派を代表してマスコミ受けとアメリカに媚びたパフォーマンスだと言うのなら真実だから更によい。しかし日本政府を代表して心からおわびをすることは許されない。



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