千三百四十三 慰安婦像撤去への抗議は、日韓親善の妨害だ
己亥、西暦2019、ヒジュラ歴1440/41年、紀元2679年、仏歴2562/63年
八月六日(火)
名古屋市内で、慰安婦像を展示し、名古屋市長がこれに苦言を呈し、展示者側が自主的に撤去した。報道を読む限り、名古屋市長の発言は正しい。その理由は、慰安婦像の展示は、日韓の親善を妨害する。
ここまでなら、この特集を組むことはしなかった。驚いたのは、慰安婦像を見たかったと云ふ横断幕を掲げて抗議する人たちだ。

八月七日(水)
愛知県知事が名古屋市長のことを、憲法違反だといふ。これは変だ。ヘイト発言は絶対に反対だ。同じやうに、日韓の親善を妨害する慰安婦像にも反対だ。憲法で言論の自由があっても、ヘイト発言は許されない。同じやうに、日韓の親善を妨害する慰安婦像も許されない。
慰安婦像については、個人や私的な団体が開催するならまだ許される。しかし国或いは愛知県の税金を使った催しに展示することは許されない。

八月八日(木)
芸術は、鑑賞する人の心を豊かにするものでなければいけない。大多数を不愉快にするものは、芸術ではない。多数を不愉快にして、自分たちだけほくそ笑む。悪質な展示だ。
週刊文春デジタルによると
8月3日(土)から8月5日(月)まで、緊急アンケートを実施。「『慰安婦』少女像の展示に賛成ですか? 反対ですか?」と読者に問うたところ、回答者の74.9%が「反対」と答えた。
3日間で810人からの回答があった。回答者の内訳は、男性が566人(69.8%)、女性が244人(30.1%)。13歳から88歳まで、幅広い年齢層が回答した。
(前略)「展示賛成」の意見は16.2%にとどまった。男女別に見ると、「展示反対」は男女ともにほぼ同数だったが、「展示賛成」の意見は、男性のほうが女性よりも5ポイント以上多かった。


八月九日(金)
その後、脅迫があり、催しは中止になった。ここで、文化庁から補助金を貰ふことが決定し(未配布)展示した問題と、脅迫や中止になった問題は、別の事件だ。脅迫事件があったからといって、文化庁から補助金を貰って展示する事件が免罪されるわけではない。
モリカケ疑獄百八十五にも書いたが、文科相と首相の責任は重大だ。

八月十日(土)
日本の野党と言論界は、米ソ冷戦が終結の後は異常状態になった。欧米が正しくアジアは劣ると云ふ奇妙な主張だ。だから今回の騒ぎは、日韓の親善に役立たないだけではなく有害だ。それなのにマスコミは、表現の自由だけを問題にする。
マスコミが同性婚、死刑廃止、民主主義で騒ぐのも、欧米の猿真似だから、国民の感情と大きく乖離する。大多数が不愉快に感じるのに、自分たちだけほくそ笑む。今回の一つ目の騒ぎ(文化庁補助金問題)と同じだ。

八月十一日(日)
マスコミの悪いことをまとめると、社会破壊と西洋猿真似。今回の慰安婦像問題も、補助金問題はそっちのけで、表現の自由を叫ぶことで、社会を破壊するとともに西洋は正しいと変な話になる。
第二次世界大戦のテレビドラマで、ノルマンジー上陸前にアイゼンハワーが部隊を視察し若い兵隊に声を掛けると、昨夜は慰安婦のところに行きました、と答へる場面がある。ヨーロッパもアジアも、慰安婦問題は戦争の裏面だ。
戦争は人間の感性に反するから慰安婦問題が出て来るとして、平和運動に役立てるなら大賛成だ。そして明治維新以降の日本が富国強兵に走ったのは西洋列強が、中国、日本、タイを除くアジアのすべてを植民地にしたことまで言及するなら、更に大賛成だ。(終)

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