千百十三(その三) 1.利き酒(丸眞正宗は美味い)、2.コンビニは地酒の販売を
平成三十戊戌
四月一日(日)日本酒の利き酒を始めた
地下鉄の200円土日券の有効期限が数日に迫ったため、先週の土曜は小山酒造の跡地に行った。そして丸眞正宗を購入した。飲んでみて、美味しいのかどうか判らなかった。その理由は、ここ15年くらいだらうか私は焼酎を飲むやうになった。
まづ日本酒はスーパーで一升の紙パックを買っても、飲み終はるのに日にちが掛かる。その間に気が抜けてしまふ。そのため焼酎にした。その後、五年ほど経過し健康のため焼酎を五倍に薄めて飲むことを始めた。味も悪くないし飲み量も控へ気味になる。この方法が最近まで続いた。
丸眞正宗は後がなく貴重だ。だから少しづつ飲むことにして、近所のスーパーで純米酒と銘打った安い酒を買った。これが予想に反して不味い。濁った味がする。酒の色が濁っているのではない。味が濁る。これが第一印象だった。
別の日に「白鶴まる」と云ふカップ酒を買ってみた。これも濁った味がする。今でも丸眞正宗があるから、少し飲むとすっきりした味がする。どうやら甘い酒は濁った感覚、辛口の酒はすっきりした味がするやうだ。「白鶴まる」には
豊かなうまさ
ふくらむ味わい

と書いてある。

四月一日(日)その二新小平で利き酒
新小平駅で降りて、セブンイレブンで「澤乃井 奥多摩湧水」のカップ酒を買った(詳細)。飲んだ印象は普通の味だった。帰宅後に、先日スーパーで買った純米酒を飲んでみると同じ味だ。残り少なくなった丸眞正宗を飲むと澄んだ味だ。最初に飲んだ酒が丸眞正宗だったので、それ以外は濁った味だと感じたが甘口なだけで、濁った訳ではないやうだ。
ファミリーマートとローソンに寄ってみた。買ふ訳ではなく多摩の地酒があるかどうかを調べるためだ。買はないことを悟られないやうに、店内ではかごを持ち日本酒売り場に行った。両店とも多摩の酒はなかった。
或いは最初に寄ったセブンイレブンが酒屋を転業したものかも知れない。新小平駅前には、もう一つセブンイレブンがあるのでここにも入ってみた。「澤乃井」のカップ酒はあった。多満自慢の純米酒の720mlの瓶もある。
ここでファミリーマートとローソンにお願ひがある。ぜひ地酒は置いてほしい。そして陳列のポスターに工夫し、来客者が興味を持つやうにしてほしい。

四月二日(月)すべてのセブンイレブンに地酒があるわけではない
神奈川県内のセブンイレブンに行ってみた。すると地酒がない。カップ酒は、ワンカップ大関のほかに八海山魚沼カップだけだ。神奈川県はいつから新潟県の属国になったのか、と云ひたくなる。過去に例が無い訳ではない。上杉謙信は関東管領に就任し鶴岡八幡宮を参拝した(新潟県の属国で思ひだしたのは、「このままでは新潟県は長野県の属国になる」と云ふホームページを見たことがある。当ホームページでそれを引用するときに、このままでは新潟県西部は長野県の属国になる、と変更した。おそらく糸魚川や上越市の話で、ガタガタ地方(山形県に近い新潟県の意味で、経済がガタガタと云ふ意味ではない)まで長野県の属国になるとは思へない)。
神奈川県内のセブンイレブンに地元の酒がないのは客に原因がある。置いても買はないのだらう。東京の多摩は地酒がある。よい地方である。

四月三日(火)その後の丸眞正宗と、小山酒造の本家
昨日、720ml瓶の僅かに残った分を飲み干した。濁った味がする。アルコール分が少し抜けたやうだ。アルコールが15%あると澄んだ味、14%だと濁った味に感じるのかも知れない。
昨夜、スーパーで小山本家酒造の「蔵そだち」紙パック1升で588円(税前)を購入した。日本酒を焼酎と比べて欠点は、焼酎のほうが安い。しかし588円なら私が普段購入する800円前後の焼酎と十分に対抗できる。ずいぶん安い焼酎を飲むのだなあと云はれさうだが、甲類乙類混合だから甲類みたいに味無しではなく、乙類みたいに臭ひが濃厚でもない。これを五倍に薄めると丁度よい。
小山本家酒造は小山酒造の本家で、埼玉県が全国日本酒生産量で6位あたりなのは、小山本家酒造があるためだ。しかし日本酒消費量は一人当たりで埼玉は40位くらいだから、あまり喜べない。

四月六日(金)懇親会で日本酒だけを飲んだ
一昨日は職場の懇親会で、立食パーティーがあった。今まではビール、ウィスキー、酎ハイ、ジンといろいろなものを順番に飲んだが、今回は日本酒だけを集中して飲んだ。氷の詰まった直径40cmほどのステンレス容器に、日本酒、赤白ワインと3本の瓶が入ってゐる。日本酒は和歌山の地酒「紀土」(きっど)720mlで「 春の薫風」とシールが貼ってある。
これが実に美味い。しかも税抜き1100円と美味しいにしては安い。私が1時間くらいの間に5回くらい立ち寄って三合くらい飲み、私以外にも一回少し飲む人がゐて、残りは0.5合だった。参加者百四十名で日本酒の3/4を一人で飲むのは新記録かもしれない。

四月八日(日)日本酒への感覚を変へた
私はこれまで、焼酎に価格で対抗できる日本酒を売り出すことで、販売量を伸ばすべきではないかと考へてきた。酒税法でアルコールが22度未満なので、醸造アルコールで22度ぎりぎりにして出荷し、飲む人は焼酎みたいに薄めて飲む方法だ。
しかし美味しい日本酒を飲んで感覚が変はった。美味しい日本酒を目立たたせることで、安価な日本酒もその評判を上げるべきだと。(完)

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