千八十二(その八十九) 1.もりかけ追及国会が開幕、2.小沢一郎さんの新年会挨拶は貴重だ
平成三十戊戌
一月二十二日(月)
多くの国民が不審に思ふことがある。韓国の前大統領朴槿恵さんは、大統領を解任されただけではなく逮捕された。朴槿恵さん以上に政治を私物化したお推男が、なぜ大臣に居座るのか。前にも紹介したが小沢一郎さんの新年会挨拶は貴重だ。

一月二十三日(火)
マスコミが数年に一回くらいの割合でやるよくない企画がある。かつての敵同士の子孫を登場させ和解させる。あれは実によくない。
例へば明智光秀の子孫と豊臣秀吉の子孫は、敵でも何でもない。たまたま先祖が山崎の合戦で戦っただけで、織田信長への複雑な感情は明智も豊臣もそれほど変はらない。そもそも子孫同士が敵のはずはない。
それなのに山口県の馬鹿な男が同じことをやった。会津の白虎隊を持ち出したのだ。

一月二十四日(水)
百五十年前、明治という時代が始まったその瞬間を、山川健次郎は、政府軍と戦う白虎隊の一員として、迎えました。(中略)東京帝国大学の総長に登用された山川は、学生寮をつくるなど、貧しい家庭の若者たちに学問の道を開くことに力を入れました。女性の教育も重視し、日本人初の女性博士の誕生を後押ししました。
学生寮、日本人初の女性博士の誕生。これらは山川が行ったのかそれとも総長だったときにたまたま行なはれたのか。女性博士の誕生には入学から卒業まで多くの人が絡む。それらを無視して結果だけ述べたことを考へると、お推男は総長になったことを取り上げただけだ。そもそもほかの大学や学校でも、学生寮をつくったり女性の教育を重視した人はたくさんゐる。無能な人間は役職名にこだわる。

一月二十五日(木)
身分、生まれ、貧富の差にかかわらず、チャンスが与えられる。明治という新しい時代が育てた数多(あまた)の人材が、技術優位の欧米諸国が迫る「国難」とも呼ぶべき危機の中で、我が国が急速に近代化を遂げる原動力となりました。
新しい時代は二つの時期に分けられる。成立直後は、新しい世を創る熱意が権力争ひに打ち勝つ。しかしすぐに権力争ひ、利権争ひの時代になる。これは明治時代だけではなく江戸時代、鎌倉時代でも同じだ。
しかし明治時代は幕末のときから、坂本龍馬など最後は幕藩一体の政治を目指す人たちを、権力志向の薩長が打ち勝った構造だから、明治時代の最初から後者の勢ひが強かった。
明治政府の上層部を薩長と公家が独占したことは常識だ。それを「身分、生まれ、貧富の差にかかわらず」と云ひ切るお推男はとんでもない虚言壁だ。

一月二十六日(金)
薩長と会津の戦ひは過去のものだ。しかもお推男は昭和生まれだから無関係だ。それを今頃持ち出し、しかも勝利した側から会津に情けをかけてやったやうな言ひ方で、不見識も甚だしい。

ある自民党議員が、同じ質問が繰り返される時は人工知能ではじいてほしいと述べた。これは首相や大臣が正直に答へた場合の話だ。お推大臣は、獣医学部新設を知ったのが昨年の1月20日だと答へた。一昨年にお推補佐官と三人の大臣が動き回ってゐるのだから昨年の1月20日はあり得ない。
嘘には、繰り返し質問することで前回の答弁との矛盾を掘り出す。野党は真実が出てくるまで、どんどん同じ質問をしたほうがよい。それも「首相が本当のことを云はないので」と枕詞をつけるとよい。(完)

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