千五十五 1.高血糖の話、2.歩き過ぎで低血糖になったことが過去に三回ある
平成二十九丁酉年
十一月二十六日(日)
私は37歳のときに血液中の尿酸値が少し高くなったことを除いて、あとの数値は正常だった。ところが昨年の健康診断で空腹時の血糖値が基準を超えた。1ヶ月間の累積を示す値も僅かだが超過した。高尿酸血の件で二か月に一回内科で薬を処方してもらふが、健康診断の半年後に血糖値を再検査し、そのときは上限ぎりぎりで標準範囲内だったので、合格といふことになった。
私が昼休みに散歩をするのは、それが原因だ。誰でも食後は血糖値が上がるので、散歩で上昇を少しでも抑へることにした。

十二月一日(金)
食後は血糖値が上がる。だから食後の散歩をするのだが昨日あることに気が付いた。私は空腹時の血糖値が高いので食後も血糖値もそれなりに高くなるが、それは食後の急上昇が原因ではない。もともと高いのだ。急上昇の人は食後に運動を行ったほうがよい。
とは云へ、昼休みの散歩はその後も続けている。昼休みに事務所にゐるのはよくない。肉体労働の人が昼休みに屋内で休むのはよいことだ。一方で、事務所勤務の人が昼休みに事務所にゐても休憩にはならない。昔、富士通時代に技能職の人たちは昼休みに食事が終るとバットやグラブを持って近くの空き地に野球をしに行くのに、事技職は事務所でパソコンをやる。互ひに逆をやればよいのにと思ったことがある。「少年よ、大志を抱け」は古い。「事務所勤務者よ、昼休みは屋外に出よ」が正しい。

十二月二日(土)
私の高血糖値はここ二年間の問題で最近だが、過去に低血糖になった(と思はれる)ことが三回あった。一回目は五百三十一、歩き過ぎで体の具合は悪くなるかに詳しい。と云ふか二回目もここに載ってゐた。
ここに書かれた三回目は別の理由なので除外し、二回とも昼食を抜いて歩き続けたことが原因だった。北山本門寺近くのドラッグストアでスナック(おそらくポテトチップ)を買って食べ、バスで富士宮駅に出て身延線、東海道線の各駅停車で横浜まで乗る。食べてからかなりの時間が経過してもやはり低血糖にはなるらしい。
三回目は、先日のハノイ旅行で発生した。朝早くからハノイ市内をバスと徒歩で廻った。昼食を食べる時間が惜しいのと、バイキングのときは普通の1.5倍くらい食べて昼食を抜くのは、海外旅行では時間を節約するためよくやる方法だ。
とはいへ私も61歳なので朝食は普通より少し多いくらいに留めた。これがよくなかった。昼食を抜き時間を捻出したので、行く予定で寄れなかったのはハノイ駅と文廟だけに留まった。途中で夕食を買った。
ホテルでビールを飲み夕食を済ませ、かなり時間が経ってから具合が悪くなった。しかし15分ほどで治った。私は海外に行くときに海外保険には入らないから少し心配したが(診療費の領収書を帰国後に健保組合に出せば、日本で掛かったときの治療費で計算して、3割負担だから計算額の7割を上限に実際に払った額の7割が戻る。だからたくさんは心配しなかった)、すぐ治ってよかった。
三回体験し気付いたことは、人間は食事をすると血糖値に関はらずインスリンが分泌されるみたいだ。その後、血糖値に応じて微調整が行はれる。だから昼食を抜いて長時間歩くと、食事の後に血糖値が逆に下がるみたいだ。人間の恒常機能には有効範囲があり、それを超えると逆に作用することもあるのかも知れない。
かつて平安時代に、貴族は一日二食、武士は三食だった。木曽義仲が尋ねてきた貴族に無理やり昼食を食べさせ、そののち義仲軍は義経軍に京都を追はれたと聞いたことがある。たくさん歩くときは食事の時間を惜しんではいけない。平安時代からの鉄則であらう。(完)

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