千二十四(その四十三) 1.安倍自民党の「票のために野合」発言を批判、2.小池さんは人気急落対策をすぐに
平成二十九丁酉年
十月一日(日)
安倍自民党が希望の党を「票のために野合」と発言した。毎日新聞によると
首相はあいさつで(中略)「北朝鮮の脅威からいかに国民の命と平和な暮らしを守り抜くのか、少子化が進む中、子供たちの、日本の未来をいかに切り開いていくのかを問う大切な選挙戦だ」と強調した。
党幹部からも希望の党への批判が相次いだ。高村正彦副総裁は「責任政党がいいのか、理念、政策を捨てて票のために野合をする政党がいいのかを選んでいただく選挙だ」(以下略)
まづ今回の解散は、森友・加計問題を誤魔化すためのものだ。野党議員が憲法に基づいて国会開催を要求した。閉会中審査でお茶を濁したが、憲法に書いてある以上、開催しない訳には行かない。そこでしぶしぶ開催した。もし野党が臨時国会開催を要求しなければ、今回の解散は閉会中なのだからあり得なかった。つまり今回の解散はまさに森友・加計問題が焦点だ。
それなのに安倍は、北朝鮮問題と少子化が焦点だと云ふ。呆れた嘘つきだ。嘘と云へば、安倍は森友・加計問題の丁寧な説明を約束した。それをしないのも嘘つきだ。安倍から嘘を取ったら着てゐる洋服だけであとは何も残らない。「内臓が無いぞう」なんて「警視庁いきもの係」の駄洒落合戦みたいだ。日本は首相が実質的に空席の状態だ。この上、衆議院も空白だから心配になる。
駄洒落がもう一つある。「シンゾーの心臓が止まった」。これは将来人工心臓が出て来て、しかし新造した心臓が止まったと云ふ意味だ。安倍さんとは無関係なので気にする必要はない。
十月二日(月)朝
このままでは希望の党は人気が急落する。マスコミが小池さんの頑迷に見える写真、怒った顔の写真を使ひ始めた。勢ひはあっと云ふ間に逆向きになる。安倍一強があっと云ふ間に支持率30%台に落ちたことを忘れてはいけない。他に方法があれば別だが、ここは民進党全てを受け入れて、寛容な小池さんのイメージを作ることが得策だ。選挙後の党運営は心配いらない。
十月二日(月)夜
恐ろしいことに気づいた。希望の党の選定基準は特に悪くはない。「旧革新戦力は社会主義を目指せ」と主張する私でさへ改憲に賛成だ。安保法案は悪くはない。それにも関はらず本日の朝の主張をしたのはマスコミの偏向が原因だ。民進党の1/3は排除するだのを数日間、見せられた。
希望の党の選定基準は悪くない。この程度のことに今まで反対してきた人は、なぜこれが国民のためになるのかを反省するよい機会だ。反省して賛成し、希望の党の公認候補として当選してほしい。もちろん当選ののちは、この路線を守るべきだ。
十月三日(火)
話題を元に戻すと、自民党こそ野合だ。昭和二十五(1950)年日本社会党が左右に分裂し、選挙の度に票を伸ばし特に左派社会党が著しかった。昭和三十年(1955)に左右の社会党が再統一した。危機感を抱いた自由党と日本民主党が合同し、自由民主党になった。
しかし社会党はその後、低落を続けたから、自民党は野合を続ける必要はなかった。そもそも社会党はもともと一つだったものが分裂し元に戻っただけだから、尚のこと自民党まで一つを続ける必要はなかった。自民党を分裂させたのは小沢さんで、だから小沢さんは高く評価される。その後、紆余曲折を経て自民党と民主党の二大政党制になったが、民主党は連合が圧力団体だったため、自分たちに都合のよい政策を繰り返して国民の信頼を失った。そこで新たに希望の党が現れた。
十月四日(水)
小池さんも、自民党の野合発言に対して、かつて自民党が社会党と連立したことを引き合ひに出して批判した。これはよいことだ。批判されたら反撃することが重要だ。
反撃と云へば、細田派は自民党内最悪の野合派閥だ。人数だけ水ぶくれした。自民党各派は、選挙後に安倍を引き摺り下ろしたほうがよい。今回自民党が議席を減らすのは確実だ。判ってゐてモリカケ隠しの解散だから、落選議員のことを思へば各派閥は安倍を引き摺り下ろすのが当然だ。
かつての岸派、福田派の時代は思想が立派だった。しかし安倍晋太郎の時代に劣化した。安部、竹下、宮沢のなかから中曽根が次期総裁を指名した。あのとき世間は、政策の対立、思想の対立とは見なかった。単に首相になりたいだけの権力欲名誉欲男三人の中から竹下を選んだ。それだけのことだった。
だいたい中曽根は日本民主党出身なのだから安倍を選べばよいではないか。昭和二十年代の貧しい時代には自由党の経済路線に意義はあった。しかし強欲三人男の時代は、日本の輸出額が膨大だしバブル経済の最盛期で更に成長をする必要はなかった。あれから自民党は駄目になった。(完)
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