千二十五 1.熱帯性低気圧、熱帯低気圧、温帯低気圧、2.YahooのChiebukuro
平成二十九丁酉年
九月十七日(日)
今から二十年(不確実だが)くらい前までは、台風が北上し北海道や東北地方で熱帯低気圧になった。ところが今は温帯低気圧になる。この温帯低気圧と云ふ語はよくない。如何にも気象学者が西洋の猿真似で名付けたみたいだ。
そもそも私が小学生くらいのときは、熱帯性低気圧と呼ばれてゐた。それが熱帯低気圧になり、ここまではよいが、その次の温帯低気圧がよくない。
九月十八日(月)
台風は熱帯低気圧の強くなったものだ。昔はこの解釈だった。ところが台風が北方に進むと寒気が入って前線ができる。この状態を温帯低気圧と呼ぶが、風速は関係ないから強いまま温帯低気圧になるものがあるし、温帯低気圧のエネルギーが追加されて勢力が強くなるものもあるさうだ。
だとしたら「温帯低気圧になりました」なんて発表してはいけない。油断して災害にあふ人がゐたら大変だ。台風は「熱帯低気圧またはそれが温帯低気圧したもので風速が17.2m/s以上」とすべきだ。複雑さうな定義だが、昔はこれだった。全然複雑ではない。
九月二十二日(金)
前線が入り構造は温帯低気圧に似ても、台風の持つエネルギーや水蒸気量は熱帯低気圧由来だ。だから台風と呼んで何の問題もない。
低気圧と温帯低気圧は同じものだ。しかし台風が北方に進んだものだけを温帯低気圧と呼ぶから、多くの国民は低気圧のほかに温帯低気圧があると思ってゐる。だったら一層のこと温帯台風と呼んだらどうか。温帯台風の小さくなったものは低気圧と呼ぶ。温帯低気圧なる用語は不要になる。
九月二十三日(土)
熱帯低気圧と温帯低気圧の件は、他にも疑問を持つ人が多いらしく、YahooのChiebukuroに幾つか質問を見つけた。回答はおおむね適切だが、中に「北に行ったら温帯低気圧に決まっている。見間違へたのでは」と失礼な回答をする人が居て、しかもベストアンサーに選ばれてゐるものがあった。こんな回答は昔のことを知らない人だが、こんなものがベストアンサーに選ばれるとは、ポイント稼ぎの悪質な人間が出て来たのだらう。Chiebukuroは適切な回答が多く、ちょっと調べ物をするとき便利だが、どんな制度にもシロアリが湧いてくるから注意が必要だ。(完)
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