千二十三 日本のマスコミは西洋人の厚かましさに騙されるな(ロヒンギャ問題を考へる)
平成二十九丁酉年
九月二日(土)
ミャンマーのロヒンギャの中の武装グループが治安部隊を襲撃し、一般のロヒンギャが国外に逃げようとして大混乱になった。このやうなニュースが日本でも報道された。犯人とは無関係の住民が家を追ひ出されのなら、これはミャンマー政府が悪い。
しかし報道を見ると、別のことが書いてある。欧米の主張は、ロヒンギャは何世代にも亘ってミャンマーに住んでゐるのだからミャンマーが受け入れるべきだと。まづここで多くの日本人は騙されてしまふ。何世代とは七世代くらいを考えてしまふが二世代、三世代でも何世代だ。つまりミャンマーがイギリスの植民地だった頃の話だ。
イギリスはインド(現在のパキスタン、バングラデシュを含む)、スリランカ、マレーシア、シンガポール、香港を植民地にしたから、住民がよその地方に移動するのは簡単だった。そればかりか、インドのタミール人を人為的にスリランカやマレー半島に移住させて農作業に就かせた。
そのため戦後は各地で大問題が起きた。植民地になる前のスリランカ(当時はセイロン)は多数派のシンハリ人と少数派のタミル人が仲良く住んでゐた。そこへイギリス人はタミル人を多数移住させたから、独立後はまづ移住させたタミル人の国籍をどうするかで問題になった。イギリスの得意な、シンハリ人とタミル人を分断統治したから、独立後はシンハリ人と元からゐるタミル人の間でさへ武力衝突が起きた。ましてやそのやうな問題の最中に移住してきたタミル人をスリランカが引き取る訳には行かないし、インドも引き取りを拒否し長い間、問題になった。ミャンマー国境地帯に住むロヒンギャも同じだ。イギリスがこの問題に責任を取らないのはまだ判る。しかしイギリスを含む西洋が何世代も住むと批判することは偽善だ。同じ問題は香港にもある。香港在住のインド出身者の国籍をどうするかは、本来イギリスが考へる問題だ。インドとパキスタンが分裂したのもイギリスが原因だ。
もちろんだからと言ってミャンマー政府がロヒンギャを迫害してはいけないし、ロヒンギャは身内から武装グループを出したり支援してはいけない。

九月三日(日)
アジアのことを考へるのなら、都知事の小池さんが現在の状況で、朝鮮人虐殺に追悼文を出さなかったのは正解だ。もし追悼文に誰も苦情を云はないのなら、追悼文を続けることは意義がある。しかし追悼文に反対があるのなら続けるべきではない。これは日韓親善の問題だけではない。日本と韓国を西洋化するかどうかの問題だからだ。
イギリスがロヒンギャ問題で謝罪しないのと同様に、日本はいつまでも謝罪してはいけない。双方に余計憎悪を生む。しかし西洋がミャンマーを批判するやうな厚かましいことを、日本は真似してはいけない。

九月四日(木)
西洋は更に厚かましいことをした。それがパレスチナ問題だ。イギリスがアラブを植民地にしなければパレスチナ問題は起きなかった。それなのにイスラム教が悪いやうな主張だ。
ヨーロッパのユダヤ人問題も同じだ。今はヒトラー1人が悪いことにして誤魔化した。勿論ヒトラーのガス室は、お友達濡れ手に粟商法を嘘で誤魔化す安倍内閣の番頭役スガさんと同じで許されない。しかしユダヤ人問題の本質は、科学の発展と社会の制度や思想が不均衡になったため優生遺伝思想が現れた。そして戦争中は多数の死傷者が続々と出るから、それを緩和できるなら多少の殺人は目をつぶれと安直な主張が出て来る。ユダヤ人の遺伝子が国を弱くしたと云ふ出鱈目な宣伝に騙されたのも毎日現れる膨大な死傷者が原因だ。
ユダヤ人問題はここまで考へなくてはいけないのに、ガス室はヒトラー1人の責任、パレスチナ問題はイスラム過激派の責任に矮小化させて誤魔化してきたのが西洋思想だ。

九月十日(日)
つひに西洋の欺瞞が暴露された。時事通信によると
【バンコク時事】ミャンマー西部ラカイン州で治安部隊と戦闘を展開しているイスラム系少数民族ロヒンギャの武装組織「アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)」は10日、ツイッターに声明を出し、「一時停戦」を宣言した。
人道支援組織が州内での支援活動を再開できるようにするのが目的と説明している。
声明によると、停戦期間は10日から10月9日までの1カ月間。ARSAは「停戦期間中、すべての関係者が人道危機の全被害者に対する支援を再開するよう強く促す」と表明した。また、ミャンマー政府に停戦に応じ、戦闘の影響を受けた人々への人道支援活動を行うよう求めた。

私を含むほとんどの日本人は、ロヒンギャの武装組織が単発的に治安部隊を攻撃し、そのため混乱が続くのだらうと想像した。だからミャンマー政府も報復みたいなことは止めて、早く平穏を取り戻してほしいと願った。
しかし事実は違った。ロヒンギャの武装組織「アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)」がずっと戦闘を続けてゐたのだ。これでは政府軍も反撃せざるを得ないし、多くの住民が避難するのも当然だ。これだと悪いのはアラカン・ロヒンギャ救世軍だ。さすがに住民の混乱がひどくなり過ぎて 「停戦期間中、すべての関係者が人道危機の全被害者に対する支援を再開するよう強く促す」と声明を出さざるを得なくなった。しかし停戦は一ヶ月ださうだ。十月に入ったら再び反乱を起こすらしい。人道支援だけ求めて、その後は再び攻撃を始めるなんて、そんな声明では駄目だ。人道支援のため永久に停戦すべきだ。
それにしても日本のマスコミはこれまでの書き方がひどかった。あたかもミャンマー政府軍がロヒンギャを追ひ出すため混乱を引き起こしてゐるやうに書き続けた。

九月十六日(土)
西洋で最悪の厚かましさは地球温暖化だ。西洋近代文明は地球破壊無しには存続できない。今こそ非西洋地域は西洋文明に反対すべきだ。余談だが、北朝鮮はアジア文明ではない。叔父を殺し、兄を殺し、多くの高官を粛清したからだ。北朝鮮に反対するために日本が欧米と親密になるのはよいことだ。(完)

「マスコミの横暴を許すな81」「マスコミの横暴を許すな83」

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