75、英語による洗脳を防ぐ方法

平成十九年
七月十四日(土)(インドに見る英語の裏側)
イギリスによるインド支配は汚い手口の連続であった。インド人知識層を一般国民から分断し、イスラム教徒をヒンズー教徒から分断し、第一次世界大戦後は自治の約束を破った。
インドの英語には二つの負の面がある。先日、日本語の得意なインド人が語っていた。それは英語で知識層を洗脳しようとしたことと、英語が話せればイギリス人になれると思い込んでしまったインド人の出現である。

七月十五日(日)(学力は十分の一)
日本人にとり日本語と英語では読む速度が10倍は違う。日本語と英語で同じ内容の資料があったら、私は英語のほうは読まない。時間の無駄である。それどころか英語の資料しかない場合でも読まずに別の日本語の資料を探すことが多い。私は昨年からずっと英文マニュアルの翻訳をしている。その私でさえそうなのだから、普通の人はもっと読まないであろう。
国内の大学で英語で授業をしろという主張が教育再生会議から出ている。そういう大学の卒業生は、一般の大学と比べ学力が十分の一程度である。全国の企業の人事担当者に告ぐ。こういう卒業生は採用しないほうがいい。給料も十分の一でいいという卒業生は別だが。

七月十六日(月)(留学生と英語)
日本への留学生を増やすために英語で授業を行えという主張もある。これほど馬鹿げた主張はない。
日本に来る留学生は本国に帰ってからは、日本語を理解する、日本企業と交渉できるとして期待される。日本語はできません、という留学生を育成する必要があるか。そんな連中のために税金を無駄遣いする必要があるか。
そもそも留学生を増やす必要があるとすれば、その目的は知日派を増やすことにある。英語で授業をしていては欧米かぶれは増えても知日派は増えない。日本語の授業を受けたい留学生を増やすには、卒業後の就職まで考える必要である。漢字にルビを振る必要もある。年金は帰国時に元利含めて全額返還する必要もある。

七月二十一日(土)(欧米かぶれ)
欧米かぶれの人間は日本の教育には関わらないほうがよい。中嶋峯雄氏のことである。
「例のUCバークレーとかスタンフォードを訪れました。」「あそこは、(中略)日本のプレゼンスどころか、チャイニーズのプレゼンスや何かがすごく大きくて」
これが果たして日本語と言えるだろうか。それも私的な会話ではなく、教育再生会議の議事録である。
プレゼンスという日本語はない。英語にもない。英語のpresenceはプレズンス[prezns]である。辞書によってはzに曖昧母音をつけた発音も載せているが、歴史のある辞書は採用していない。つまり後者は綴りに引きずられた非公式な発音であり、しかもあえてカタカナにすればプレザンスである。日本語のプレゼンス[pulezensu]には絶対にならない。チャイニーズのほうもチャイニースという発音もある。だから英語はやたらと日本語化してはならない。

七月二十二日(日)(母国語と外国語)
外国人と議論をするときに、母国語を用いた側が圧倒的に有利である。母国語ではなくとも同じ語族を用いた側は有利である。英語が世界に広まってしまった原因は、戦前においては汚い手口で世界を支配したイギリス、戦後においては先住民族を滅ぼし広大な土地を盗み取ったアメリカである。世界史の倫理上からも英語は重視すべきではない。
世界が今後すべきことは英語の影響を少なくすることである。地球温暖化でいずれ航空機の使用が制限され、貿易は近隣国間が主流となろう。今こそ好機である。
ところが教育再生会議はこの問題を解決しようという気概がまったくない。それどころか「国際語である英語」と間抜けなことを言っている。英語が世界に広まってしまったことは誰でも知っている。判りきったことをさも得意そうに述べるのは愚か者である。
広まってしまった悪習を追認するのも愚か者である。「最近は人殺しが多いから殺人罪は廃止しようか。」と言っているに等しい。

七月三十日(月)(参議院選挙)
昨日の参議院選挙は自民党の大敗だった。安部政権は人事がよくない。
教育再生会議も人事がよくない。中嶋峯雄氏はかつて「日本は欧米先進国の一員なのです」と珍説を述べた。或る韓国人が「朝鮮半島は日本列島と中国大陸の一部なのです」と言ったとしよう。その者を韓国政府が大統領私的懇談会の委員に任命したら大変な騒ぎになる。大統領の首が飛ぶことは間違いない。中嶋氏の発言はこれに匹敵する。

七月三十一日(火)(日本語能力)
これは中嶋氏ではないが、日本への留学生を増やすことについて「英語だけの授業で卒業できるようにすれば、その間に日本語もうまくなります。」という発言もある。
日本の大学を卒業した留学生が日本で就職したときに、一番問題になるのが日本語能力である。更に、自分は日本語ができるとばかりそれ以上日本語の勉強をせず、そこで止まってしまう人も多い。
これが実情である。英語だけの授業で卒業し、その間に日本語がうまくなる訳がない。政府から日当をもらっている会議で嘘を言ってもらっては困る。国民の税金を何だと思っているのだ。

八月二日(木)(世界は一民族、カミツキガメは退治しよう)
印旛沼にはカミツキガメが千匹生息している。千葉県は先月捕獲に乗り出した。アメリカ原産のカメツキガメが日本で繁殖したら生態系を破壊してしまう。
文化も同じである。欧米文化がアジアに繁殖したらアジアの文化は破壊される。しかしそのように主張しない理由に、ヒトラーの民族浄化がある。
ここで世界は一つの民族だと考えればいい。10年以上前に青森県を旅行したら、住民どうしの会話が日本語だとはまったく判らなかった。最後のほうに「中学」という単語が入っていたので、子供の学校の話をしているのだとわかった。青森県民どうしでも地方によってまったくわからないという。これにより日本民族という一つの民族は存在しないかまたは多種の日本民族が存在することがわかる。
世界も同じである。言語以外にも宗教、習慣その他多数の要因があり、国を超え語族を超え共通点がある。例えば日本とインドには仏教、多神教という共通点がある。つまり世界は一つの民族である。青森県は流入した東京文化を退治しても何ら問題はない。世界も同じである。
民族抹殺も人種差別もすべて欧米人が考え出したものである。カミツキガメは退治したほうがいい。なお退治すべきは外来文化であり人間ではない。日本語を話すかまたは日本語を勉強中の外国人は暖かく日本に迎えるべきである。

八月三日(金)(被抑圧民族)
アメリカは抑圧民族であり、英語圏以外のすべては被抑圧民族であり、その民族運動は良性だとする方法もある。しかし人類は民族を声高に叫ぶことなく長く平和に暮らしてきた。民族を戦争に使うようになったのは欧米である。我々は中世近代の欧米の邪悪な思想に染まることなく世界は一つの民族だと考えたほうがよい。
それにより従来は方言、旧習とされてきた地方性も守られ、アジアにあっては少数民族も守られる。

八月四日(土)(自衛隊に要望)
本日は米軍横須賀基地の公開日であった。海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が初めて参加し公開された。部屋名や作業注意事項など船内の表示はすべて日本語であった。いい傾向である。しかし考えてみれば乗組員は全員日本人だから当然である。自衛隊の上層部も同じであってほしい。アメリカ軍とは正規の手順を通してのみ連絡する。向こうにも通訳をつけさせこちら側は日本語を使う。これが重要である。これを守らないと自衛隊は精神から崩れアメリカの下請けとなってしまう。
市川誠元総評議長は全駐労出身である。太田薫、岩井章の両氏とともに総評解体に最後まで反対した。日本側に独立心があればアメリカもこれを受け入れる。市川氏の独立心に続いてほしい。

八月五日(日)(英語で洗脳をたくらむ連中は世界平和の敵である)
安保条約は長期的には解消するべきである。一国の軍隊が長く駐留すると弊害が出る。短期的には当事国と周辺国の動向を見て害のないように運営すべきである。ところが日本では小渕私的懇談会の英語第2公用語に始まり教育再生会議に至るまで、英語で洗脳をしようとする連中がいる。
安保条約は文化問題で論じなくてはならなくなる。世界平和のためには純粋に防衛問題で論じるべきである。

八月六日(月)(地球温暖化)
地球温暖化が人類特にアメリカ人という馬鹿な連中のせいで進んでいる。すべての航空機と太平洋を横断する船は50年以内になくなると見たほうがいい。日本の英語ブームは石油消費による一時の現象に過ぎない。貿易と海外旅行はアジアが主流となる。
英語英語と騒ぐ連中は目先のことしか理解できない。英語が話せれば欧米人になれると思い込んでしまっている。航空機は永久に飛び続けると思い込んでしまっている。

八月九日(木)(小沢代表)
昨日、民主党の小沢代表が駐日アメリカ大使と会談し、テロ対策特別措置法に反対した。これこそ真の政治家である。政治家はアメリカの圧力から国民を守るためにある。ところが首相を続けたい、首相になりたいとばかりアメリカの言いなりになる連中が多い。
学者も英語圏のごり押しから自国文化を守るためにある。ところが英語に擦り寄る連中がいる。

八月十二日(日)(原爆は悪魔の兵器)
元米軍従軍カメラマンのジョー・オダネル氏が一昨日亡くなった。85歳であった。原爆を批判する数少ないアメリカ人の一人であった。一方で多くのアメリカ人はいまだに原爆を正当化している。原爆は悪魔の兵器である。これを正当化する者も悪魔である。
だからと言って多くのアメリカ人が悪魔だとは思えない。ジョー・オダネル氏も現場を訪れ原爆を批判するようになった。多くのアメリカ人が原爆を批判しないのはアメリカに卑屈な態度を取る一部の日本人のせいである。悪魔に媚びへつらう者は悪魔である。

八月十三日(月)(異常状態)
日本の国際収支の黒字は異常状態である。黒字の解消を迫られる環境で人間は正常を保てない。1975年以降の日本は異常状態である。欧米の石油大量消費も異常状態である。こちらは地球温暖化でまもなく終止符を迎えようとしている。
英語英語と騒ぐ連中は、英語騒ぎが2つの異常状態で起きたことを理解していない。日本が今すべきことは2つの異常の解消である。英語英語と騒ぎたてることではない。

八月十八日(土)(外国語はできる人もできない人もいない)
複雑な文書は翻訳に時間がかかる。頭も疲れる。1日中翻訳をしていると夕方には頭の働きが四分の一に落ちる。and、or、関係代名詞、不定詞、現在分詞、過去分詞、形容詞がどこまで係っているかを見つけるのが大変である。もしこれを口頭で言われたらとうてい理解できない。ここまで複雑ではなくても口頭の外国語は聞き逃し、聞き違えが多い。
昔、日本の中学を卒業した日系人と仕事をしたことがある。話していても日本語の理解が遅れときどき聞き逃しや聞き違いを発生した。日本との貿易の仕事ならやっていけるが日本で仕事をするのは無理であった。日系人は家では日本語を使い日本の中学、高校を卒業したのにこれが限度なのである。
その一方で、外国語ができない日本人はいない。Good Morning、Yes、No、等々話せるではないか。外国語はできる人もできない人もいない。母国語と同じ水準には絶対になれいし、なろうと考えてさえもいけないことなのである。
今より単語を100個余分に覚えよう。これだったら誰にもできる。こういう日頃の努力が必要である。英語第2公用語やら英語の授業を叫ぶ連中は、英語の学習が目的ではなく英語による洗脳を狙っているか自身が洗脳されてしまったのであろう。

八月十九日(日)(日本語のできる外国人の活用を)
更に外国語で難しいのは1つの単語が多くの意味を持つ。例えばaccountには(金銭取引上の)計算(書)、口座、勘定、顧客、説明、うわさ、記事、理由、重要さ、利益、上演があり、このうちどれかを見つけるのは難しい。しかし母国語としている人にはすぐに判る。それでは日本はどうしたらいいだろうか。
日本語を話す外国人は多い。アメリカでは白人にも多い。この理由は数学で考えればすぐに判る。日本よりアメリカ、中国、インドは人口が多い。うまい人も下手な人も多い。白人に多い理由も同じである。日系3世、4世よりうまいという意見さえある。
これらの人たちはあまり有効活用されていない。本国ではほとんどが日本語を使わない仕事に従事している。英語英語と叫ぶ日本人がいると、これらの人々の活躍の場が益々狭くなる。


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