九百八十八(その九) 規制改革担当相山本幸三の発言で安倍の欺瞞が明らかに
平成二十九丁酉年
六月七日(水)
規制改革担当相山本幸三が記者会見で「長年にわたって(新設を)認めなかったことで、日本の獣医学部の質は落ちている」と発言した。この一言で加計学園の獣医学部は新設不可能になった。質が落ちたと云はれて喜んで新設学部の教員になる人はゐない。
それよりこの発言で安倍内閣の馬脚が現れた。馬脚とは馬の脚ではなく、役者が馬の姿で演技したのに、人間の足が観客に見えてしまふことだ。
四国には獣医学部がないので新設し、四国の畜産業水産業を振興させると云ふのが名目だった。ところが山本は、日本の獣医学部の質が落ちた、長年にわたって認めてこなかったから新設すると云ふ。四国とは無縁の話だ。これでお友達濡れ手に粟内閣の馬脚が明らかになった。

六月七日(水)その二
実現可能な着地点として、治療はできないが獣医学の研究者を養成する学科を新設すればよい。これだと獣医師の下請け専門科になってしまふから、獣医学科にはない特長が必要だ。四年で卒業できることと、六年で修士を取得できることにすればよい。あと治療機械学、植物微生物も習得することにすればよい。獣医学科は六年制で卒業しても修士ではないから、治療に関はらないなら有利だ。獣医療学学士と獣医療学修士にすればよい。
この程度のことさへできないなら、(その三)で述べたやうに、小さく解決するなら工事中の建物は取り壊しか転売、大きく解決するなら安倍の退陣しかない。

六月八日(木)
日本相撲協会は故放駒親方が理事長のときに、年寄名跡を協会が2000万円で買ひ取る一括管理案を提案したが、年寄の大多数が反発して挫折した。名跡(従来は株と呼ばれた)を持つ者と持たない者の格差は甚大で、将来は廃止すべきだ。しかし親方はそれぞれ高額(1億五千万円以上か)を払って手に入れた。それを2000万円なんかで買ひ取ってはいけない。方法としては入手した金額から親方の在任中の給料の一定割合ひを控除した額で退任時に買ひ取るべきだった。

医師の収入は極めて高く、そのため医師の職業を希望しない人までも成績が良いからと医学部に進学し、そのため問題が発生してゐる話を十五年ほど前だらうか読んだことがある。だからと言って医学部をやたらと新設してはいけない。医師の質が下がるばかりか、今までに卒業した人、在学中の学生が不利になるからだ。

親方と医師は収入が高いから改革は必要だ。しかし今までの人たちが損失を被ることはやってはいけない。因みに医師の場合、開業するのに多額の資金が必要だ。公立或いは健保組合立の診療所に勤務するなどリスクを無くすことで収入を抑へる対策も必要だ。
獣医師の場合、開院し患者(患獣?)がたくさん来院すれば収入は高いが、雇用された獣医師は別に高収入ではないし、臨床に従事しない獣医が半分ゐる。それなのに四国振興と云ふ名目で、実際には山本幸三が馬脚を現したやうに、更には安倍のお友達濡れ手に粟政策で新設すると云ふのだから、絶対に阻止しなくてはいけない。

六月九日(金)
十年前の女系天皇騒ぎも同じだ。皇太子様が継承順位の一番、秋篠宮様が二番のときに、女系天皇制度を新設することは秋篠宮さまを三番に繰り下げることだ。そんな人の道に反したことをしてはいけない。
年寄名跡を2000万円で買ひ上げる話も、獣医学部問題も、根底は同じだ。(完)

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