九百八十八(その七)  規制改革担当大臣山本幸三の邪論を批判
平成二十九丁酉年
六月二日(金)
文部科学省前事務次官前川喜平さんの発言に対し、規制改革担当相山本幸三は
既得権益のことばかり考えて行政をゆがめてきたのを正してきただけだ。
と語った。これは悪質な発言なので指摘をしたい。まづ百歩譲って既得権益と云ふものがあるとして、その既得権益は獣医免許の交付だからこれは農林水産省だ。文部科学省には何の既得権益もない。山本はそんなことも判らぬのか。

六月三日(土)
多くの人は、二か月前の発言を読めば、あの人かと思ひだすだらう。名前はいちいち憶えないが、あの発言は誰もが嘲笑の対象として記憶してきた。
一番癌なのは学芸員。普通の観光マインドが全くない。この連中を一掃しないと。(中略、二条城は)過去、全く英語の案内表記がなかった。(中略、昨年まで)国宝、重要文化財では水も火も使えなかった。法律では禁止されていないのに、学芸員の判断で一切だめだった。(中略)ロンドンオリンピックの際に大英博物館が建物の内壁を取り払う大改装を行い、抵抗した学芸員を全員クビにして大成功した。
実際は、二条城には前から英語案内とパンフレットがある。重要文化財地域で水を使った生け花を行った。大英博物館はロンドンオリンピック時の根本的改装と学芸員の解雇を否定した。山本は翌日に謝罪し発言を撤回した。

六月四日(日)
文化財は重要だ。一時的に観光客が増えても、文化財が損なはれたら大変なことになる。経済に限って話をしても、経年劣化を修復する費用や、劣化に伴ふ将来の観光客の減少を考へれば、水や火は使はない方がよい。ましてや文化財は経済ではない。貴重な文化だ。これだけでも山本の発言は悪質だが、昨日書いたやうに山本の発言は事実と異なってゐたのだから、もはや論じるに値しない。

このやうな男を大臣に任命した安倍の責任は重大だ。私は最初、安倍さんが連合のメーデーに出席してまるで菅や野田みたいなので、菅野田亜流の亜倍と呼んだ。次に消費税増税を延期したため、安倍さんと呼ぶやうになった。安倍さんの奥さんとミャンマーフェスティバルでお会ひしたので全面応援するやうになった。加計学園問題でかなり熱が冷めたが、自主解決を期待して直接の批判はせず呼びすてにすることも無かった。しかし文部科学省前事務次官前川さんへの、出会ひ系バー個人攻撃は悪質だ。こんなヒトラーばりの情報操作(ヒトラーは国会放火事件を共産党のしわざとして弾圧した)を許してはならない。これで安倍と呼び捨てに戻った。
個人攻撃がどれだけ悪いかは、次の話をすれば判る。Livedoorによると昨年9月7日の記事に
山本幸三地方創生相の公私混同疑惑について週刊文春が報じた
イベントで同席した杉本彩に魅せられ、法改正に取り組むようになったという
2010年に杉本の訴えを機に、動物愛護管理法の改正に取り組むとつづっていた
詳しく調べると、Workers Magazineと云ふ「向上心溢れる働き盛りのためのウェブマガジン」に
山本氏はあるイベントで同席した杉本彩に魅せられ、後日連絡を取ったという。その後、彼女が主宰するダンス教室に、週1回程度で通うになったのだ。その上、彼女の気を引くためなのか、法律改正に取り込むようになったのだという。イベント中に、どんな会話をしたのかは分からないが、現時点では杉本彩の気を引くための法改正というのはやや無理がありそうだ。

山本幸三の法律改正

2010年2月8日、山本氏は動物愛護管理法を改正すると公言した。その理由として永年動物愛護活動に、熱心に取り組んできた杉本彩の切々たる訴えに、心が大きく動かされたという。ただ、動物愛護管理法の改正に携わっていた議員によると、それまで民主、自民、公明で議員立法のため、実務者協議を続けていたのが、自民の責任者でもない山本氏が、私案を持って民主党の議連幹部などを回っていた事に驚いて、いまだに、記憶にあるという。

その後、法律改正がなされ、「犬猫処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」ができたのだが、山本氏は役員にも入らず、活動していたのは一時期だったと言われている。事実として、杉本彩が事務所の副社長と再婚した以降、山本氏は動物愛護活動にほとんど顔を出さなかったという。
この記事には前文がある。それによると
あるインサイダー取引事件について、知人が証券取引等監視委員会の強制調査を受けた事について国会で圧力質問していた山本幸三が話題になっている。事件と関連があると思われるブルーエコノミー・ホールディングス。その代表取締役社長を務めており、現在は辞任している。
これに続いて動物愛護管理法の話題に入る。動物愛護には賛成だから、結果としてよいことをしてくれた。しかし女優が結婚した途端に動物愛護活動にほとんど顔を出さなくなったと云ふのは頂けない。それより私はこんなことは話題にしたくはない。情報操作がどれだけ悪いかを示すために取り上げた。(完)

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