九百七十一 消費税の増税と引き換へに、労働者派遣法を廃止させるやり方がある
平成二十九丁酉年
五月四日(木)
求人倍率が26年ぶりの高さとなった。この状態が続けば、消費税を増税すると云ふ話が出て来るかも知れない。その場合には、労働者派遣法の廃止と同時に行ふべきだ。労働者派遣法はそれまで業務内容が限定されてゐた。失業率が高くなり、やむを得ず業務内容を大幅に増やした経緯がある。求人倍率が高くなったのだから、もし消費税を増税するときは、労働者派遣法は廃止させることが大切だ。

五月六日(土)
労働者派遣法が制定されたとき、認められた職種は次の十三だった。
1号 ソフトウェア開発
2号 事務用機器操作
3号 通訳・翻訳・速記
4号 秘書
5号 ファイリング
6号 調査
7号 財務処理
8号 取引文書作成
9号 デモンストレーション
10号 添乗
11号 建設物清掃
12号 建築設備運転・点検・整備
13号 案内・受付・駐車場管理等
この職種でさへ、ソフトウェア開発は多重請負、偽装請負、長時間残業、うつ病多発で当時からブラック産業の代表だったし、添乗は拘束時間が長いのに手当が払はれないなど当時から問題だった。平成8年には26職種にまで拡大した。
1号 ソフトウェア開発・保守
2号 機械・設備設計
3号 放送機器等操作
4号 放送番組等演出
5号 電子計算機等の事務用機器操作
6号 通訳、翻訳、速記
7号 秘書
8号 文書・磁気テープ等のファイリング
9号 市場等調査・調査結果整理・分析
10号 財務処理
11号 契約書等取引文書作成
12号 機械の性能・操作方法等に関するデモンストレーション
13号 添乗
14号 建築物清掃
15号 建築設備運転、点検、整備
16号 案内、受付、駐車場管理等
17号 化学に関する知識・応用技術を用いての研究開発
18号 事業の実施体制の企画・立案
19号 書籍等の制作・編集
20号 商品・広告等デザイン
21号 インテリアコーディネーター
22号 アナウンサー
23号 OAインストラクション
24号 テレマーケティング営業
25号 セールスエンジニア営業
26号 放送番組等における大・小道具
そして平成11年原則自由禁止業種指定に変更された。このときは製造業は派遣が禁止されていたのでまだよかった。ところが平成16年に製造の派遣が解禁になった。これで労働者派遣法は戦後最大の悪法になった。それでも世間が納得したのは失業率が高いためだった。

五月九日(火)
同一労働同一賃金はよいことだ。しかし解雇の難易度に大差がある。ここは非正規雇用の禁止で同一労働同一賃金を達成すべきだ。天下の大悪法労働者派遣法ができたのは昭和六十年(1985)。総評が解体される直前だった。米ソ冷戦が米側勝利に向かった時期だった。プラザ合意で国内の基本産業が駄目になる年だった。
昭和二十年から六十年まで、高度経済成長が続いたときに労働者派遣法は無かった。労働者(失業者)は最低の地位だから労働組合が認められる。労働者の下に非正規雇用者なる地位を作ってはいけない。

五月十二日(金)
派遣業界が困ると云ふ意見が出て来よう。だったら十年間の猶予を設ければよい。まづ製造を禁止する。次に26項目に制限する。その後13項目にする。そして天下の大悪法を廃止する。
労働者派遣法は労働組合を無力化する。派遣元が労組を作っても、派遣先が契約を更新しなければ無力だからだ。派遣は廃止し元からある労働者供給でやるべきだ。労働者供給は労働組合にのみ認められる。この程度のことさへできないなら、ニセ労組シロアリ連合は解散すべきだ。(完)

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