九百五十(その一) 加計学園の獣医学部開設を阻止しよう(落としどころは四国限定免許、或いは医学部開設に変更)
平成二十九丁酉年
三月十五日(水)
前にも書いたが(四国振興のための獣医学科は、四国限定免許にすべきだ)、加計学園の獣医学部開設は阻止しなくてはいけない。国会でも取り上げられ、マスコミにも書かれ始めたので、再度取り上げることにした。
獣医学部の倍率は10倍以上だ。だから開設すれば絶対に失敗しない。濡れ手に粟の商法だ。
三月十六日(木)
昨日も書いたが、加計学園のしようとしてゐることは濡れ手に粟の商法だ。倍率が10倍なら絶対に失敗しない。
今まで獣医学科の新設が50年間認められなかったのは理由がある。過去のバブル経済のときまでならまだ新設もあり得たかも知れない。しかし人口減少期に新設してはいけない。
三月十七日(金)
医学部開設について、成田に一校開設されるではないかと疑問に思ふ人もゐよう。、医師で臨床或いは大学勤務ではない人は極めて少ない。一方、獣医は臨床に就く人が半分以下で、それ以外は企業や公務員として専門業務に就く。獣医の資格を取ったのだから誰もが臨床をやりたいだらう。しかしインターネットで調べると、臨床から企業に転職して給料が200万円上がっただとか、臨床は勤務時間が長く休日に呼び出されることも多いのに収入は普通のサラリーマンと変はらないだとかの、体験談がたくさん見つかる。
我が家に高齢のヘビがゐる。草津熱帯圏、日本スネークセンターなどで来園者に可愛がられたあと、我が家で余生を送ってゐる。このヘビはこれらの施設で獣医として勤務された方が或る県の臨時職員となったため飼ふことができず、我が家に来た。民間の動物展示施設は来園者の減少で経営が厳しく転職を余儀なくされ、獣医の資格を持ってゐても年齢が中堅以上になると臨時職員しかない。これが現実だ。
医師と獣医師の臨床と大学勤務の割合と、収入、転職先を考へると、医学部は日本医師会に訊かないと判らないが、まだ余力があると思ふ。もし医学部にこれ以上新設の余力が無いと云ふのなら、獣医学部ははるかに余力は無い。
加計学園に医学部設立の実力は無い。つまり私が医学部開設に変更しろと云ふのは、加計学園はこの件から一切手を引けと云ふ意味だ。
三月十八日(土)
インターネットで調べると、成田の医学部新設について昨年四月に全国医学部長病院長会議が医学部新設について「国際的な医療人材の育成」という目的に反して卒業生が一般の臨床医として勤務することがないよう法的措置を講じる要望書を提出するとある。
今回の獣医学部も同じだ。四国以外で勤務することのないやうすべきだ。私は本来、医師の3/4が臨床と大学勤務になるやうすべきだと思ふが、今回の加計学園のやうなでたらめがまかり通るなら、日本医師会と連携し両方を絶対に阻止すべきだ。
三月十九日(日)
加計学園が濡れ手に粟で獣医学部を新設しようとしたが、良識派の巻き返しで15年間は四国限定免許にしたとする。それでも獣医師と既に獣医学部に在学の学生にとり、四国に在住する獣医の人数分だけ権利侵害となる。
四国の人口390万人を日本全体の人口1億2700万人で割ると3%だから、この程度は獣医師と既に獣医学部に在学の学生に我慢してもらふとして、17%の獣医師が3%の地域に集中したら、かなり畜産業を振興しないとこの人数を吸収できない。政府の支援は当然として、濡れ手に粟の加計学園に経費の多くを負担させるべきだ。おいしい部分だけは濡れ手に粟でもらひ、卒業生の就職先は負担しないといふことは、絶対に許されない。
三月二十一日(火)
今回の騒ぎは、獣医師は開業して患者(患獣?)さんが来れば高収入だが、雇用された獣医師は激務なのに普通のサラリーマンと同じ、或いは臨床に関はらない人が多い。だから一部の人を除いて高収入ではない。それなのに高倍率なのは「動物のお医者さん」といふ漫画が原因だったり、飼ってゐる犬や猫を診察してもらった経験だったりする。
高倍率だから新設すれば学生集めの苦労はないぞ、とばかり新設する。後のことを考へない実に悪質な商法だ。安倍内閣は誰がこのやうな悪質なことを考へたのか発表すべきだ。
三月二十五日(土)
教育者は卒業生の将来まで考へなくてはいけない。それなのに表面上の高倍率だけに目をつけて学部を新設しようとするのであれば、そのやうな輩は教育者ではないし、そのような団体は学校法人ではない。辞退するか学校法人を解散させるか。落とし所として四国限定免許を既に提案してある。しかし四国の獣医が自活するには畜産業をかなり振興させなくてはいけない。加計学園にその財力があるか。(完)
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