九百三十五 四国振興のための獣医学科は、四国限定免許にすべきだ

平成二十九丁酉年
一月二十二日(日)
四国に五十二年ぶりに獣医学科が新設されることになった。入学定員は160人で、従来は全国で930人だから17%増加する。人間の医師は全員が医師としての仕事に就くが、獣医で臨床に就く割合は5割くらいだ。あとは地方公務員として食肉の衛生管理や感染症対策、製薬会社や食品会社、農林水産省で検疫業務、中には金融会社や建設会社など無関係のところに就職する人もゐる。
私の上の子は一浪して獣医学科に入ったから、定員を160人無条件で増やすとその前に入学した学生と比べて不公平になる。獣医学科は北海道大学のやうに医学部より難しいところもあり、これは「動物のお医者さん」と云ふ漫画の舞台が北海道大学だったためだ。一般には医学部より少し易しい程度でかなり難関なのに収入は普通の会社員と変はらないとよく云はれる。
今回の獣医学科は四国振興のためなのだから、卒業後十年間は獣医免許を四国限定にすべきだ。

一月二十七日(金)
ソフトバンクグループの「ビジネス+IT」に『「東京一極集中」がさらに加速、いよいよ「危険水域」に到達か』と云ふ記事が載った。
総務省の2015年住民基本台帳人口移動報告によると、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県を合わせた東京圏の転入は48万7,251人、転出は36万7,894人で、11万9,357人の転入超過になった。(中略)年代別の内訳を見ると、転入超過の大半は若い世代に集中している。20~24歳の6万6,517人を筆頭に、15~19歳2万6,484人、25~29歳2万68人、30歳代6,065人と続く。反対に50歳代や60歳代は転出超過となっている。
若い人が東京圏に集中すると云ふことは、生産力が東京に集まることだ。これでは全国各地が疲弊する。東京圏も長時間通勤、鉄道の混雑で生活の質が低下する。関西や名古屋はどうなのか気になるが
3大都市圏を見ても、大阪圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)は9,354人、名古屋圏(愛知県、三重県、岐阜県)は1,090人の転出超過。ともに東京圏への人口流出が増えたのが響いた。
四国振興のため開校しておきながら、卒業後は東京圏や大阪圏に就職することは許されない。卒業後十年間は獣医免許を四国限定にすべきだ。

二月二日(木)
青梅街道の中野坂上と新中野の間に動物救急センター中野と云ふ看板がある。夜間のみ運営するらしく昼間に覗くとカーテンが閉まって中はよく見えなかった。ところがある日、前を通りかかるとカーテンが開き中がよく見える。荷物が乱雑に散らばるから、改修工事でもするのかと思った。
一昨日、信用金庫に行くため前を通ると、カーテンはやはり開いたままだ。天井の空調があった位置に大きく穴が開き取り外されたから、或いは倒産したのだらう。
長い間、獣医学科の定員が増えなかったのは、臨床に付く獣医資格者が半分なことと合はせると、これが限度なのだらう。今から二十年くらい前に、畜産業の獣医が不足してゐると云ふ報道を見たことがある。犬や猫の獣医は多いが畜産業の獣医は少ないさうだ。だとすれば四国限定は必須だ。(完)


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