四百三十五、健保組合は不公平だから自由競争にすべきだ


平成25年
六月十八日(火)「人間ドツク」
今年も人間ドツクの季節がやつて来た。毎年受診しこれで二十二回目である(回数が一つ多いのは前の会社も同じ健保だつた)。通常に人間ドツクを受診すれば高額だが情報サービス健保組合は二十一年前は千円、次いで三千円、今は五千円である(悪税消費税分は除く)。
情報処理健保組合はコンピユータ業界の同業多数で作られ保険料は労使が折半である。これは政府管掌健保(現、協会健保)も同じである。ところが大企業の健保組合は労使折半ではなく使用者側のほうが負担率が高い。もともと給料が高いから二重に不公平である。更に会社の敷地内に健保組合の病院を建てたり事業所に医師が常駐したりしてその分も実質は企業の補助である。
消費税の増税は中止して、労使折半を超へる分に課税したらだうか。日本全体のことを考へればこれが常識ある考へである。ニセ労組がシロアリ連合だといふことがこれでも明らかである。すべての健保組合は企業を離れ、企業はどの健保組合にも加入することができるようにすべきだ。これで不公平は解消できるし健保組合の官僚化も防ぐことができる。

六月十九日(水)「人間ドツクの金額の遷移」
二十二年間に人間ドツクは次のやうに変化を繰り返した。
(1)健保組合の直営センターが西新橋にあつたが、外部の指定病院でも千円だつた。今の会社に入社したときは横浜勤務だつたので社会保険横浜中央病院の人間ドツクを受診した。これは会社の総務部長が、病院で受けたほうが異常が見つかつたとき便利だといふのでそれに従つた。人間ドツク終了後にすぐ裏の中華街でランチタイムに食べるのも楽しみだつた。
(2)五年ほどして人間ドツクが三千円に値上げになつた。しかし直営センターは据へ置かれたので直営センターに行くやうになつた。バリウムが早く出るやう下剤を飲むが通常はその日の夜か翌日に排出される。しかし一回だけ直営センターを出てすぐに便意を催したことがあつた。そこで近くの富士通御成門分室のビルのトイレを借りバリウムを出した。勝手に民間企業のトイレを借りてよいのかと思ふ人もゐよう。当時はビルには自由に入つてよいが部屋には入つてはいけないといふ暗黙の了解があつた。今はビルの入口に改札口みたいなものがあるところがある。ああいふビルに入居する企業とは取引きするのは止めよう。ああいふビルは社会を破壊する。霞ヶ関ビルや池袋のサンシヤインを見よ。自由に上がれるではないか。
余談だが御成門分室にはパソコンが半導体から電算に移つたあと小杉分室にゐたサポート部隊と新たに出来たシステム本部パソコンシステム統括部が2年ほどゐた。
(3)直営センターも三千円に値上がりした。だから家の近くの民間検診センターで一回受診した。しかしコーヒーが自由に飲めるだけで昼食が付かない。だから翌年から直営センターに戻つた。
(4)人間ドツクが五千円に値上がりし、人間ドツクより検査項目を減らしたコースを三千円で新設した。社会保険横浜中央病院にも日帰り人間ドツクのほかにこのようなものがあつたことを思ひ出す。

このように人間ドツクはここ二十年で値上げを繰り返した。その理由をこれから考察しよう。

六月二十日(木)「ソフトウエア業の凋落」
人間ドツクの値上げだけではない。直営スポーツセンターが都内に三箇所あつたが、次々に廃止された。健保組合はその理由を高齢者医療の分担金が組合健保に課せられたことだと主張するがそれは正しくない。
一年に一回の健康診断は企業に課せられた義務である。しかし情報サービス健保では昔から人間ドツクを受診し、自己負担分について苦情を言ふ人はゐなかつた。ところが近年、受診者は無料の法定検診も受けられるやうになつた。検診センターは外部の機関を含めて昼食が付くところが多い。だから三千円でも実質は二千円または二千三百円程度である。それさへも支払へない非正規雇用の技術者が増へたといふことだ。

六月二十二日(土)「恐怖の胃カメラ」
今年四月から胃のバリウム検査の代はりに胃カメラを選択できるやうになつた。定員は一日五人である。私も早速胃カメラで予約した。私の場合胸焼けが起きるからである。ところが当日朝に誓約書を書かされ嘔吐などを起こしても異議ありませんといふ内容なので何となく嫌な予感がした。
うがい薬で喉に麻酔を掛けた後に管を喉に通すがその苦しこととい云つたらない。嘔吐しても前夜から食べないから胃液が出るだけだし私の場合は嘔吐はしなかつた。しかしゲーといふ感じがするし喉の圧迫感もすごい。世の中にはこんな苦しい検査があるのかと驚いた。
検査を受けた価値はあつた。終了後に医師が、何かこれまでにありましたかと云ふから昨年は十回くらい胸焼けがして今年は二回だけだといふと、食道の下部に炎症があり治りかけてゐますと説明があつた。それだけだと手相や易者と変らない。何かありますかと聞かれて、去年から何かに取り付かれてゐるみたいなのですがと云ふと、あなたは昨年から取り付かれてゐますと説明されるやうなものである。しかし写真を見せられてなるほどと思つた。十二指腸にも炎症があつた。私の場合は胃は丈夫で胃液が出すぎるといふことだつた。
これまでは高尿酸血症を気にして水を多めに飲んだが、これからは胃のことを考へて飲む量を控へようと決意した。朝食前にコーヒーを飲むのも止めようと決意した。真つ赤な胃の粘膜を目の当たりにして精神の安定も必要だと思つた。前に胃に穴の開いた人の話で、精神状態が変ると胃の粘膜の胃の粘膜の様子が大きく変ることを読んだことがある。
社会保険病院のホームページを見ると日帰りドツクが38241円、検査項目の少し少ないコースで22686円である。だから情報サービス健保組合はかなり優遇されてゐる。プログラマーには三十五歳定年説があり、これは間違ひではない。だから若い人が多く人間ドツクの費用を安くしてこれた。しかし高年者の負担をするやうになると、和解人の大飯ことが負担額を増やすことになつた。
健保組合、特に大手企業の健保組合は不公平であり廃止すべきだ。それができないのは、労働組合の必要のないところに強制加入の労働組合があり、労働組合の必要なところには数%の組合員しかゐないといふ矛盾があるためだ。すべての健保組合の加入脱退を自由にして健保組合どうしの競争を促すべきである。(完)


メニューへ戻る 前へ 次へ