二千八百十九(うた)報道を読んで(人貸し業の倒産、「縁故主義」と「部族民主主義」)
乙巳(西洋発狂人歴2025)年
六月二十二日(日)
ITmediaビジネスのホームページに
労働者派遣業、「人手不足」で倒産最多ペースか
が載った。これはよいことだ。人間の労働を販売してはいけない。それでは付加価値を付けられないから、仕事があるときだけ使って、無いときは嫌がらせをするやうになる。或いは、経費節減のために、労働側に自己負担させるやうに誘導する。
昨年九月まで業務委託で勤務した会社(実態は雇用なのに偽装)は、最初は引き継ぎが必須で、五百円と往復交通費が支給された。或る時に、引き継ぎを廃止し、しかし管理会社の希望で引き継ぎが必須のときは、交通費のみ支給するやうになった。更に、引き継ぎ必須ではなくても、道を間違へたり、鍵の位置、警報装置の解除方法が不安な為に、交通費自分持ちで自主引き継ぎを行ふ人が多かった。
もう一つある。研修だが会長の自慢話だかを聞かされる会合に、懇親会があるので給料無しで交通費のみだった。たまたま用事があり欠席したが、後日同じ内容を行ふと云ふので申し込んだ。しかし懇親会がないので、給料が出るのか質問したら交通費のみだと云ふ。それなら欠席と伝へたら、その月の末で契約解除(雇用で云ふ解雇や退職。今回は会社が云ひ出したから、解雇に相当)になった。
派遣業や、実態は雇用なのに業務委託を装ふところは、どんどん倒産したほうがいい。人手不足の時代に、そんな会社で働く必要はない。
企業とは人の力を組み合はせ数を越えるの力出す 人貸し業は人数を越える働き加はらずピンハネ及び使ひ捨てのみ
反歌
無能でも社長務まる業界は人貸し業に入るべからず
六月二十三日(月)
集英社のホームページに
「法を犯しても処罰されず、裏金も課税されず、失政をしてもメディアから追及されない」日本は「縁故主義」と「部族民主主義」によって「三流独裁国」に転落してしまうのか
が載った。前文は
「法を犯しても処罰されず、裏金も課税されず、失政をしてもメディアから追及されない」これはどこぞの後進国の話でなはい。ここ十数年、一部の自民党員たちが享受してきた特権である。なぜこんなにも日本の政治は没落し続けているのだろうか?
思想家の内田樹氏の最新著者『沈む祖国を救うには』より一部を抜粋・再構成し、三流独裁国に成り下がり始めている日本の未来を憂う。
本文に入り
自民党の世襲議員たちは縁故がらみの部族を形成して、国民から供託された公権力を私利のために用い、公金を私物化している。
そんな無法ができるのは、(中略)メンバーたちがお互いに融通を図り、連携を密にして、相互扶助ネットワークを形成しているからである。(中略)一方、貧しい国民は「自己責任」を求められ、分断し孤立している。
その実態は
貧しい大衆は「世の中に連帯などというものはない。全員が自己利益の最大化をめざして競争しているのだ」というイデオロギーを吹き込まれ、(中略)政治的に無力な状態に釘付けにされる。
勘違いしている人が多いが、今の日本社会は全員が弱肉強食の競争に投じられているわけではない。(中略)メンバーに登録されれば、法を犯しても処罰されず、裏金を懐に入れても課税されず、どれほど失政をしてもメディアは報道しない……という特権を享受できる。
六月二十四日(火)
もう「日本」という政治単位そのものの土台が崩れようとしている。排外主義(中略)は「国が壊れる」ことへの恐怖心が生み出したものなのだが、別に移民や外国人が日本を壊していると彼らだって思っているわけではない。(中略)「世界のどの国にも住みたくない。何がなんでもこの国で暮らしたい」と全国民が思えるほど居心地のよい国をつくればいい。
それなら国民は(中略)税金だって喜んで払うし、国旗にも敬意を示すだろう。
それに日本はまだまだ捨てたものではない。各地で、「小さな公共」を手作りしている人たちがいる。(中略)日本の未来はたしかに明るくはないけれど、希望がまったくないわけではない。
最後の一行だけ、内田さんと意見が異なる。「小さな公共」の手作りを壊すのが、リベラルであり、連合である。
部族には世襲議員のほかも居るリベラル及び連合と云ふ(終)
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