二千七百六十二(うた)鎌倉孝夫「資本主義の国家破綻」長周新聞社(その二)
乙巳(西洋発狂人歴2025)年
五月十九日(月)
『鎌倉孝夫「資本主義の国家破綻」長周新聞社』は「はじめに」と「第一章」の紹介で終了させた。これは『長周新聞社「福田正義評論集」』と同じ扱ひだが、後者が六十年前なのに対し、前者は十一年前だ。そこで続編を書くことにした。
「第二章 国家破綻の経済的根拠-ソブリン危機」では、まづ<第一節 アメリカに従えば"国益"を損なう>で
イラン制裁強化法は、アメリカの国内法である。これを日本に対しても適用しようというのである。
(中略)こうしてアザデガン油田開発から撤退せざるをえなくなった。
みすみす日本政府は石油資源利権を失った。

<第二節 国債発行ー財政支出拡大策の限界>では
資本主義は、(中略)大恐慌・大不況に直面し(中略)維持が困難になると、国家に依存して体制維持を図る。

として
日本はじめ主要資本主義国の財政状況は、戦時財政並みになっている。

アメリカが、自国中心主義になったのは、もはや財政赤字に耐へられなくなったからだ。決してトランプが異端なのではなく、さうせざるを得なくなった。
「第三章 究極の新自由主義ー世界的デフレスパイラル」の<第二節 なぜ新自由主義の徹底なのかーグローバル大経済戦争」では
超低金利(中略)国債増発ー中央銀行買取りによって通貨をつぎ込んでも、ひと握りの金融独占資本に利するだけで、雇用は回復せず、賃金も上昇しない。

過去には
一九三〇年代はそれが経済ブロック化、そして植民地再分割戦としての第二時世界大戦を招いた。

正論である。欧米列強が世界中を植民地にした。そして世界大恐慌のときに、ブロック経済化した。その根本を無視してリベラルは植民地再分割戦だけを取り上げるから、話が変になる。
次に、日本は昨年辺りよりインフレと云はれるが、これは金利差による円安なだけだ。デフレスパイラルを抜け出た訳ではない。
「第四章 国家をなくせない資本主義ー戦争なしに存続しえない体制」では
現代の資本主義国家は、その国民統合機能の危機だけではなく、国家そのものの存立の危機にある。それはなぜなのか。

で始まる。<第一節 新自由主義と国家>では、かつて
世界の社会主義潮流が強まる中で(中略)アメリカ帝国主義の軍事力による抵抗が不可欠であったが(中略)社会主義化を抑えるため、労働者・民衆の要求に一定程度応える(中略)福祉・改良政策が必要であった。

しかしその後は
新自由主義は、このような資本に対する規制、(中略)行動の制限こそが、スタグフレーションをもたらし、(中略)それでは世界市場競争戦に太刀打ちできない、として、規制緩和・撤退(以下略)

そして
パックス・アメリカーナの忠僕としてアメリカの利益に奉仕するこの政権は、「国」を売り「国益」を損う「悲惨」・「卑屈」な姿をさらしている。

冷戦の終結以後もアメリカの帝国主義は存続をする

反長歌  欧州の軍事同盟ソビエトの崩壊以後も存続し 地域拡大またも戦争(終)
(追記)そんな資本主義でも、ソ連崩壊の後にこれまでやって来れたのは、地球滅亡と引き換へだったことを書くつもりだったのに、書かないうちに終了したのは、鎌倉さんの著書に巻き込まれたかな。
資本主義膨大な数の戦争を起こした後に 労働者対抗せざるは温暖化にて

反歌  温暖化未来の人と生物を搾取行為で悪魔の行為(終)

(歴史の流れの復活を、その五百三十五)へ 兼(歴史の流れの復活を、その五百三十七)へ

メニューへ戻る うた(一千三百一)へ うた(一千三百三)へ