二千七百四十六(うた)長周新聞社「福田正義評論集」
乙巳(西洋発狂人歴2025)年
五月六日(火)
長周新聞の名を知ったのは二週間ほど前だった。市立図書館で長周新聞社の本を検索すると、一冊だけ見つかった。「福田正義評論集 原水禁・平和運動論 創刊45周年記念出版」である。
インターネットで調べると福田正義は、1947年に日本共産党入党、山口県や中国地方の役員を経て、1955年『長周新聞』を創刊。1966年日本共産党から分裂し、日本共産党山口県委員会(左派)を結成。 1969年全国組織を結成し、中央委員会議長。
それでは本を見よう。最初は一九六二年の「広島と長崎」である。
日本帝国主義の戦争犯罪の追及は、民主陣営によって鋭くされていった。しかし、アメリカ帝国主義の野望については、十分にあきらかにされなかった。

日本がなぜ帝国主義になったかは、まづ黒船に始まる欧米の砲艦外交である。そして、アジア各国が次々に植民地化されて行く現実があった。
ところが日本は、日露戦争の前辺りから自身が帝国主義になった。それは帝国主義のイギリスと日英同盟を結んだことが契機か。この二つの切り口が重要だ。
「青年平和大会」(中略)のスローガンは、つぎのとおりである。
1.原子兵器の禁止
2.最初に原子兵器を使用する政府を戦犯とする
3.民族独立を実力でかちとれ
(中略)この大会に広島造船青年部は半日ストで、広島電鉄は一日ストで参加することを決めたことを報じている。

民族独立の背景は、文化即ち社会をアメリカにより破壊されることへの抵抗と見た。国民の支持が立憲民主党へ向かない理由は、ここにある。
連合は労使対決誤魔化して社会を破壊リベラルは アメリカの真似国を亡ぼす

反歌  立民は連合リベラルアメリカに顔を向けつつ国民を無視
国際反戦デーにはじまった平和擁護週間(中略)に、アメリカ占領者(中略)は、平和大会を禁止しただけではない。広島では、平和と名のつく一切の集会を禁止した。ユネスコの集会すら流され、毎年欺瞞的におこなわれていた式典もとりやめた。そして彼らは「八月六日は日本人民の反省の日とする」といった。

「毎年欺瞞的におこなわれていた式典」は爆笑ものだが、「日本人民の反省の日とする」にアメリカの悪質さが現れる。そして平和大会が強行されるや
まさに戒厳令下の無気味な様相を呈していた。そのなかに、何台かの高級車にのった外国人数名が(中略)キリスト教の宣伝と「平和の祈り」「日本人の反省」を書いたゼイタクな刷りものを配っていた(以下略)

日本が骨抜きにされた経緯がよくわかる。
第一回八・六大会はその過程で、アメリカ帝国主義の原爆投下の犯罪を日本人民に暴露し、彼らがやっているインチキな「平和宣伝」の仮面をひきはぎ、(中略)帝国主義こそが戦争の元凶であり、侵略のためにはいかなる残虐も眉ひとつ動かさずにやってのける種類のものであることをあきらかにした。

評論はこれ以外もたくさんあるが、六十年の時代差は大きいので、一つに留めて終了としたい。(終)

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