二千六百五十二(うた)中国が「福島原発の処理水放出」を問題視した「ほんとうの理由」、「反日」なわけではない
乙巳(西洋発狂人歴2025)年
二月十二日(水)
講談社ゲンダイのホームページに
中国が「福島原発の処理水放出」を問題視した「ほんとうの理由」、「反日」なわけではない…
が載った。北京大学で博士課程修了。英国留学、中国人民大学国際事務研究所客員研究員、デジタルハリウッド大学大学院特任教授、 中国政治経済誌編集長などを歴任、インド政府立IIMインド管理大学ラクナウノイダ公共政策センターに勤務する中川コージさんの執筆である。
近年、中国に関する日本国内の言説量は、爆発的に増えています。しかしその中には、語り手が言論界の大物であったとしても、中身は高校生レベルの旧共産国失敗の歴史のみを論拠に、(中略)語っているようなものも少なくありません。
橋爪大三郎が、その典型である。
中国の内政におけるロジックが分からないままに、「なぜ中国が今、このような対応に出るのか」「次にどのような行動に出るのか」を語っても全く意味がないどころか、ともすれば有害にすらなりかねない状況にあります。
(中略)論客たちが中国起点の軍事衝突の危機を煽る、という状況はここ数年続いています。しかも単に煽るだけでなく、(中略)有事の日本の政治課題まで語るため、情報の受け手が(中略)過度な危機感を感じてしまうのは無理もありません。しかしその実態はといえば、「政治リソースを無駄に割くノイズを振りまいている」ケースも否定できないのです。
秋津洲マッカーサーの洗脳で属領となり反中叫ぶ
二月十三日(木)
2023年8月24日に行われた福島原発の処理水放出に対して中国側がこれを政治問題化した件です。政治的にも中国当局は日本産海産物の禁輸を発表しました。
これに対し、「中国は反日の独裁国家だから、政府がやらせているのだ」という保守系の意見だけでなく、「日本側が事前協議をして理解を得るなどの努力を怠ったために、中国がセンセーショナルに反応したのだ」といった政府批判派からの解説もありました。
しかし実際は、「自ら負け戦であると解りながら反日を展開せざるを得ず、表面的には合理性を欠くが、北京中央の内部ロジックとしては合理性があった」という建付けが見えてきます。なぜ彼らは分が悪い戦いを日本に挑んできたのでしょうか。
(中略)党が以前に示したロジックを「実は間違っていました」と言って急に方針転換をすることができないため、福島事故関連の対応が転換不能となり、「あの時、放射能の危険性をあれだけ指摘したのだから、汚染水に関しても同様に厳しい姿勢で臨まなければならない」という、いわば「2011年来の反汚染、抗日正統性を踏襲した」という内部ロジックが存在する強い可能性があります。
小生は、危険だと本当に思ってゐたのだと思ふ。日本側(または日本国内に報道された日本政府の主張)の言及は三重水素のみだったが、放射線を出しながら他の元素に崩壊するものの中に、危険なものが生じるかも知れないと思ったのではないか。
いずれにしても「日本政府が悪いからだ」という中国無謬論に陥る人や、「中国政府、習近平は(中略)科学を無視した暴挙を平気で行う」といった、もはや解説ですらない単なる誹謗中傷のような言論をいくら重ねても、日本が得るものは何もありません。
(中略)共産主義国だから……、反日だから……、独裁国家だから……といった古臭く一面的な中国像だけで外交、安全保障、経済、内政などすべてを語ることには当然、問題がありますし、「その程度の理解で語っても視聴者や読者には真偽が分かるまい」といった姿勢は、不誠実なものでしょう。
これは同感である。その一方で、中国は報道、科学機関が政府の統制下なのに対し、日本は違ふ。その思考方法の違ひか、とも思ふ。尤もフジテレビの騒ぎで、日本の組織も駄目だと最近では思ひ始めたが。
中国は政府統制報道や科学今では日本も同じ(終)
メニューへ戻る
うた(一千百九十一)へ
うた(一千百九十三)へ