二千二(和語のうた)閲覧注意メモ書き歌(強風の日、二度目の神田、春の連休)
壬寅(西洋野蛮歴2023)年
五月一日(月)
プラスチックごみを出す日が強風だった。各戸から小さな袋で出されたものを積み上げると、風で飛んでしまふ。缶や瓶のコンテナで止めたところ、うまく行ったかに見えた。ところが暫くすると、コンテナが5mほど移動し袋がかなり飛んでしまった。ここは、飛んでも行きどまりだ。だから回収はできる。
晴れなれど嵐のごとく強き風 掃きてもすぐに落ち葉来て 出した芥の袋また飛ぶ

(反歌) 陽は強く暖かき日に思へても風は時折りうなりて狂ふ
高どのがここ四十(よそ)どせに増え続け 大きな町は中ほどで強き風吹く 中ほどを外れたところ風は弱くも

(反歌) 高どのは街から奪ふ美しさ遠き景色と空の青白
「けしき」は元は音読みだ。しかし気色を「きしょく」と読むやうになり、「景色」の当て字になった。今では和語と云ってよい。
プラスチックは、全体の1/4程度の、飛ばない範囲を持って行ってもらはふと思った。しかし来週が大変だ。そこで、ゴミ庫内で出しやすい形に積み上げて待機した。収集車が来たので全部出した。
一昨年から、空いた時間を有効利用するため、本に目を通す。しかし怠けてゐるやうに見えるといけないので、本を持ち歩かないことにした。
書(ふみ)無しに待つこと長く時遅く だが止める観るすることで或いは歌を詠むことで 心は清くそして落ち着く

(反歌) 近ごろは目が乾きがち肩も凝る治すを兼ねて病知らずに

五月二日(月)
昨日は神田に行く用事があった。
縦横に家が集まる奥行きと間口大きな高殿は みやびな造りこの辺りかつて神田は商ひや匠の人が住む街に 今や高殿立ち並び金にゆとりの人々が住む

(反歌) 三つ時の半ばを使ふごみ出しと紙を束ねて疲れも半ば
(反歌) 高殿の上から下へ見て巡る時の半ばを概ね使ふ
大きなマンションなので、清掃員と小生と二人がかりで可燃ごみの搬出に一時間。清掃員は清掃に入り、小生は段ボール、缶、瓶、ペットボトルの整理に二時間。午後は巡回に一時間弱。一番大変なのは、段ボールを縛る作業に一時間四十分掛かった。作業を始め縛り続けても段ボールが減らないので、大変な思ひをした。
神田には子らの二つ目学び舎が民の立てるを除いては既に無くなりゆとり人のみ

(反歌) 丸の内霞が関は昔から住む人稀に学び舎は無し
(反歌) 丸の内霞が関はももしきの大宮所東と南
千代田区立の中学校は二校に激減した(先月の記事)。
神田にはまだ人の住む家がある 商ひの店食べ物の店の階(きざはし)その上に 六十(むそ)年前が今に伝はる

(反歌) 神田ではすぐに祭がある由の貼り紙の群れあちこちの戸に(終)

追記四月二十八日(金)
行方不明だったメモ用紙が出て来た。
明日からは祝ひの休み四日有り まづ一日目つちの日と重なるために変はりなくひの日も休み 二日のち三日祝ひとつちひで五日

(反歌) 一日と二日は常の日となるが多くの人は休みを取るか
五月一日の欄に書いたやうに、本を持ち歩かなくなり
時余る 書(ふみ)を読まずに 吸ふ息と吐く息に心集めれば 心静めて落ち着きて 目は休まりて老ひによる体の疲れすべてが治る

(反歌) 山登りけしきを見ると似た動き心静めて息整へる
(反歌) 衰へも心整へ昼と夜老ひを楽しむゆとり生まれる
(五月五日追記)「良寛の出家、漢詩、その他の人たちを含む和歌論」のリンクを、今回からメモ書き歌を含めないことにした。そして本日外した。メモ書き歌は、特異現象では無くなったため、普通のページと差が無くなった。

メニューへ戻る うた(五百四十一)へ うた(五百四十三)へ