千九百五十一(うた) 1.期待外れだった動物会議、2.上中里西側の小道、3.不二家本社跡、4.再度の動物会議
壬寅(西洋野蛮歴2023)年
二月二十四日(金)
本日は仕事が終はった後、まづ上中里西側の小道に行った。飛鳥の小径と名付けられてゐた。中里貝塚にも寄った。財務省研修所内の小道も往復した。滝野川公園は僅かな往復に留め、印刷局工場の北側を廻って地下鉄西ケ原駅に出た。
地下鉄で銀座まで行った。銀座グフフィックギャラリーの「動物会議 緊急大集合」を鑑賞した。入場無料だが、期待外れだった。ドイツの作家エーリッヒ・ケストナーの絵本『動物会議』から
インスピレーションを受けて企画された本展ではDNPグラフィックデザイン・アーカイブの中から、「人間と動物との共存と平和」というケストナーの熱い想いを体現しているポスター作品をセレクト、120点あまりが緊急大集合します!

キャンプ場やゴルフ場のポスターもあり、内容は動物が載るデザイン展だった。地球保護や動物保護ではなく、作者と作品の紹介が目的だった。
二階には番外編として、絵本『動物会議』の日本語版やいろいろな書籍が並ぶ。
絵本『動物会議』が書かれ、出版されたのが1949年のこと。子どもたちのために、戦争のない世界をつくろう! と、怒りと正義によって、世界中の動物たちが立ち上がる物語です。

ここまで大賛成だが、絵本の最後のほうに、国境をなくすことを提案します、とあった。第二次世界大戦が終はって四年目なので、この提案はよいことだ。EUとなって実現した。
しかし、EUができたのは、ゲルマン、ラテン、スラブの三言語は、語順、構造、語源から、方言みたいなものだ。
非欧州地域が、西洋文化に同化することは、やってはいけない。あと、地球温暖化とプラスチック問題が注目されるやうになった前に、米ソ冷戦があった。その前の書籍だから、地球問題には触れない。そもそも西洋野蛮文明が起こしたものだから、ドイツ人の作家だと本質を指摘することができない。
会場を出たあと、交詢社通りを不二家の本社跡まで行ってみた。過去の形跡はまったくなかった。クリスタルビルに数寄屋橋店とぺこちゃんのおうち(グッズ販売)があるので、こちらにも寄ればよかった。ペコちゃんの頭をなぜそこねた、と云ふのは冗談だ。おびんづる様ではあるまいし、なぜてもご利益はない。

二月二十五日(土)
昨日の期待外れを敷衍すると、戦争反対を唱へることは人間側の勝手だ。それにより自然環境に甚大な被害が出るから、勿論動物側も戦争反対だが、絵本『動物会議』はさう云ふ趣旨ではない。第二次世界大戦の四年後だから、云はんとすることには大賛成である。しかし動物を巻き込むと、環境破壊が人類の最重要課題となった現代では、極めて不十分だ。
とは云へ、このやうな企画を行った主催者側には、心から敬意を表したい。前回は見落としたものがあるかも知れない。できればもう一度訪問したいものだ。
戦争に反対するは当然だ 西洋野蛮文明に屈服させて平穏を装ふことは反対だ かつて世界のほとんどを植民地とし 現代は経済力で世界を支配

(反歌) 西洋の経済力は見せかけで地球破壊を永続できぬ

二月二十六日(日)
主催者を調べて納得した。公益財団法人DNP文化振興財団で、大日本印刷が設立した。きれいなポスターばかりの理由がわかった。ポスターには、多摩動物公園、葛西水族館もあった。
印刷がより人々の役に立つ その方法を裏側の道より探す財団か 八十六年ギャラリーを銀座に作り関西も九十一年 更にまた九十五年須賀川の草原の奥山の下ゴルフ施設のすぐ隣現代アートセンターを入場料は三百円で

(反歌) 須賀川の現代アートセンターは昨年末で閉館となる

二月二十八日(火)
本日も仕事終了後に銀座へ行った。まづ、不二家旧本社ビルの周りを二周した。旧本社に周囲三店を加へた大きなビルが完成間近だ。
「動物会議 緊急大集合」では、大日本印刷だけではなく、凸版印刷のポスターが1枚あった。他にもあるのだらうが、ポスター内にたまたま記述があった。日本野鳥の会のポスターもあった。
インターネットの世界では、目立つやうに醜悪な画面(歯を指さしたり、目の下の皺をみせたり、醜い顔など)がある。ポスターにはさういふものは皆無で、これはよいことだ。とは云へ、醜くは無いもののわざと目立つやうにしたものはある。それが動物の生存を不可能にするもの(例へば水から外に出した魚など)はよくない。パンダが変な仕草をするものも、パンダと見る人の双方を馬鹿にしたものだ。
動物の偉大さが表れる作品を期待したい。日本の美が生かされた作品が、僅かだがあった。今回の企画全体の案内に
動物の表現方法は、写真、絵画、イラストレーション、グラフィックなどさまざまです。古くは花鳥画、琳派、浮世絵などを彩ってきた動物たち。日本美術の伝統を引き継ぎ、奔放で色彩豊か、そして繊細で、理性より感性に訴える、世界に類を見ない独特のグラフィック表現にご着目ください。

これは該当する作品が少ない。
2022年5月から7月まで、ローマ日本文化会館にて同タイトルの企画展が開催されました。地球温暖化による40℃超えという記録的な暑さにも関わらず、多くの来場者を数え話題となりました。(中略)gggでは、ローマでの展覧会を再構成し、さらに多様性を広げた内容をお届けします。言葉は違っても、動物たちは国境を越え、私たちが見失ってしまいそうな大切なことを伝えてくれています。

gggは銀座グラフィックギャラリーのことだ。今後の活動に期待したい。会場を出たあと、銀座通りの一本西側の道を晴海通りに出た。時計台を横目に左折して数寄屋橋角の不二家のネオンがあるビルのペコちゃんの家に寄ったあと、有楽町駅に向かった。なるほど首都高速が有楽町駅をふさぐ形だ。撤去になるのは、自然の流れた。
我が国の特長を持つデザインで勝負をしないと 世界には同じ力の人たちがひしめいてゐる 今後に期待

(反歌) 西洋の真似で作ると元よりは劣り月日も一周遅れ(終)

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