百八十五、新聞の再販制度を廃止しろ
自民党国家戦略本部は売国奴だ、を7月22日に改称
その二(第五分科会と第六分科会)
八月八日(月)「第五分科会」
第五分科会の三月十一日の大震災といふのはよい表現である。管直人の命名した東日本大震災は使用すべきではない。私もこの名称は使用しないことにしている。
その三月十一日の大震災に際して同盟国米国はもとより、世界156国・地域及び41国際機関から温かい支援が寄せられたはよくない。軍事的緊張が高まつたといふのなら軍事同盟を強調してもよい。平時に於いて軍事同盟を強調するには下心がある。そもそも日本は武力を国際紛争の解決手段とはしないことにしてゐる。
日本は世界の多くの国々と条約を結んでゐる。貿易の同盟国や国際犯罪の同盟国などが多数あるではないか。解決手段とはしない武力の条約を以つて同盟国と呼ぶべきではない。
更に悪いことに文化面への深化まで唱える人が数年前から現れた。管政権も支持率が下がつた後に文化への深化を唱へた。アメリカが、日本語をもつと学習しよう、経済を日本式にしよう、などと言ふ筈がない。日本がアメリカに統合されるだけだ。第五分科会が管直人の愚を繰り返さなかつたのは偉い。
八月九日(火)「アメリカの横暴は日本に責任がある」
第五分科会は次に「20年間の間に米国のGDPシェアが約25%から約20%に低下した」と述べるが、世界の人口の五%弱の地域がGDPの20%を占めること自体が異常である。
GDP三位の日本が実質はアメリカの属領状態だからアメリカのGDPは莫大である。アメリカが世界で傲慢に振舞ふ原因は日本にもある。
次に「米国だけで世界を引っ張っていく時代ではない」と述べるが、アメリカは五%弱の発言力にとどめるべきだ。それが民主主義であろう。
第二次大戦前はアメリカの軍事力は飛び抜けて大きかつた訳ではない。日本の真珠湾攻撃の後にアメリカは空母や航空機や最新兵器を大量に作り現在に至つた。アメリカの横暴は日本に責任がある。日本はそのことを自覚しアメリカのためではなく世界の安定のためを考へるべきだ。
八月十日(水)「第五分科会は頭が悪いのか、それとも売国奴なのか、自分達でどちらか選択せよ(その一)」
第五分科会はIT技術の発展により、世界の一隅で生じた出来事がリアルタイムに世界中に広げることになったと書いてゐる。
まづなぜ「リアルタイム」といふ変な言葉を用ゐるのか。「すぐに」「瞬時」ではいけないのか。
リアルタイムとはITの専門用語で、コンピュータに信号が入つたときに一定時間以内に解決することだ。工場系のコンピユータに求められる。自衛隊のコンピユータにも求められるが今は首相と防衛相が米軍の言ひなりだからあまり意味がない。護衛艦や戦闘機では意味があるが、日本は武力を国際紛争の解決手段にしないからやはり意味がない。
普通のコンピュータ、例へばUNIXはタスクの優先度を上げれば早くなるが時間は保証できない。特殊なリアルタイムOSと呼ばれるものが必要である。第五分科会はそこまでわかつて発言してゐるのか。
八月十一日(木)「第五分科会は頭が悪いのか、それとも売国奴なのか、自分達でどちらか選択せよ(その二)」
今は汎用のコンピユータを使はずに専用のマイコンチツプを使ふだらうからリアルタイムOSもあまり意味はない。しかしカタカナ語は容易に使つてはいけないといふ好例なので挙げてみた。
第五分科会は「我が国の外交・安全保障政策の基本的考え方」で五項目を挙げるが、互いに矛盾するものばかりだ。
第一に、我が国は平和を希求する国家であり続ける。
第三に、我が国自身の防衛力強化をはじめとする、危機管理能力の強化が必要であると考える。
第4に、日米安全保障条約を基軸とする日米同盟を強化するとともに、中国と、戦略的互恵関係を一層強化する。
平和を希求するといふが、アメリカはイラクへの大量破壊兵器の言ひ掛かりに見られるように世界で二番目に狂暴である。(一番目は北朝鮮か)
平和を希求する日本が世界で二番目に狂暴なアメリカと同盟を強化したら矛盾だ。しかも同じ文章の後半で、中国との戦略的互恵関係を謳ふがこれも矛盾だ。
アメリカは短期には自由経済以外を認めず長期には普通選挙による政権以外を認めない。これは戦前の帝国主義の改良版である。アメリカがそのような戦略を採る以上、アメリカと中国の両方と戦略的関係を築くことは不可能である。
中立が望ましいが日米同盟を強化したらそのようなことはできない。更に悪いのは日米安全保障条約を基軸とする日米同盟といふ表現だ。安保条約以外にも同盟があるといふことだ。文化や経済にまで深化するといふ売国奴と同じだ。
矛盾した文章を羅列する第五分科会は頭が悪いのか本当の売国奴なのか、自分達で選択すべきだ。
八月十四日(日)「民主主義、自由」
第五分科会は韓国について「民主主義、自由、法と統治等の様々な価値を共有」といふが、日韓が国交を回復したのは韓国が民主化する前である。更に江戸時代の朝鮮との交流やそれ以前の長い歴史、例へば百済からの仏道伝来などが無視されてしまふ。
ここ二十年ほど「民主主義、自由の価値観」といふ言ひ方をする連中が現れた。拝米売国派である。かつては多くの国が選挙を行わずに政治を行つた。それでも国交を結んできた。それどころか日本も明治時代中ごろまでは憲法も選挙もなかつた。拝米売国派は自国の歴史を不連続にする。
八月十五日(月)「我田引水の第六分科会」
日本の近代教育は明治の発祥のときから間違つてゐる。欧米の猿真似だからだ。
結論としては一度、寺小屋の時代に戻りその後現代に合せた改良を加へるべきだ。
とは言へ、明治初期の教育はそれほど悪くはなかつた筈だ。しかし後に教育の上にあぐらをかく連中が出てきた。そういふ連中が報告書を書いたところで第六分科会程度のものしかできない。
八月二十日(土)「留学生受け入れ、海外留学」
まづ「グローバル化に対応し、やる気のある学生を育てるため、最近、停滞している留学生の受け入れ30万人計画を更に進めると共に、海外に留学することも積極的に支援する」とある。
グローバル化とは何か。明治以降世界は国際化してゐる。何しろアジアでは中国、タイ、日本以外は欧米の植民地だつた。戦後は各国が独立した。これ以上の国際化はあるのか。今は地球温暖化で無駄な海運は省く時代になつた。「グローバル化」とはアメリカが膨大な海外債務を回復するためにアメリカを世界標準にしやうとしただけだ。
さて留学生受け入れは日本語の話せる外国人を育成するためである。その国の言葉を使へる外国人数は長期の国益に比例する。現在は日本の大学を出て自国に戻りあまり日本語を活用しない人が多い。そういふ人を活用すれば留学生はまづ中国から増える。
次に前から何回も提案してゐるが、図書でも看板でも張り紙でも漢字に向ければひらがなと意味を表示する携帯端末を開発すべきだ。試験会場にもこの携帯端末は持ち込み可とする。そうすれば世界各国から留学生が増へる。
間違つても「留学生を増やすために英語で授業を」などと馬鹿なことは言つてはいけない。それでは国益の売り渡しである。売国行為である。
八月二十一日(日)「専修学校を一条校化するのではなく、大学を第百二十四条校化すべきだ」
次に「専修学校の一条校化を含む専門学校教育の充実」とあるが、これには反対である。
一般の読者のために説明をすると、幼稚園から大学までの普通の学校は学校教育法の第一条で規定される。それに対して専修学校は第百二十四条で規定され、専修学校のうち高校卒を対象としたものを専門学校と称する。専門学校の中で看護師受験資格が得られるなどの学校を除いたものは、教員の程度が低過ぎる。私もコンピュータ専門学校の教員を三年間勤めたので内情はよく知つてゐる。NECの子会社にゐた人間だとか怪しげなソフトハウスでCOBOLしか出来ないだとか、三年間あの低脳な同僚たちと話を合せたので私も頭が悪くなり回復するのに三年ほどかかつた。だから専修学校の一条校化には反対である。
さて今の学校は西洋の猿真似で日本に合わない。偏差値詐欺男や猿真似ニセ学者の出現は氷山の一角である。先の敗戦を迎へたのも、政治や軍部や学界の上層部が偏差値詐欺男ばかりになつたためではないのか。
専修学校を一条化するのではなく、大学を第百二十四条化すべきだ。
八月二十五日(木)「教育機関に人を差別する機能はない」
私が回復するのに三年間かかつたのは同僚の教員たちが低脳のためであつて学生が低脳なのではない。確かに大学に比べれば偏差値の低い学生も多かつたが一人一人を見ればプログラムの得意な学生やクラスを盛り上げるのが得意な学生などそれぞれ特長があつた。点数や偏差値で区分しやうとすれば膨大な次元になる。
そういふことさへ判らず一次元で点数を付けた結果、偏差値詐欺男や西洋猿真似ニセ学者を生んだ。
西洋はどうでもよい。日本だけでやるには蛮勇が必要だから全アジアですべての大学を百二十四条化したらどうか。それでも学ばうとする学生だけに教へればよい。
八月二十六日(金)「偏向マスコミ」
正しいことも間違つたことも含む六つの分科会の文書のうち、集団自衛権の行使と消費税を十%にすることだけを各マスコミは載せた。七月十九日はまだ消費税問題が世間を騒がせてゐた時期だ。
自民党は野党だから文書にあまり実行性はないといふのが一つの結論だ。野党第一党の文書だから吟味しやうといふのも一つの方法だ。
大手マスコミ各紙はどちらも取らなかつた。都合のよい部分だけを報道し、民主党反選挙公約派(菅直人派)を応援するといふ偏向手段に出た。
新聞の再販制度の廃止こそ新政権の急務である。(完)
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